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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ウクライナのその後 (企業財務 M&A/村藤功)

ウクライナのその後

村藤功 企業財務 M&A

14/06/09


先日、ウクライナからクリミアが独立し、ロシアと併合したというお話をしました。しかし最近では、ウクライナの東部のドネツクやルガンスク辺りの親ロ派がかなり不公正に見える国民投票を行い、独立するという話になってきています。一方ウクライナでは大統領選挙が行われ、チョコレート王と呼ばれるポロシェンコ氏がウクライナの新しい大統領となりました。彼は穏健派と言われており、どちらかといえば欧米寄りの人物ではありますが、プーチン大統領とも親しいとされています。結果に影響するとは思えませんが、ウクライナの大統領選挙もドネツクやルガンスクのウクライナ系の人たちは親ロ派に妨害されて選挙できなかったようです。

そこで今度は、プーチン大統領とポロシェンコ大統領が会合を開き、いろいろと話し合うことになりました。ポロシェンコ大統領は、東部の独立を認めるつもりはないものの、ある程度の自治については容認すると言っています。そこで、その自治をどのような形で認めるのかという点につき、この会合で合意される可能性があります。

ポロシェンコ大統領はクリミアの独立に反対していますが、ロシアは自分から取った領土を手放したことがない国ですので、プーチン大統領がこれに同意するとは思えません。おそらくはウクライナ東部については、これを安定化させることで意見の一致がみられると考えます。といいますのも、東部ではウクライナ軍が親露派の東部の人たちの掃討作戦を行っており、ウクライナとロシアの双方ともにこの戦闘の中止を求めているのです。ポロシェンコ大統領は親露派の人たちが武装解除をすれば対話に応じると話していますが、親露派の人たちは戦い続けると主張しています。この戦闘をやめさせるために東部にある程度の自治を認めるという点で、ウクライナとロシアの間で合意が成立しうるのです。

ただ親露派の人たちは、いざとなればロシア軍がともに戦い、ウクライナ軍に勝利するのでないかなどと考えているかもわかりません。しかしそうなると、欧米諸国が黙っていないでしょう。実際ロシアは、ウクライナ国境近くに置いていた軍隊を撤退させています。この点ロシアも、欧米などの第三者と戦うつもりはないようにみえます。親露派の人たちはロシアの言うことを聞かずに戦闘を続けていますので、プーチン大統領も「ロシアの言うことを聞かないのであれば、自治くらいで我慢しろ」などと言うのではないかと、私は思っています。このようにロシアが少し引くなどして、ウクライナとロシアの間では平和的に解決しようという雰囲気がだんだん盛り上がってきているため、両大統領の間で話し合いがなされることになったのです。唯一、ウクライナ東部の親露派たちだけが戦いを継続しており、ウクライナ軍も戦闘しないわけにはいかない状況です。

この一連の出来事によって、G8からロシアが外れることになりました。しかし11月に行われるG20の主催国であるオーストラリアは、ロシアの参加を認めています。ロシアも国際舞台へ段々戻りつつあり、ウクライナ情勢はひとつの終息をみようとしているのです。

ただ、ポロシェンコ大統領とプーチン大統領の間で具体的にどのような合意がなされるのかという点については、未だわかりません。ポロシェンコ大統領は、東部の自治を認めるものの、それらの地域やクリミアの独立ならびにロシア参入を認めないと話しています。クリミアは既に実質的にはロシアの一部となってきているので、ロシアがクリミアを手放すとは考え難いです。

EUや中国でも、状況は変わってきています。EUはロシアからLNGを買っているため、ロシアと事をあまり構えたくありません。ドイツは事前にどうにかしようとロシアを説得していましたが、うまくいきませんでした。ウクライナ大統領選挙後には、イギリスのキャメロン首相やフランスのウラン大統領が仲介して、事態の悪化を防ごうとしています。中国は最初から中立を謳っていましたが、5月の終わりに習近平がプーチン大統領と会い、40兆円分の天然ガスをロシアから中国が買う契約を結びました。プーチン大統領自らが言っていたように、国際社会からロシアを長い間仲間外れにするには、ロシアの存在は大き過ぎるのです。

今日のお話をまとめます。
クリミアに続いて、ドネツクやルガンスクというウクライナ東部の親露派の人たちが、独立・統合し、ロシアの一部になることを望んで立ち上がりました。これらの地域では、親露派の人たちとウクライナ軍が戦闘を続けています。こうした状況を安定化させるために、ポロシェンコ大統領とプーチン大統領の間で協議が行われようとしています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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