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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > まず実績を作る (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

まず実績を作る

田久保 善彦 リーダーシップ領域

14/08/25

これまで数回に分けて、プロジェクトを進めるための方法論についてお話してきました。それに関連して、私が非常に大切だと思っている、「初期の段階で小さな成功を狙う」ということについて、今回はお話いたします。

ビジネススクールの世界では、これをスモール・ウィンやスモール・サクセスと呼びます。あるいは、「初期の」という意味の言葉をつけて、アーリー・スモール・ウィンと言うこともあります。何か事を成そうとした際には、いきなり大きなところに手を出しがちです。冷静に考えてみれば、いきなり大きな成功を成し遂げたという話は世の中にありません。やはり小さな成功を少しずつ少しずつ積み重ねて行った結果、大きな成功を得ているのです。100円の売り上げの前には90円の売り上げがあり、90円の売り上げの前には80円の売り上げがあるわけです。しかし多くの人は、最初から100円の売り上げが立つはずもないのに、100円ばかりを見てしまうのです。

そこで、早いタイミングで小さな成功を作ることが重要となります。なぜ、これが必要となるのでしょうか。たとえば、新しいプロジェクトを想定してみましょう。メインストリームで仕事をやられている方からすれば、新規事業は海のものとも山のものともわからないものに映ります。お金になるかどうかもわからないし、成功するかどうかもわからないのです。そうした状況にある人たちには、小さいけれども成功したことを見せることが一番効きます。こうした小さな成功を見せ続ける流れを作れば、それらが積み重なって、信頼を作る大きなファクターになるのです。

私の友人で、会社の再生案件に携わっていた人がいます。要は、おかしくなってしまった会社を復活させようという仕事をしているのです。その人がある工場の再生を始めた時に最初に行ったことは、五つあるトイレをすべてウォッシュレットに変えることでした。そうすると、そこで働いている人びとからしてみれば、「この人は自分たちにとってメリットがあることをしてくれる人なんだ」と映ります。翌月には、ぼろぼろになってしまった幅30cmくらいのロッカーを、作業員20人分ほど入れ替えてあげました。これでまたひとつ、「この人がいいことをしてくれた」という情報が伝わることとなります。このようにしていけば、「この人は自分たちの味方かもしれない」、「この人が言う事をきいていれば、もっとよくなるかもしれない」という思いが積み重なって行き、信頼につながるのです。ここでいきなり、「あなた方の工場はこうだから、ああだから」などと大上段に構えて何かを言っても、「ふざけるなよ」と思われてしまうでしょう。人間は変化を嫌う生き物ですから、変化を促すようなことをするのであれば、まずはスモール・サクセスをひとつひとつ重ねていくことが肝要となるのです。

それでは、具体的にどうすればそれを成すことができるのでしょうか。これは非常にシンプルで、一番悪いところを探してみればよいのです。一番悪いということは底辺にあるということですから、後は上がるほかありません。ちょっと手を入れれば、すぐに向上させることができるのです。たとえばトイレをウォッシュレットに変えるための作業時間は、15分程度で済みます。周囲に与えるインパクトは小さいかもしれませんが、最も簡単に成果が出やすいのです。また、最も多くの人が実益を感じるところに手を付けて行くと、スモール・サクセスを明示的に作りやすいでしょう。

こうしたことを会社の中で進める際には、クリアに物事を伝えることが大事となります。これは、なかなかできることではありません。どうしても曖昧に物事を語ってしまう人が多くいらっしゃるのではないかと思います。具体的に物を語るにあたっては、私はよく、7W2Hの重要性を説きます。何でやるんだろう、何をやるんだろう、どこでやるんだろう、誰が責任者なんだろう、いつまでにやるんだろう、誰と一緒にやるんだろう、どうやってやるんだろう、誰に最終的に報告する案件なんだろう、いくらコストをかけていいんだろう。これを英語になおすと、7W2Hとなるわけです。これくらいの細かさ加減できっちりと物事を伝えることが、プロジェクトを進める上では非常に大切です。

今日の話をまとめます。
社内で物事を進めていくための話の締めとして、二つのことをお話しました。ひとつは、早いタイミングで小さな成功を作り、それを積み重ねる努力をしましょう、ということです。最初から大きな事を狙ってもいけません。またひとつは、プロジェクトを進める際にはコミュニケーションが非常に重要ですので、7W2Hを意識した上で、具体的に事態を伝えていきましょう、ということです。これらにも気を払っていただければと思います。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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