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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 車と車社会の未来(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

車と車社会の未来(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

14/06/18

 前回述べたように、1970年代のモータリゼーションは、社会や人々のあり方を根本から変えた。現在は、発展途上国を中心とする大気汚染へのバッシング、郊外のベッドタウンや限界集落における高齢者モビリティといった問題がある。加えて、若者の車離れが叫ばれている。
 端的にいうと、「一家に一台」や「一人一台」という車の所有の概念自体が、これからは変わってくることが予測される。今回は「車社会の未来」について考えてみたい。
 バブル経済が崩壊するまでは、「車の所有」が一種のステイタスを表し、若者もこぞって車に乗りたがるという時代だったが、現在の若者は、車に乗る以外の時間の使い方が多様になり、徐々に車に対する関心や必要性が下がってきている状態だと言える。
 特に、都市居住者にとって、車は必ずしも所有する必要性が高いとは言えない。そこで、話題になっているのが「カーシェアリング」だ。
 最近、都心の空き駐車場に黄色の目印でカーシェアが目につくようになってきた。空き駐車場管理を行うタイムズ24が運営する「タイムズカー・プラス」だ。都心の空き駐車場を有効利用して、シェアできる車を無人で配置し、利用する。
 同じビジネスは、既にアメリカ・ボストンで2000年にスタートし、成長していた。(2000年創業、2011年IPOし企業価値1Bドル、2013年にレンタカー大手のAvisが500Mドルで買収し、関連会社として経営)
 利用者は、予め入会手続きを取り、カードを入手する。利用したい時に、近所の車の空き状況をウェブサイトで確認し、予約を入れる。その後、予約した車の場所に行き、車の窓にカードをかざすとドアが解錠され、利用ができる。利用後は、予約終了時間までに駐車場に戻って、施錠するだけ。あとは利用時間に応じた料金(タイムズの場合は15分単位)がクレジットカードから引き落とされる。
 レンタカーと違って、車両の種類も豊富で、発売間もないハイブリッド・カーや輸入車もラインナップされているところも特徴だ。
 例えば、都心居住の若者が「週末にIKEAに家具を買いに行くときに、4時間だけ利用する」と言った気軽な使い方ができる。例えば、週に1回、4時間利用すると、タイムズカー・プラスだと15分で200円〜なので、4時間で3,200円、月4回で12,800円で済む(保険料、ガソリン代込み)。
 一方、税込み購入費用150万円の車を5年間乗ると仮定すると、車両価格だけで毎月25,000円かかる。これに、ガソリン代、駐車場代、保険代、車検代、・・を加算すると、月額コストは4~5万円になる。
 利用者として気になるのは、例えばガソリンが減った時の対処だが、ZipCarの場合は、ガソリン残量が1/4を切ったときの利用者がガソリンを入れることになっている。車には予め給油所で利用できるカードが保管されており、それを利用するので、利用者が立て替える必要はない。ガソリンを入れてくれたユーザーには、次回利用時の割引などインセンティブがあるので、ユーザーも喜んでガソリンを入れてくれる。
 また、何時何分に誰が利用していたかが、全て会員カードで管理できるので、著しく車が汚れていたり、傷が付いている場合、利用していた会員がすぐに特定できるので、トラブル防止にもつながる。

 また、最近は都心のマンションが共同駐車場に共有できる車両を予め配置して分譲するケースも出始めている。人口が密集する都心であれば、カーシェアの稼働率をある程度高いレベルで維持できるため、ZipCarやタイムズカー・プラスなどのビジネスモデルが成立するのだ。このようなビジネスモデルは、都心居住者にとっての車との付き合い方、ひいては車社会が変化する方向を示唆している。

今日のまとめ:
カーシェアのビジネスモデルが登場したことで、車を所有せずに利用する(シェアする)という生活スタイルが広がる可能性がある。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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