QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 参入障壁① (国際経営、国際物流/星野裕志)

参入障壁①

星野裕志 国際経営、国際物流

14/07/03

今日は企業が新規市場に参入することとその際の参入障壁について、考えてみたいと思います。

もう10年近くなりますが、2005年にフランスにあるINSEADというビジネススクールのチャン・キム教授とレネ・モボルニュ教授によって、ブルー・オーシャン戦略という経営戦略が提唱されました。その考え方は、多くの競合企業がひしめく既存の市場はまさに血みどろの争いが繰り広げられる「レッド・オーシャン」の市場であり、それに対してまだ競合企業がいない無限に広がる可能性を秘めた新たな市場は、「ブルー・オーシャン」と呼ばれています。企業はレッド・オーシャンに参入を図るのではなく、新しい価値市場を創造し、顧客に高付加価値の商品を低コストで提供することで、利潤の最大化を実現することの必要性を説かれていました。しかし、実際にまったく新たな価値を持ったサービスや製品を創造し、市場に導入することは容易ではありません。

そうなるとどうしても先行する企業が、存在する市場に参入することになります。もちろん企業が既に事業を展開されている市場であえて競争を挑むのですから、そこには既存の企業が上回る競争優位性がなくてはなりません。例えば顧客の視点で見れば、商品やサービスの品質や性能がより高いこと、価格が安いこと、より使いやすいことなど、あえて今までのものから乗り換えてみようという理由が求められることになるのは当然のことです。そのためには、より高い能力が必要です。

しかし、先行する企業には、新規参入の企業にはない経験や学習や実績があります。これらが、新規参入の参入を阻むもの=参入障壁になります。具体的にどのようなものがあるかというと、まず規模の経済性が考えられます。つまりこれから初めて販売や生産しようという企業に対して、既に事業を行っているのであれば、商品一ユニットあたりのコストが低いということになります。開発コスト、販売コスト、生産コスト、流通コストなどのスケール・メリットが期待できます。2番目には、巨額の初期投資が既に終わっていることもあります。新たに投資を行う企業に対して、リスクは明らかに低いということになります。3番目には、学習やイノベーションの優位性があります。その市場での経験や実績が、より顧客に受け入れられるものを提供する能力を高めています。そのために、製品の差別化も進みます。ブランドや特許の存在も大きいといえます。さらに先行する企業であれば、その市場での様々なリソースや流通チャネルなどへのアクセスも可能です。例えば優れた人材などもそうですが、事業に必要とする様々な経営資源が、優先的に手に入ることになります。競合企業のいないうちに、先に国内の流通網を抑えてしまうこともできるかもしれません。これらのすべてが、新規参入の企業には、バリア=障壁として立ち塞がります。

アメリカの経済学者のベイン(Bain) によると、参入障壁とは、「既存企業が、その市場への参入を図る潜在的な企業に対する優位性をもって、マイナスの利益をもたらす要因」と定義されています。

先行する企業の先発優位性について説明しましたが、実は後を追って市場に参入する企業にも優位性は存在します。最も大きいのは、既に市場が存在することが確認されていることによる不確実性の排除です。つまり参入するのは実際に未知の市場ではなく、既に先行者が開拓した市場があることが明らかになっています。2番目は、それとも関連しますが、後発者は先行者の成功・失敗を見て学ぶことができます。先行企業がいちから作り上げ試行錯誤した結果を見ながら、自社に向けた改良が可能になります。そうなると後発者は、先行企業の模倣や改良による競争力の強化が可能です。

新規市場への参入は、製品でも考えられますし、特定の国といった市場でも考えられます。前者は、古くはウォークマンあるいはipodのような音楽再生専用のプレーヤーや、キンドルのような書籍のリーダー端末のような製品が市場に導入されると、他の企業が同じような技術を持って参入します。最近はTVの番組などを見てもそう思うことがあります。後者は、ミャンマーやカンボジアなどの限られた企業が進出しているだけだった開発途上国市場への参入です。

今日のまとめですが、新たな市場に参入する企業にとっては参入障壁が存在すると共に、先発者にも後発者にも優位性が存在するということになります。

今日のまとめ:わずかな企業が進出しているだけだった市場への新規参入する際に、新規参入企業にとっては参入障壁が存在すると共に、先発者にも後発者にも優位性が存在すること。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ