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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 規制緩和と成長戦略 (企業財務 M&A/村藤功)

規制緩和と成長戦略

村藤功 企業財務 M&A

14/06/02


今日は規制緩和と成長戦略についてお話します。
安倍総理が、一人当たりGNIを10年で150万円増やすと話しています。GDPは国内総生産のことを、GNIは国民総所得のことをそれぞれ指しますが、何が違うのでしょうか。

GDPは、国内で生み出された付加価値の総額を示します。これでは、海外で日本企業が生産しているものは含まれません。そこで、日本企業が海外で生み出している付加価値をもすべて含めるGNIが注目されるようになったのです。ちなみに以前はGNIは、GNPと呼ばれていました。

日本の人口は1億2000万人に達しましたが、これから何十年かをかけて、半分になってしまうと言われています。少子高齢化も進行し、働き手が少なくなります。そうした状況においてGNIを維持するためには、働き手がこれまでの二倍働く必要に駆られます。それを避けるために、これまで十分に活用されてきたとはいえない女性や外国人、高齢者に働いてもらおうという案がでてきています。

特に女性が社会で働くことができるように、待機児童の解消や、男性の子育て参加支援、育児休業期間を三年に延長する、子育て後の再就職支援など、いろいろな策が講じられています。しかしそもそも、日本の雇用慣行である新卒採用が、女性が働きにくい状況をつくっているという説もみられます。女性は、子供の出産育児や老親の介護、旦那の引っ越しなど、様々なかたちで退職することがあります。日本では中途採用が少ないため、こうした退職した女性の再就職がより難しいのです。日本社会には、中途採用を積極的に行うとともに、子供が生まれてもやめなくてもいいような制度をつくることを求めたいものです。

外国人については、不法就労などの様々な問題がないわけではありませんが、人口が減って行く以上、日本で働きたい外国人には日本で働いてもらわなければなりません。技能実習制度というものがありますが、これは、アジアから日本の工場や農地へ来て働いてもらい、三年が経ったら帰ってもらうという制度です。最近では、この期限を延ばしたり、帰国後に再度働きに来たりできるように、制度を変えようという話がでてきています。また外国人が介護福祉士として働けるようにしようとしましたが、その試験になかなか通らないという問題もありました。ほかにも、2020年東京オリンピックのインフラ整備のための建設業界の人手が足りないと言われています。この場合、外国人が働きにやって来るほかありません。外国人が暮らしやすい生活環境をどのようにして整備するか、不法就労対策をどのようにするか。解決されなければならない根本的な問題が、山積みとなっているのです。

またこうした人の問題に加えて、厚生労働省が管轄する社会福祉部分の問題もあります。昔から厚生労働省は、自分たちであらゆる規制を作って全部を決めてきました。現在のところ大きな争点のひとつになっているのが、混合診療問題です。保険診療と自由診療を併用した場合、保険診療部分も含めて全額が自己負担になります。そうした中で、保険外併用療養制度がつくられ、一部が禁止の例外となりました。また最高裁は、混合診療のすべてが禁止という状況はおかしいと話しています。そこで、規制改革会議が、選択療養制度を提案しました。これは、医者と患者の双方が合意し、安全な治療が行われるのであれば、混合治療を認めてもよいというものです。しかし厚生労働省は、これに反対しています。

何か新しいことをやろうとすると、だいたいどこかの省庁のお役人がだめだといいます。そこで安倍総理は内閣の意思で、官僚の許認可を必要としない国家戦略特区を作り、そこの中でのみ規制緩和をしようとしています。ここで色々な制度をつくり、実験の結果問題がなければ、全国に広めるということを、今試しているのです。

今日のお話をまとめます。
安倍総理は、人口減少・少子高齢化が進む難しい状況の最中で、経済成長を実現しようとしています。そのためには、厚生労働分野の規制緩和や減税を行う必要があります。しかしそれらに対しては官庁側の抵抗が強いです。これを回避するために、国家戦略特区を使い、規制緩和を行おうとしています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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