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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 物流のコストの基本① (国際経営、国際物流/星野裕志)

物流のコストの基本①

星野裕志 国際経営、国際物流

14/08/13

今日のテーマは、QBSで担当する講義である「グローバル・ロジスティクス」の中から、その基本でもある物流コストのお話です。物流コストと聞いて、あまり馴染みがないと思う人もぜひお聴きいただければと思います。みなさんは、日本の宅配便や郵便料金、引越しの料金は、高いと思いますか。おそらく比較の対象がないし、宅配便の便利さなどを考えると、結構安いのではないかと考える人も多いかもしれせん。

物流にかかるコストを考えてみましょう。宅配便の大手企業を例にとっても良いですし、自分で運送業を始めることを想定していただいても良いかもしれません。まず輸送手段であるトラックを購入すること、ドライバーや荷物を仕分けをしたりオフィスで働く人を雇用すること。荷物を受け渡しする営業所や倉庫やトラックの駐車場を借りたり、購入すること。顧客のリクエストに応じて集荷をして、最適なルートで送り先に届けるシステムを構築すること。倉庫で使用するフォークリフトやパソコン、端末などの機器の購入も必要になります。その他にも、トラックのガソリン代や高速道路の通行料など、様々な投資が必要になります。

そのように考えると、人件費や土地代、ガソリン代など、日本ではどれをとっても高いことから、相当な高額になってもやむを得ないと思うのですが、大量の荷物を効率的に取り扱うことで、今のレベルで済んでいると言っても良いのではないかと思います。

物流コストは、大きく輸送コストと、在庫コストと管理コストに区分されます。輸送コストはその名称の通り、トラックなどで輸送することに要する費用です。ガソリン代や高速代はここに含まれます。在庫コストは、預かった荷物を倉庫で保管し、仕分けし、管理し、必要なタイミングで出荷することに要する費用です。最後の管理コストは、物流施設やシステムを保有したり運営したり、マネジメントするための費用になります。人件費や土地代などもこのコストに含まれます。

もう亡くなられましたが、世界でも最も著名な経営学者のひとりであるピーター・ドラッカーは、1962年にアメリカの経済雑誌にこのようなことを書かれました。「アメリカ人の消費者が商品に対して支払う1ドルに付き50セントは、商品が生産された後の業務に費やされている。これは物流業務と呼ばれ、アメリカのビジネスにおいて、今まで最も無視されてきた分野であり、将来性のある分野であるといえる。」

つまり1960年代の前半には、100円の商品の内その半分の50円が、物流コストであったということになります。商品を製造するのに50円しかかからないのに、それとほぼ同額が製造後の輸送や在庫などに費やされていると考えると非常に無駄です。それにこの部分を改善すれば、もっと価格も下げられるし、他社の製品に対して競争力が高められるのではないかと思うのは、どこの企業でも同じなのではないでしょうか。そのために、アメリカの企業は、1960年代後半から物流コストの削減に本気で取り組み始めました。

日本の企業も少し遅れて、1970年代くらいから物流コストの見直しに入ったのですが、一方で日本企業は1980年代後半から別の動きが出てきました。プラザ合意以降の円高の進行に伴って、生産拠点を海外に移すという動きです。日本の工場を閉鎖して、東南アジアや中国で生産を行うということで、国内の空洞化ということが盛んに心配されました。生産地と市場が遠くなればなるほど、輸送コストがかかりますし、貨物を保管する倉庫などの在庫コストがかかることになります。

せっかく開発途上国で製品を安く生産できても、物流コストがその分高くなったのでは、まったく意味がないことになります。最近はサプライ・チェーン・マネジメントという言葉を聞かれることもあるかと思いますが、日本企業が様々な努力をされた結果、原材料の調達と商品の生産と製品を販売する市場への出荷がグローバルな規模で行われて、それぞれの距離が遠くなっても、効率的かつ効果的なロジスティクスの管理で、物流コストを抑えこむことに成功しています。

今日のまとめですが、物流コストとは、原材料の調達、商品の生産、製品を販売する市場への出荷に要する輸送コスト、在庫コスト、管理コストのことであり、これらのコストの削減は、企業の競争力の強化に繋がるということになります。

明日は物流コストの詳細について解説をしたいと思います。

まとめ:物流コストとは、原材料の調達、商品の生産、製品を販売する市場への出荷に要する輸送コスト、在庫コスト、管理コストのことであり、これらのコストの削減は、企業の競争力の強化に繋がるということになります。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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