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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 景気を見る (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

景気を見る

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/08/21

今の景気がどうなっているのか、最も簡単に知るためには、政府の月例経済報告を見るのが良いでしょう。表紙に1〜2行で結論が載っていますし、総論という所にも、半ページほどで要旨が載っています。
次に、日銀の金融経済月報の最初の部分も見てみましょう。これも、冒頭部分に結論が書いてあります。
内閣府と日銀は、日本では最高レベルの景気分析能力を持っていますので、この二つを見れば、最低限のイメージは掴めるでしょう。もっとも、内閣府の月例経済報告も日銀の金融経済月報も、お役所の文章ですから、読んでいて余り面白くありません。要旨の所だけ読んだら、グラフを見てみると良いでしょう。月例経済報告には、主要経済指標というファイルがあり、多くの統計が見やすくグラフ化されています。
景気を見る基本は、景気動向指数のCIの一致指数というものです。これは、景気の現状に関係の深そうな統計を集めて、それらを平均するなどして求めた数値です。他の統計に比べて発表されるタイミングが遅れるために、注目されませんが、何と言っても一つの数字に全部の数字が集約されているのですから、普通に景気を見るならば、これが良いと思います。
経済成長率は、理屈の上では景気と強い関係があるのですが、実際の統計を見ると、四半期ごとに上がったり下がったりの振れが大きいので、よほど慣れた人でないと、経済成長率から景気を判断するのは難しいでしょう。お勧めしません。もっとも、年度の成長率は、見ておきましょう。年度であれば、四半期ごとの振れが均されているので、景気のイメージを掴む事ができます。
景気というと、失業率を思い浮かべる人も多いでしょう。たしかに、景気が悪いと失業が増える事が問題なのですから、これはわかります。しかし、失業率は景気に遅れて動くので、失業率を見ていると、景気が回復しはじめた事に気付くのが何ヶ月か遅れてしまう可能性があります。
景気が回復を始めると、企業は増産をしますが、不況期にはヒマな社員が大勢いますので、彼等の尻を叩けば簡単に増産が出来てしまいます。更に景気がよくなっても、社員に残業をさせて増産しますから、なかなか失業率は下がりません。更に景気がよくなると、ようやく企業は採用を増やしますから、失業率は下がって来ます。しかし、そうなると、いままで仕事探しを諦めていた人々が仕事を探しはじめるので、失業者の数はゆっくりとしか減らないのです。失業率を見るときには、こうした事を考える必要があります。つまり、他の経済指標を見て景気が回復したのかな、という事に気付き、しばらくして失業率が下がって来たら、「やっぱり景気は回復している」と確認する、というわけです。
鉱工業生産は、景気を見る指標として重要です。製造業が経済全体に占める割合は大きく無いのですが、サービス業に比べて景気による浮き沈みが激しいため、結局製造業の動きで景気が変動している、という面が強いのです。また、鉱工業生産が増えると運送業が忙しくなる、というような効果もありますから、鉱工業生産が増えている時は景気が拡大している、と考えても、はずれる事は少ないのです。
来年度の予測については、政府経済見通しが発表されていますが、これは予算の前提として税収を予測するために使われることなどから、様々な思惑が影響していると言われていますので、あまり参考にならないでしょう。日銀も、年に二回、展望レポートという予測を発表していますが、これもアベノミクスがはじまってから、「消費者物価が2%あがるんだ」、という結論が先にある感じなので、あまり参考にはなりません。
そうなると、民間エコノミストの予測を見る必要がありますが、様々な予測が出されていて、どれを選ぶのか、決めるのは大変です。マスコミによく出るエコノミストが正しいか、というとそうでもありません。面白い話をする人、極端な話をする人がマスコミに好まれる傾向があるからです。
それではどうするかというと、私は、日本経済研究センターが毎月発表しているESPフォーキャストというアンケート結果を見ています。これは、40人ほどの主なエコノミストに対してアンケートを行ない、その結果を集計したものです。その中の、来年度の成長率の予測を見て、それが1%よりも高ければ景気は順調、1%より低ければ景気は今ひとつ、と考えてよいでしょう。
もっとも、今回のように、消費税前の駆け込み需要とその反動がある場合には、その分を割り戻した場合にどうなるか、という事を考える必要がありますから、少し複雑です。結論だけ言えば、アンケート結果は「今年度も景気は大丈夫だ」と言っていますので、安心して良いと思います。
今回は以上です。

まとめ:
今の景気がどうなっているのか、知るためには、月例経済報告の冒頭部分を見ます。景気動向指数、鉱工業生産指数なども参考になります。今後の景気の予測を知るためには、ESPフォーキャストの成長率予測が1%を超えているかどうかを見れば良いでしょう。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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