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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国における異文化(16):鉄道文化遺産 (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

国における異文化(16):鉄道文化遺産

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

14/06/16

日本で鉄道の文化遺産というと何を思い出すでしょうか。様々な所に各鉄道会社の博物館があったり、公園に蒸気機関車の錆びたものが保存されていたり。そういったところを思い浮かべるかと思います。

 

ところが、イギリスと比べるとそういった鉄道文化を遺産とみなす文化というものの厚みが全く異なります。おそらくイギリスでは、「保存鉄道」といわれるボランティアが運営している場所が80か所近くあります。しかし日本では本当に幾つかしかなく、しかも資金が続かないためそのほとんど休眠状態みたいになっているのが現状です。

そして色んな車両の復元運動というのも、日本では山口線のやまぐち号辺りから行ってはいるものの、やはりイギリスとは比べ物になりません。

 

元々私が鉄道好きということもありますが、イギリスにもなかなか素敵な鉄道の博物館があります。

ちょうどイングランドの真ん中から北に進んだ「ヨーク」というところにある「国立鉄道博物館」です。この博物館は新幹線が展示されているということで非常に有名です。数年前話題になりましたが、いわゆる東京オリンピックのあった年に開業した、当時の新幹線0系と呼ばれる最初の新幹線が一両だけ運転席付きで中に展示されています。非常に広いところですからそれが一両入っていても全く目立ちません。そのくらいとても広大な敷地面積があります。

 

そこで見学しているのは日本人観光客ばかりで、現地の子供たちは「何これ?」という感じでスーッと通り過ぎてしまいます。「日本の新幹線」と言われてもピンと来ないのでしょう。ただ象徴的だったのは、元々日本の鉄道というのはイギリスから導入されたもので、いわば逆輸入の形になります。日本がイギリスから輸入した技術に加工を加え、恩返しも含めその研究成果を報告に行くようなものだといえます。しかしイギリス人にとっては、あまりそうした感慨深さはないようです。

 

これは話の枕でありまして、先ほど言ったようにSLの復活運行であるとか保存鉄道であるとかイギリスはそういったものが大変充実しているというお話をしようとしているわけなのです。

 

大抵の場合はボランティアの方が行っています。もちろんお客さんに乗って頂いてお金を取りそれで運営するわけなので、乗車時間の割にはかなり高い運賃を取るところも多いのですが、こういった所に恐らくどこかから色んな補助が出ているのではないかと想像しています。

なぜこんなに長大な路線をきちんと運営できるのだろうと思うくらい素晴らしいものがあります。そして通常の定期路線でも様々な復活運行あるいはSLを持ち出すというようなことをやっているところが多くあります。その中から一つ有名なものを紹介しましょう。スコットランドの「ジャコバイト号」です。

フォート・ウィリアムとマレイグという区間を結んでいる旧国鉄路線なのですが、ここにSLがひっぱっている「ジャコバイト号」というのがあります。この列車がある所で陸橋に差し掛かるのですが、それを見ると皆さん思わず「あぁ。」と歓声を上げ、膝を30回ぐらい叩くのではないでしょうか。

 

なぜかと言うと、ハリーポッターでホグワーツに行く時に通るのがここ。ロケ地になります。

 

私もぜひ一度は行きたいと思いながら行けていないのですが、密かにファンの間では聖地としてあがめられている存在なのです。そういった所が、イギリスの各地にはたくさんあります。

皆さんもイギリスに行かれたら、通常の観光ルートを外れてこういう所に迷い込むのも楽しいかもしれません。

そして、向こうではそういった各保存鉄道が1日開催するファミリーデーといったイベントも開催しています。そこにはごく普通の鉄道ファン以外にも、家族で出かけて1日遊ぶというようなことが文化として根付いています。子供の遊具を駅の廻りに持ってきたり、蚤の市をやったりというようなことになるわけです。中でも面白いのは、やっぱりお国柄というのでしょうか。機関車トーマスが出てきたりします。これはある会社が保有していて、各保存鉄道に1日単位で貸し出しているそうです。こうして人寄せをしているというわけです。日本だと法規的に出来ないようなことがあるのかもしれませんが、上りと下りの線で両方使って同じ方向に走らせてトーマスとディーゼルが競走するなんてこともあるようです。貨車は笑っているし、デイジーは化粧をしていますし、凄く楽しいです。

日本でもそういうことができると、鉄道もかなり色んな所で盛り上がりを見せるだろうと思いますが、まだ日本の鉄道各社は硬いところがあります。いわゆる公、公の器ということであまり乱れたことはしてはいけないという心の機制が働くのでしょうか。もっと皆さんの生活の中に鉄道が楽しく絡んでいってほしいと思います。その他にも、イギリスに色んな特別なことがあります。例えば日本ではもう既に無くなってしまった「馬車鉄道」というものもあります。それから、「ナローゲージ」と呼ばれる麦畑の中を線路の幅が狭い所で30㎝くらいのところを約30分間、十何キロか走るような狭隘の路線もあったりします。

 

今日はイギリスの鉄道文化についてご紹介しました。どうぞ皆さん、イギリスに行かれたらぜひ英国の鉄道文化は鉄道ファンのためだけのものではないので、一般の観光客の方もぜひ一度英国の鉄道を楽しんでみてください。

 

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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