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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > QBS科目「産学連携マネジメント」の紹介(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

QBS科目「産学連携マネジメント」の紹介(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

14/08/27

・今回は、前回概要を説明したQBS科目「産学連携マネジメント」で取り組む技術アセスメント「QuickLook」を用いた演習について詳しく紹介したい。
・そもそも、大学や公的研究機関から多くの発明が生まれるが、実際に民間企業に技術移転される割合は日本が15%弱、米国でも1/4程度に過ぎない。この比率を高めるためには、技術商業化の初期段階で適切な技術アセスメントを行う必要があることから、「QuickLook」が生まれた。
・前回話したように、「QuickLook」の評価項目は、「技術の概要」、「技術の便益」、「対象市場」、「市場の関心」、「技術開発状況」、「知的財産」、「参入障壁」から構成され、それらをバランスよく評価したうえで、最終的に当該技術の市場参入の推奨案を立案し、それをスコア化して、「Go」「条件付きGo」「No Go」を評価する。
・「産学連携マネジメント」では、九大が保有する実在の技術シーズの中からひとつを受講者が選択し、その技術アセスメントを行う。昨年の講義で取り上げた技術シーズは、音声を強調して高齢者や難聴者の耳に届きやすくする技術や、ある植物の生活習慣病改善への応用、海中生物の抗炎症剤への応用、非食用植物のバイオマスからバイオプラスチックを製造する技術等々バラエティに富んでいる。
・アセスメントの過程で最も重要なのは、市場の関心がどこにあるかを、専門家へのインタビューを通じて明らかにすることだ。技術的な特性を活かして製品を企画しても、市場で受け入れられるとは限らない(むしろほとんどが受け入れられない)。市場全体のバリューチェーンを把握したうえで、具体的な市場の専門家(企業の開発責任者など)やユーザーにヒアリングを重ねることで、「既存製品の限界」や「顧客が解決を望む課題」が見えてくる。チームメンバーが手分けをして、「市場の関心」の有無を丁寧に探索し、技術の特性(フィーチャー)を顧客の恩恵(ベネフィット)へと転換する必要がある。
・周囲を見渡してみると、世の中には技術の特性(フィーチャー)を謳う製品が多い。最近の典型例としては「4K」TVが挙げられる。「従来のハイビジョンの4倍の高精度!」と言われても、残念ながら消費者にはピンとこない。例えば、「日中の明るいリビングでも、大画面がくっきり見える」といった顧客が具体的なメリットを感じるように説明しないと、技術の良さが伝わらない。

・大学で生まれた技術は、ほとんどが市場価値について十分な検討がなされていない。従って、「QuickLook」の演習では、技術そのものの価値を顧客の価値へと転換することが不可欠となり、その可能性を見出すために、受講者は発明者へのインタビューや市場の専門家へのインタビューを数多くこなす。
・期末に行った最終発表会では、ベンチャーキャピタルやTLO関係者から、この種の実践的な取り組みにたいして好感触が得られており、今年度も九大の産学官連携本部と連携して実施する予定となっている。
・いずれは、ビジネスを学ぶ社会人中心のQBSと、九大の理系研究室の大学院生が、一緒にチームを組成して技術アセスメントを行うような枠組みを創っていきたい。これは、総合大学である九州大学ならではのユニーク、かつ実践的な教育プログラムとして価値が高いと考えている。

【今回のまとめ】
・QBS科目「産学連携マネジメント」では技術アセスメントに取り組むが、その中で最も重要なのは、技術の特性(フィーチャー)を顧客の恩恵(ベネフィット)に転換できるか否か、だ。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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