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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 異文化コミュニケーション (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

異文化コミュニケーション

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

14/07/29

「イギリスの歴史」シリーズ15回目は、前回に引き続き「テューダー朝」についてお話します。

前回、最初にテューダー朝の王朝を作ったヘンリー7世という人物の偉業についてお話をしました。国内的な基盤づくりをしたことや、対外的にはスコットランドやスペイン、その他敵対すると脅威になる国々に対して、様々な布石を敷いたという内容でした。中には政略結婚などもあったわけですけれども、このようにしてテューダー朝の時代が幕を開け、その次に有名なヘンリー8世という人物が王様を継いだのです。しかし、この人物は良くも悪くも曲者だったわけです。

ロンドンにあるハンプトンコートという、ヘンリー8世が治世の途中から住み始めたところがありますが、ここは部下から奪い取った屋敷と言われています。それだけでも象徴的ですが、彼は何でも物を横捕りしたくなる性質だったようで、フランスへもより多くの土地を支配しようと領土拡大を推し進めていったのです。テューダー朝より以前に「英仏戦争」、または「100年戦争」と呼ばれる戦いがありました。恐らくイギリスはその戦いによりフランスの領地を失い、ほんの一部しか残っていなかったと言われています。ヘンリー8世はその領地を押し戻そうとフランスとの戦争に随分と明け暮れた人なのです。それが元で、ヘンリー8世はせっかく作った国家の財政基盤を台無しにしてしまいます。そして彼が王を退いた後、財政的に大変苦しい国になってしまったのです。

このようにどうしようもない王様ですが、そんな彼にもいくつかそこを補うようなことがあります。1つは、(彼はイギリス国教会というものを作った人としても有名ですが)イギリス国教会を作る際に邪魔になったローマカトリックの修道院を打ち壊し、その財産を分捕るということを全国的に大々的に展開しました。その時に入ってきたお金があったため、なんとか財政を維持できたと言うわけです。もしそれが無かったら、もうとっくに破綻していたかもしれないというくらい、戦費にお金をつぎ込んでしまったわけなのです。
戦費がかかったのは、単に大々的に仕掛けたということだけではありません。これまでは、戦争で弓矢をひくとか、弓を持っただけでも有利になるというようなことがありました。その後、馬に乗るようになると徒歩の兵隊たちに対して有利に立てるようになりました。これが徐々にエスカレートし、この時代からとうとう「鉄砲」が入ってきたのです。

このように戦争の方法が進化したことで、それにかかる費用も増大していったのです。対外的にはこのヘンリー8世という人は、我々から見るとプロレスラーの方が王様をやっているかのような大男だったことで有名です。外見は、普通の王様に比べると高身長・筋肉質だったと言われています。
これが対外的な話で、対内的には先程の英国国教会を作ったというのが有名な話です。それを作ったきっかけはローマカトリックと仲が悪く、破門されてしまったことにあります。なぜ破門されてしまったのかというと、当時ヨーロッパの王様たちというのはローマカトリックに支配を受けていたため、結婚や離婚に、ローマ側の許可が必要でした。ところがヘンリー8世は、ローマ側の許可をとらずに離婚し、次の奥さんを迎えたいと思い、ローマと決別せざるをえなくなったわけのです。
結局ヘンリー8世は、生涯で6人の妻を娶りました。

最初の目的は丈夫な男子を産んでくれという「世継ぎの問題」だったのですが、その後は本当にそれだけのことだったのかどうか、ヘンリー8世の趣味だったかもしれません。最初の奥さんは、後に女王となる女の子を出産しますが、どうしても男の子がほしいということで離婚したい、次の奥さんを迎えたいということで、ローマカトリックに恐らく一旦はそういうことを申し出たようですが、許可されなかったようです。この経緯というのも興味深く、当時ローマ法王は、ヘンリー8世の奥さんの親戚の方に首根っこをつかまれていたようです。そうした力関係があって許可されなかったというわけです。そんなことでイギリスの宗教の文化の歴史が転換されたのかと思うと、情けないようなところもありますが、イギリスというところはそうした重要な歴史的背景、本来だったら非常に荘厳な王朝の歴史と言われる中に、はっとかわいらしさが混在するところが特徴とも言えるでしょう。
イギリスの国民は、離婚したいというヘンリー8世の個人的な欲望により英国教会が設立されたことで、ローマカトリックではなく、その多くはイギリス国教徒になり、様々な戒律にしたがって、以来何百年もやっているわけなのです。
ご紹介したように、ヘンリー8世はどちらかというとマイナスな面が多く見え隠れしましたが、次回からはメアリー1世やエリザベス1世といったこのテューダー朝を盛り立てた人々の話をしたいと思います。

今日の内容をまとめると、テューダー朝の中に「ヘンリー8世」という非常に有名な国王がおり、イギリスの時代をこの人に任せていたらひっくり返っていたかもしれないところを、様々な運が味方して何とか維持することのできた時代、見ると大変興味深い時代だというふうに考えていただけるとよろしいかと思います。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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