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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 消費者行動における情報過負荷(Information Overload)について:QBSでの講義について①マーケティング (マーケティング/岩下仁)

消費者行動における情報過負荷(Information Overload)について:QBSでの講義について①マーケティング

岩下仁 マーケティング

14/08/11


今日は、ビジネススクールで実施されている講義の中でも「マーケティング戦略」についてお話します。

「マーケティング戦略」は、ビジネススクールで最初に履修する必修科目にあたります。そして、本科目では徐々に込み入った内容へ、例えば「消費者の心理や製品がどうやって作られるのか」であるとか、いわゆる「ブランドはどうやって出来ているのか」といった話を、ケーススタディーを踏まえながらお話していきます。

実際の講義について、もう少し具体的に例を挙げてご紹介しましょう。

今日は、購買する際の「選択肢の問題」について、お話をしたいと思います。

まず皆さんには、「ジャム」をイメージしていただきたいと思います。
様々な種類のジャムがあると思いますが、「A」というお店には、イチゴや桃など様々なジャムが6種類販売されており、「B」というお店では、同様に様々なジャムが12種類販売されていたとします。
それぞれ50人ずつ消費者がいた場合、「A」と「B」どちらのお店のジャムが多く売れるでしょうか。

これはコロンビア大学ビジネススクールのアイエンガーという教授が実際に行った実験で、非常に有名な「消費者行動」の実験です。実験の結果6種類の方、つまり選択肢「A」の方が購買に至る確率が高いことが分かっています。従って、売上で考えると6つという種類が少ない方の売上が上がるということが言えます。

一見すると「種類が多い方がより多く売れる」と考えられるため、企業側もたくさんの種類のジャムそしてブランドを作っていくのですが、実際は種類が多すぎると消費者の中で混乱が起きてしまうわけです。要するに「情報がたくさん錯綜して、結局面倒くさいと思って買わなくなる」という心理が生じるというわけです。

こういったケースは、実は他にも様々なところで見られます。
例えばワイン売り場で最後に買ったワインの銘柄を覚えていないなど、こういった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。選択肢が多すぎて消費者の中で情報が錯綜し、まったく記憶に残らないという状況が実は至る所で見られているのです。

消費者は「迷っていると選ばない」のです。これが消費者の心理の1つとして挙げられます。
そのため、米国のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)という洗剤の有名な会社は、このジャムのケースを活かして、シャンプーのブランド数を減らしました。その結果シャンプーという激しいカテゴリーの中で、売り上げを1割伸ばすことに成功しています。

そうした消費者心理をきちんと分析して学ぶことによって、企業がどういう風に戦略を行っていけばいいのかという、その指針になるわけです。非常にシンプルなことですが、これを知っているか知らないか、たったこれだけで、厳しいビジネスの社会では非常に明確な差が出るわけです。

ビジネススクールの「マーケティング戦略」の講義の中では、こういった内容を1つ1つ扱っていきます。今回ご紹介した例は、「消費者心理」とか「消費者行動」と言った話でしたが、こうした事例をたくさん踏まえながら、マーケティングのセンスを磨いていただくことになります。

マーケティングは、左脳だけでなく右脳も使います。そのため「感性」も非常に重要であり、やはり机で閉じ籠もっているだけではなく、実際に売り場に行くとか、なぜ行列が出来ているとかであるとか、そういったことが非常に重要になるわけです。

そのため、マーケティングというのは、きちんと実験の結果を踏まえながら理論的に学んだ上で、それに「感性」をプラスして行う必要があり、ビジネススクールでは理論を、疑似体験しながら学んで頂きたいということになります。

今日はマーケティング戦略の中でも特に「消費者行動の選択」、いわゆる「チョイス」についてフォーカスしてお話してきました。やはり一般的には選択肢が多い方が良いと思われがちですけれども、実はそのようなことはなく、消費者が迷っている場合にはある程度企業側で選択肢を絞ってあげるということが重要であるということになります。

今日は主に消費者心理についてお話しましたけれども、まだ他にもマーケティング戦略の中には様々な項目があります。次回は、「行列にはどういうメカニズムがあるか」ということについてお話したいと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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