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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 人口と地価 (企業財務 M&A/村藤功)

人口と地価

村藤功 企業財務 M&A

14/07/14


今日は、人口と地価についてお話します。

まず、地価についてです。バブルが崩壊して以降、20年ほどにわたって日本の経済はずっと不況のままでした。さらに2008年には、アメリカで不動産バブルが崩壊しました(リーマンショック)。その結果、皆さん大変な事態に陥りましたが、その後、段々と回復してきています。

実は日本の地価は、リーマンショックとは関係なく、1990年をピークとして全国的に延々と下がり続けています。ところが2014年の公示地価をみると、全体としては下がり気味ですが、三大都市圏ではようやくプラスに転じています。不動産業界ではバブル崩壊後ずっと今年こそ上がると言われ続けているのであまり信じることはできませんが、今回は本当に少しずつ回復しつつあるようにみえます。

一口に地価と言っても、公示地価と基準地価、路線価があります。公示地価と基準地価は共に市場価格で表されますが、公示地価は1月1日時点の価格を指し、基準地価は7月1日時点の価格を指します。すなわち1年に2回市場価格が発表されており、発表される時期によって名称が変わるのです。今年の公示地価は、全国的にみると下落基調を継続しましたが、アベノミクスの影響もあってか、三大都市圏ではプラスに転じました。九州でも全体としてはマイナスが継続していますが、福岡市だけをみると、去年も今年もプラスになっています。なお路線価は、相続税や贈与税の算定基準であり、以上の公示地価の8割が目安となっています。

それでは、オフィスビルや住宅はどのような状況になっているのでしょうか。まずオフィスビルについては、オフィス仲介大手の三鬼商事が月ごとの空き室率を発表しています。それによれば、リーマンショック以降はオフィスビルの需要は下がっていました。それぞれの企業において、売り上げが下がったためにコスト削減の必要が生じ、オフィススペースが削られたのです。また2010年あたりには、団塊世代の退職によって人が減り、さらにオフィススペースが減ることとなりました。その結果、東京都心5区の空き室率は、2012年6月末には9.43%まで上昇しました。ところがその後、景気回復に向かっているという状況の中で需要が増え始め、今年の3月末には6.7%に、4月末には6.64%にまで、空き室率が下げてきています。これを受けて、森ビルや三菱地所、三井不動産などの不動産大手が、需要が増えることを見越して、色々なところで大型再開発を進め始めました。ハイテクのでっかいビルを作って、大企業に入ってもらおうとしているのです。需要と供給が共に増えて行くので、空き室率が改善されるかどうかはわかりません。

次に、人口についてお話します。そもそも、地価や建物の値段は、人口の増減と関わってくるものです。日本の人口は、50年後には3分の2に、100年後には半分になると言われています。そうした流れにあっては地価や建物の値段も下がって当たり前です。人口が減るとGDPも減ってしまいますので、人口を減らさないような作戦が立てられています。有識者委員会「選択する未来」では、合計特殊出生率を1.41から2.07へ上げて、50年後の人口1億人を目指したいとしています。

海外に目を転ずると、中国・アジアの不動産業界では、中国の不動産バブルがついに崩壊したのではないかと言われています。北京や上海の地価が、10―20%下落しているようなのです。一方でシンガポールや香港、台湾などのアジア富裕層は、日本の土地を買い始めています。このようにバブルが崩壊して以来の盛り上がりを見せていますので、これから日本の地価が回復するかもわかりません。

今日のお話をまとめます。
バブル崩壊やリーマンショック以降に下がり続けていた地価やオフィスの需要が、最近ようやく改善の兆しを見せ始めました。公示地価や基準地価、路線価は、全体としては下落しているものの、三大都市圏の公示地価は今年に入ってプラスに転じています。円安の結果日本の土地が安くなっているため、それらへ投資する外国人も増えてきています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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