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企業財務

村藤功 企業財務 M&A

14/07/15


今日は、九大のビジネススクール一年生の必修科目である、企業財務についてお話します。

企業財務とは、事業会社で起こっていることを数字で把握するというものです。数字と言われると逃げ出したくなる人が世の中には結構いますが、ここで重要なのは、数字の裏に何があるのかというところです。たとえば、単純に「これが問題です」と言うのと、「1億円の問題です」「10億円の問題です」「100億人の問題です」「1兆円の問題です」と言うのとでは、問題の大きさが異なって来ます。大きな問題をプライオリティを考えた上で対処することは、事業会社の経営企画部で働こうが財務部で働こうが、あるいは自身が経営者であろうが、必要不可欠となります。財務諸表が読めない、予算や中期計画が立てられないというのでは、ちょっと困るわけです。九大のビジネススクールはMBA取得のための学校ですので、学生には数字をある程度わかるようになってもらいます。数字をもとに資金調達をしたり、どこかの企業を買収したり、あるいは中期計画や予算を作ってそれを実績と比較しながら経営戦略を進捗させたりといったことをできるようになるために、企業財務を教えているのです。そこで大事なのは、実績を把握することです。事業活動をはかる時には、事業価値や企業価値を意識します。その事業に対してどれほどの投資がなされ、期間損益としてどれほどの売り上げや利益を生み出しているかということを知らないと、経営者としてはやって行けません。どのようなお金をどのように調達してきて、どのようなプロジェクトに事業会社へ投資をすればよいのかといった諸点を、この授業では学びます。

その際には、まずはグローバルな理論を学習します。しかし、国ごとに制度が異なるため、適用の仕方がそれぞれ異なって来ます。たとえば資金調達についていえば、日本では中小企業をはじめ事業会社が銀行から借り入れることが多いのに対して、アメリカではほとんどが社債やコマーシャルペーパー、株の発行によって、直接市場から資金を調達しています。日本によくみられる、投資家と事業会社の間に銀行が入っている形態を間接金融とよび、アメリカによくみられる銀行不在の形態を直接金融と呼びます。したがって日本では、銀行との付き合い方をある程度考えておかないと、困ったことになってしまうのです。

ビジネススクールでは、本当は双方向型の授業を行いたいと私は考えています。ただ、日本の学生は、わかっていても恥ずかしがって手を挙げない傾向にあります。この点、手を挙げてから考えるアメリカの学生と対称的です。こうした俯いている学生に授業へ参加してもらおうと、スタート地点をランダムにした上で、順番にあてて行っていました。特に30台や40台の社会人の方は、聞かれて答えられないと恥をかくと考えて、あたりそうになると身構えていました。今では、学年から学年へ、スタート地点やあてる順番の傾向が引き継がれるようになってしまっています。

また1年目は期末試験だけを実施しましたが、それでは彼らが何を理解していないのか最後までわからない状態でした。そこで二年目より、中間試験を導入し、そこで理解できていないところを確認できるようにしました。私の試験ではパソコンなどの持ち込みを可能としていますが、試験中に見回りをすると、皆同じエクセルのフォーマットで問題を解いていることに気付きました。先にお話したあてる順番に関する情報と同様に、問題解答フォーマットも代々引き継がれているのです。このフォーマットに数字を入れると、理解していなくても答えが自動的に出ます。その結果、理解度が同じくらいの学生であるにも関わらず、フォーマットを持っている学生は良い点を取り、持っていない学生は悪い点をとるという事態が生じます。最初は点数差の理由がわかりませんでしたが、こうした状況を知った以上、問題を抜本的に刷新するなどの試行錯誤を繰り返して、学生たちとのイタチごっこを続けています。

企業財務では、数字といっても微分積分ではなく、小学生の算数で習う加減乗除さえできれば大丈夫です。算数ができて、私の授業に出て話を聞いていれば、皆100点を取れるはずです。しかし実際は、すごくできる人からすごくできない人までいて、正規分布となっています。

今日のお話をまとめます。
企業財務は、九大のビジネススクール一年生前期の必修科目です。大学でこの科目が開講されないことが多いために、ビジネススクールに入って初めて勉強したという人が多いです。しかし、会社を経営する際や、財務部や経営企画部において働く際には、企業財務を理解して数字を使えることが必要不可欠となります。したがって学生の皆さんには、しっかりと勉強していただきたいと思います。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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