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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 参入障壁② (国際経営、国際物流/星野裕志)

参入障壁②

星野裕志 国際経営、国際物流

14/07/04

昨日は、企業が新規市場に参入する際には、既に進出している企業による参入障壁というものが存在すること。その理由として、先行する企業には、新規参入の企業にはない経験や学習や実績があるために、それらが後発企業に対するバリア=障壁になると説明しました。

昨日音楽のデジタル・プレーヤーや書籍のリーダー端末といった新たな製品や開発途上国などの特定の市場への参入について具体的な例をお話ししました。それでは既にその市場に先行する企業があれば、どのような場合にも参入障壁は効果的に機能するのでしょうか。今日は後発の企業が参入しようとする市場について目を向けてみたいと思います。

この枠組みは以前にもこの番組で解説したことがありましたが、参入閉鎖、参入許容、参入阻止の三つの状況から、改めて説明したいと思います。

まず「参入閉鎖」は、既存企業が阻止することなく参入困難な状況です。後発の企業が参入しようとしても、市場規模や成長性が限られていてとても参入しても利益が期待できないことや生産販売体制や流通ネットワークの構築に莫大な投資が必要になることです。そうなると誰が阻止することなく、自ら進出するという判断をしないでしょう。デフレスパイラルの中での新規参入をしても、利益があがらないので諦めるということもひとつの例です。

次に、たとえ先行する既存企業が阻止しようとしても、効果的とはいえない状態は、「参入許容」といわれます。どのような状況かと考えると、市場が急激に成長していて既存の企業による供給が追いつかないということがあります。あるいは、技術の革新性のペースが早いために、既存の企業の提供する製品で十分に市場が満足していない場合です。そのようなケースであれば、既存企業が阻止をしようとしても需要が供給を上回って、旺盛に市場が求めるので、参入障壁にはなりません。エコカー減税でハイブリットの車を欲しいと思えば、本当に欲しい車種でなくても、購入した人もいるかもしれません。

今説明した参入閉鎖と参入許容の状況にあっては、参入障壁が意味をなさないのに対して、3番目の「参入阻止」は、既存企業の戦略的な行動が新規参入を阻止し得る状況になります。つまり、先行企業のもつ優位性を最大限に活かしながら障壁を構築して、後発企業の参入を阻む行為です。

参入阻止は具体的にどのような方法を取るのかといえば、ポーターによれば、構造的障壁を高めることで新規参入ができない状況を作り出すこと、新規参入による負担の訴求すること、新規参入することの魅力を減退させることなどが挙げられています。参入したくてもできない状況を作ったり、参入コストが非常に大きいことを認識させたり、新規参入することの魅力をあえて下げてしまうことです。

これは最近フライトキャンセルで問題になっているLCCのような航空会社の例で説明するとわかりやすいかもしれません。国内線にとって、羽田空港は一大ハブであり、最大のマーケットですから、新規参入の企業は羽田空港と地方との航空路を開設したいと考えるでしょう。ところが、羽田空港の発着枠やスポットやカウンターのスペースは既存の企業が占有されていれば、参入ができません。新規の航空路を開設しようとすれば、大手の航空会社が様々な割引運賃を導入することで、利益の上がらない市場構造を作るということも可能です。そうなるとLCCにとって魅力のある路線は限られていることになります。

いままでは日本のLCCは話題性を持って取り上げてこられましたが、最近の報道で運航にもっとも重要なパイロットの不足により、事業が拡大ができないのであれば、まさにこれが最大の障壁ともいえます。

市場に先行する企業は、どのような場合にも参入障壁を効果的に機能させられるのかについて、参入閉鎖、参入許容、参入阻止の三つの状況から説明しました。そもそも既存の企業が阻止しなくても参入できない状況、参入阻止が効果を持たない状況、そして戦略的かつ効果的に参入を阻止できる状況です。

今日のまとめ:市場に先行する企業があれば、どのような場合にも参入障壁は効果的に機能するのかについて、参入閉鎖、参入許容、参入阻止の三つの状況から説明しました。そもそも既存の企業が阻止しなくても参入できない状況、参入阻止が効果を持たない状況、そして戦略的かつ効果的に参入を阻止できる状況です。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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