QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 物流のコストの基本② (国際経営、国際物流/星野裕志)

物流のコストの基本②

星野裕志 国際経営、国際物流

14/08/14

昨日は、物流コストとは、原材料の調達、商品の生産、製品を販売する市場への出荷に要する輸送コスト、在庫コスト、管理コストのことであり、これらのコストの削減は、企業の競争力の強化に繋がるということをお話しました。

企業の競争力とは、いかに安く生産するかというコスト競争力、高品質や高機能の製品開発力などが注目されますが、安く、タイミングよく、安定的に商品を供給するというロジスティクスも、同様に企業の競争力に貢献するということです。

日本ロジスティクス システム協会という組織では、もう20年近く毎年物流コスト調査として、日本企業の物流コストに関するいわば定点観測をされており、先ごろ2013年度の調査報告の発表がありました。この報告を中心に実際の物流コストについてみていきたいと思います。

昨日1962年にピーター・ドラッカーによって指摘されたアメリカの物流コストは、商品の価格の約半分を占めるということをご紹介しました。現在ではどのくらいになっているのでしょうか。昨年の日本企業の平均では、売上高に占める割合は、4.77パーセントだそうです。この調査が始まった1993年の6.1%と比較をすると、この20年前に少しづつかつ確実に、コストの削減に成功していることになります。

日本の企業は、プラザ合意以降生産拠点を日本から開発途上国に移転して、グローバルな規模で、調達と生産と市場への出荷の体制を整えてきましたが、そうなると生産コストは下がっても、逆に物流コストは上がるのではないかと考えます。
実際には、ご紹介した数字を見る限り、輸送距離が長くなり物流が複雑になっても、コストの絞り込みができているということになります。

これはアメリカの企業と比較をするとより顕著になります。アメリカの企業の売上高に占める物流コストは、昨年 8.41パーセントであり、この調査の始まった1977年の8.57パーセントから横ばいであり、20年前の1993年の7.97 パーセントよりむしろ少し上がっているということになります。
日本企業とアメリカの企業では、海外から商品を調達する際の貿易条件が、日本企業は主にCIFといって運賃が含まれているのに対して、アメリカ企業はFOBといって運賃を別途支払いますので、どうしてもアメリカ企業の物流コストは高くなります。ただ同じ20年間のトレンドを見ても、日本企業が2割減の間にアメリカ企業は横ばいか少し上がっていることを思えば、日本企業の努力が顕著に現れていると言って良いかと思います。

それではどのように削減をしているのかということですが、この調査では「積載率の向上」、「在庫削減」、「物流拠点の見直し」の実施が挙げられています。「積載率の向上」とは、トラック1台あたりやコンテナの積載効率を高めることで、ユニットあたりの運賃を下げることですが、よりたくさん積めるように包装を簡素化したり、ダンボールの梱包の寸法を見なおすなどの努力がされています。次に、「在庫の削減」とは、少しでも倉庫に余分な商品を持たないことです。倉庫に置かれた商品は利益を生まないばかりか、管理コストはかかるし、破損や盗難や商品陳腐化の可能性もあります。在庫は少なくしながらも顧客のニーズに迅速に対応するためには、経験やシステムに基づく、仕組みがサポートしています。最後に「物流拠点の見直し」とは、配送センターなどを効率的に配置することで、適切に市場をカバーすることです。コンビニエンスストアなどは、多くの店舗に迅速かつ適切に商品を供給するための配送センターの配置は、まさに競争力に繋がります。

ここまで企業の物流コストの削減の努力を見てきましたが、最近は物流コストで無視できないのは、リバース物流コストと呼ばれる返品や回収、リサイクルや破棄に要する費用です。家電やパソコンの回収はメーカーの責任において行われますし、通販などでは取り寄せてからサイズや色を確認して返品するということも行われていまので、今後ますます増える可能性があります。まだ物流コストに占める割合は2.67パーセントですから、商品の売上全体から見れば、0.1パーセントですが、商品を販売した後にもコストが掛かることを考慮する必要があります。

まとめ:日本ロジスティクス システム協会の調査報告から、「積載率の向上」、「在庫削減」、「物流拠点の見直し」など、日本企業がどのように物流コストの削減に努力しているのかをご紹介し、その結果グローバルに事業が拡大しても、コストの削減に成功していることを説明しました。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ