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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの経営の十二か条 第9条 勇気をもって事に当たる (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの経営の十二か条 第9条 勇気をもって事に当たる

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

14/08/05

京セラの経営の原点十二か条 
第1条 事業の目的、意義を明確にすること  第2条 具体的な目標を立てること
第3条 強烈な願望を心に抱くこと       第4条 誰にも負けない努力をすること
第5条 売り上げを最大に、経費を最小に   第6条 値決めは経営
第7条 経営は強い意志で決まる        第8条 燃える闘魂
第9条 勇気をもって事に当たる       

1 はじめに
このシリーズでは、「京セラの経営の原点十二か条」についてお話してきましたが、今日は「第9条:勇気をもって事に当たる」についてお話します。

2 浅きは深き
当たり前の事のようで、出来そうでこれがなかなか難しい。これを「浅きは深き」と表現することが出来ます。「浅い」すなわち誰でも知っているような事ですが、実際にやって実行するのは非常に難しい(「言うは易き、行うは難き」)ということの1つの譬えになります。

3 勇気をもって事に当たる
さて「勇気をもって事に当たる」という話ですが、「経営上勇気をもって卑怯な振る舞いをしてはならない」、「勇気をもって本心良心に基づいて判断、決断、断行をやる」ということが必要になります。ある判断を行うとき、脅迫や誹謗中傷を受けても、また損害や災難にあっても、しり込みせず、平然と相対し、正しさの原則を判断基準として、断固として正しい判断を行うのには、勇気が必要です。

4 三断力と自己責任
言い換えれば、何かを判断する場合、またこれはやらなくてはならないと決断をする場合、さらに一旦決断したことを実行する場合など、その全てに「勇気」が必要となってくるということです。私はこのことを「三断力」と呼んでいます。1つは「正しい判断力」、もう1つが「正しい決断力」、そして最後は「不屈の断行力」になります。そして、これらの結果について、常に自己責任を負うという覚悟が必要です。

5 三断力と成功の方程式
「判断」、「決断」、「断行」。この中でどれが一番重要だと思われますか。これは「成功の方程式」でもお話しましたが、やはり「考え方」が一番重要なのです。その「考え方」に相当するのが「判断」になります。「どう考えるか」つまり「どう判断するか」が重要であり、「正しい判断をすること」が一番重要だと言えます。初めの段階でどちらのベクトルに向かうかによって、後の決断も、そして断行も変わってくるということです。「成功の方程式」では、「考え方」、「情熱」、「能力」の3つになります。「情熱」と「能力」が高ければ高いほどマイナスの考え方をした場合、社会に迷惑がかかります。それと同様に、正しい判断をしなくてはいけない。では、正しい判断をする際にどうしたら良いかというと、「よく考える」わけですが、そのためには、やはりちょっとしたヒントが必要になります。

6 判断と感情・理性
人間には、「感情」と「理性」があります。正しい判断をする場合には、どちらがより重要になるでしょうか。「感情」で判断してしまうと少々危険ですね。だからといって、「理性」であれば良いかというと、それではどこか不足してしまいます。
私は「理性」を「自我的理性」と「純粋理性」の二つに分けて捉えています。これは学術用語ではありません。私が勝手に名付けたものになりますが、「自我的理性」とは、普段皆さんが判断をする場合「理性」で判断していると考えますが、その判断基準として自分の私利私欲、自分のための判断を行なっている場合を指します。要するに、「感情」ではない「理性だけれども自分の利益になるような判断」のことを「自我的理性」と呼びます。

7 純粋理性と本心良心
これとは全く異なるものとして、「純粋理性」があります。これは宗教や哲学等、例えば、仏教やキリスト教、イスラム教などでも、全て共通しています。全人類に共通しているのです。要するに、自我ではなく、みんなとイコールになるわけです。そのため、「正しい客観的なもの」それが「本心良心」となります。「本心良心」というのは自我ではありません。それを超えたもう1段高いないし深い心の状態のことです。この「本心良心」ではみなさん同じようなイコールになれるわけです。そのため、人種の違いや宗教の違い等を乗り越えることができます。それが「純粋理性」であり、「本心良心」と言います。それに基づいて正しい判断、決断をし、断行する。そのためにはやはり勇気がないと出来ないのです。決断する際にも躊躇していては駄目ですし、断行は実行よりも強い決意をもってそれをやり遂げることが必要になります。

8 勇気と三識
以上のように、ビジネスやその他のことを考えてみても、この3つの力、「三断力」(「正しい判断」、「正しい決断」、「不屈の断行力」)が必要であるということです。これを別の観点でみてみると、中国に「三識」という言葉があります。すなわち、「知識」「見識」「胆識」と言っています。このうち「知識」と「見識」はよく耳にしますが、「胆識」、これは、「胆力」を伴った状態の意味になります。「知識」は単なる一般的なデータ、情報です。それをもう少しその本質を見抜いたもの、それが「見識」になります。それに「胆力」とか「勇気を付ける」、これが「胆識」です。「胆力」というのは「肝っ玉が据わってる」と言い換えることも出来ます。先ほどから述べているように、「勇気をもって事に当たる」、その「胆識」があれば、『三断力』あるいはものを考えたり行ったりすることができるというわけなのです。「胆識」を備えているかどうかで成功するかどうかや、幸福になれるかどうかが決まるのです。
これができるかどうかは、先ほどから何度も繰り返しお伝えしているように「正しい判断」が必要になってくるわけです。ほとんどの人は「自我的、利己的な理性」で判断しているわけです。そのため、「純粋理性」までもっていって「本心良心」で判断し、あとは「勇気をもって事を行う」必要があるのです。

9 習慣化・血肉化
その「純粋な理性」を得るためには、普段から自己のコントロール(自己統制)によって感情や自我的理性によらず、純粋理性に従って考えかつ行動するという「普段の考え方のトレーニング」、習慣化・血肉化が必要になってきます。

10 まとめ
それでは今日の内容をまとめると、経営を行うには「勇気をもって事に当たる」ことが重要であり、そのためには「三断力」(「判断力」、「決断力」、「断行力」)や「三識」(「知識」、「見識」、「胆識」)が必要であるということになります。

〔参考〕曹岫雲『稲盛和夫の「成功の方程式」』サンマーク文庫


分野: コーポレートガバナンス 財務戦略 |スピーカー: 岩崎勇

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