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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 集団的自衛権 (企業財務 M&A/村藤功)

集団的自衛権

村藤功 企業財務 M&A

14/07/11


今日は、集団的自衛権についてお話します。
安倍総理による閣議決定の結果、集団的自衛権が限定的ながらも認められました。このことを、一体どのように考えるべきなのでしょうか。

世界を見ますと、アメリカはお金がないために軍備縮小へ向かっています。一方、中国は軍備拡大へ向かっています。北朝鮮は、なんだかわからないけれどもミサイルを撃ってきています。そしてロシアは、ウクライナともめている最中です。こうした状況にあっては、安倍総理にしてみれば、日本の自衛のために集団的自衛権をどうにかしたくて仕方がなかったのです。

公明党は当初、日本以外の他国に対する武力攻撃が発生した場合における集団的自衛権の行使について反対していました。しかし、「他国」を「密接な他国」とすること、集団的自衛権の行使を国民の生命自由及び幸福追求の権利が根底から覆される「明白な危険」のある場合に限ることを条件として、大筋合意することとなりました。ここでいう「密接な他国」にはアメリカがまず含まれそうですが、その厳密な範囲についてはよくわかりません。また、この条件のもとでは、日本が危険な状態にある時にしか集団的自衛権を行使してはいけないこととなります。公明党はこのようにして、集団的自衛権を過去の個別的自衛権に近いものとしたのです。したがって、日本と関係ない戦争にアメリカが関与したとしても、日本が自衛隊を派遣することはありません。

今回の閣議決定においては、日本の平和主義を侵すことになるからけしからんと公明党は話していました。そこで最初は、グレーゾーンや集団的安全保障という比較的簡単な事柄から話し合っていくこととなりました。

グレーゾーンとは、有事と平時の境目のことを指します。これまでは、有事であれば自衛隊が出動することができました。平時であれば、警察や海上保安庁が出動していました。それではたとえば、民間船舶が海賊のような武装勢力に襲われている時に自衛隊が通りかかったという場合はどうでしょうか。こうしたグレーゾーンにある様々な事例について、今回の話し合いで個別に決めて行くこととなったのです。私個人の考えとしては、たとえば武装した漁民が日本の離島を占拠した場合は、自衛隊が出てきてもいいと思います。また、ミサイルが日本を越えてアメリカへ向かって飛んでいった場合は、これを撃ち落としても問題ないでしょう。しかし、そのミサイル基地を攻撃するのはいけないと考えます。

また、集団的安全保障は、多国間の枠組みです。国連の決議にもとづいておこなわれるPKOや多国籍軍に日本の自衛隊が参加して武力を行使することは、これまで九条があるためにできないとされてきました。私個人としては、集団的安全保障へ日本が参加するにあたって改憲の必要はなく、もう少し積極的に関わってもいいのではないかと考えています。公明党がこの集団的安全保障としての行使に反対したため、今回の閣議決定では集団的自衛権の話だけが盛り込まれました。

そもそもこれまでの日本の立場は、集団的自衛権を日本は有しているものの九条があるために使用しない、というものでした。しかし今回、三つの条件を加えることで使えるようにしたのです。三つの条件とは、①わが国に対する武力攻撃が発生したことまたは「密接な関係にある」他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される「明白な危険」があること、②「わが国の存立を全うし国
を守るために」他に適当な手段がないこと、③必要最小限の実力行使にとどまること、です。②と③はもともと存在したものですが、今回①で自民党が「他国に対する攻撃でもわが国の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求権が根底から覆される恐れがあればいいのでは」と言ったのに対して公明党が「他国」を「密接な関係にある他国」に絞り、「恐れがある」は主観的であいまいだから「明白な危険」にしようと条件をつけました。

ここまでなら、私も反対ではありません。しかし、徴兵制やアメリカのための戦争への派兵を心配しています。もっとも、今回の閣議決定からそこまで行くにはかなり大きなギャップがあります。これから16の法律を改正するために議論が進んで行きますが、憲法が改正されるわけではなく、閣議決定がなされただけです。安倍総理も戦争には参加しないと話していますし、戦争をしたい人など誰もいません。ただ抑止力を拡大するだけですから、ここまでなら別段間違っているわけではないのです。

今日のお話をまとめます。
安倍総理は、憲法を改正することなく、解釈の変更によって集団的自衛権の行使容認に踏み切りました。私個人としては、国連による集団的安全保障への参加はありえるでしょうが、二国間の同盟関係による集団的自衛権の行使には注意が必要と感じています。今回議論されている集団的自衛権の行使は個別的自衛権に相当近いので、そこまで問題があるものではありません。しかし、今後どのように展開して行くのか、国民としては気をつけながら監視して行く必要があるでしょう。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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