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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 待ち行列(Waiting Line)をマーケティング戦略に活かす:QBSでの講義について②マーケティング (マーケティング/岩下仁)

待ち行列(Waiting Line)をマーケティング戦略に活かす:QBSでの講義について②マーケティング

岩下仁 マーケティング

14/08/12


前回に引き続き、今回もビジネススクールで実施されている講義「マーケティング戦略」についてお話します。

前回は、「選択肢が多い方が実は売上に繋がらない、選択肢は少ない方が消費者は買ってしまう」という内容でしたが、実はこの現象はカテゴリーによっても異なります。こだわりのない製品たとえばシャンプーを買う時のように、消費者が選択肢を予め決めていない場合の、選択肢の多いケースについてのお話でした。しかし何を買うのか決めている自動車など、選択肢が少ない製品もあります。

それでは、前回のおさらいはここまでにして、今日の内容に移りましょう。
今日は少し話題を変えて「行列について」お話したいと思います。
誰かが並んでいると、とりあえず「何で並んでいるのかな」という興味が湧いて来るという方もいらっしゃるかと思います。この行列から新たなマーケティング戦略を考えることが出来ます。

行列があると何か「わくわく」する感じがある、あるいは、ちょっとどこか、くすぐられるような「お、何々?」と興味をそそられることがあります。この視点がマーケティング戦略を考えるうえのヒントになります。そのため現在、研究者の間で非常に盛んに「行列をどうやって作ると最も買う物に対しての消費者の印象を高めることができるか」について研究が行われています。

では、実際に10人のサクラを準備して行列を作った場合、どういったことが考えられるでしょうか。
今回は「ハンバーガー屋さん」を例に2種類の行列についてみてみましょう。

1つ目の行列として、最初に8人のサクラをお店の前に並ばせたとします。
するとそれを見た通行人2人が「これはすごそうだな」と思ってやって来て並びます。
その後ろに残ったサクラ2人を並ばせます。
「前から、8人のサクラ、お客さん2人、サクラ2人」という行列ができるわけです。

次のパターンとしては、最初にサクラ2人を並ばせます。
その後に前には2人しかいないけれども、「何か行列が出来ているから並ぼう」と思ったお客さんが2人やってきます。その後に残りのサクラ8人を並ばせます。「前から、2人のサクラ、お客さん2人、サクラ8人」という行列ができます。

お客さんの順番が回ってきてハンバーガーをゲットした場合、食べたときの満足感は、1つ目の行列のパターンと、2つ目の行列のパターンのどちらが、より好意的な結果をもたらすでしょうか。

この行列によって、そのハンバーガーに対しての「評価」が違ってきます。つまり、企業側としては「行列の作り方」によって、同じ商品でもブランドや商品に対する「好感度」、「価値」を予め高めることが出来るということになります。

今回紹介した研究は、「行列の価値を、消費者がどこで感じるか」ということを検証するために実際に行われた実験です。その結果、実は自分の前に出来ている行列ではなく、「後ろに出来ている行列に消費者は価値を感じる」ということが明らかにされました。つまり、後ろに多く並んでいる後者の行列パターンの方が、よりハンバーガーを美味しく感じるというわけです。そのため、後ろに行列を長くすることで何が起こるかというと、1つは「商品自体の魅力を高めることが出来る」ということと、もう1つは「途中で行列から離脱しない」ということが分かっています。

「後ろにこんなに並んでいるのだから、途中で抜けてしまったらもったいない」と思うわけです。
そうすると企業側は、例えサクラを予め多く用意できない場合などでも、少ないサクラで前に何人か行列を作っておいて、お客さんが並んだ後にさっと行列を作ると良いわけです。

そうすることで、消費者の心理に火をつけ、その商品の価値を高め、売り上げも伸びると想定できます。
さらに消費者の商品に対するプラスの態度が上がりより好意的に感じることで、再購買にいたる可能性も高まります。

例えば東京などでは何時間も並んでご飯を食べてというような行列をよく目にします。そこでやはり企業側としては、「どういうふうに行列を作っていくか」というこういったところに商品の価値やサービスの価値を高める「鍵」があるわけです。行列の仕組みを理解し、きちんと分析することはとても大事なのです。
「行列」というと一見、企業側は何も対策を講じられないような視点なのですが、やはり「行列の作り方というのも、今のマーケティングの世界では常識になってきている」ということを、皆さんにお伝えしたいと思いました。

こういったことを、ビジネススクールの「マーケティング戦略」の講座では学ぶことが出来ます。今回は、ほんの1つの例ですので、他にも様々な角度からマーケティング戦略を学ぶことが出来るということを最後にお伝えしておきたいと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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