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TPP

村藤功 企業財務 M&A

14/05/30


今日は、TPPについてお話します。
TPPによって日本の農業が死ぬとして、農業に関わる人たちがデモを繰り返しています。また、先のオバマ大統領の来日後には、日本がアメリカに屈しなかったと喜んだ人も多いようです。

そもそも私は、自由貿易主義者です。自由貿易とは、世界で一番安くていいものを作った人が勝つ貿易の状態のことです。現在までは国内の生産者を守るために、各国で関税を設け、自由貿易を妨げてきました。以前に自由貿易のためにGATという貿易の枠組みを作ろうとしたことがありましたが、各国が勝手なことを主張したため、まったく機能しませんでした。このように全体での合意が難しかったため、合意できるところだけで合意しようということになり、日中間などの二国間や地域の自由貿易の枠組みが作られるようになりました。

今回のTPPは、トランス・パシフィック・パートナーシップの略です。すなわち、太平洋の西と東とでまとまって、自由貿易の枠組みを作ろうというものです。まず私は、自由貿易には大賛成、余計な関税をかけないでくれと考えています。確かに日本のお米はおいしいと私も感じますが、だからといって、輸入米に300%や400%の関税(現在の関税率は778%)をかけるのはいかがなものかと思います。本当においしいのであれば、数十%程度の関税をかけるのみでも問題なく流通し続けるのではないでしょうか。

今回、日本とオーストラリアとの間で、牛肉の関税を40%から20%へ下げることで合意しました。アメリカはこれをもとに、日本に対して、アメリカからの牛肉の関税を10%程度にするよう要求してきています。日本側はオーストラリアとアメリカが公平になるように、アメリカからの牛肉の関税を20%程度とすることを主張していますが、なかなか二国間で合意にいたりません。私としては、おいしい牛肉を食べることができるのであれば、それにかけられる関税は0%でもよいと考えています。なぜ税金を、日本で牛を育てている人たちにあげないといけないのでしょうか。もちろん私も日本人ですので、日本の生産者を保護することに全面的に反対というわけではありません。しかしだからといって、競争を避けてはいけません。日本の農業は、国が保護しすぎたがために弱くなってしまいました。今では、農地の大規模化や株式会社の参入が叫ばれ始めていますが、多くの農家や農林水産省の人たちが抵抗しています。消費者であり税金を払っている私たちからみれば、安くていいものが出てくれば、それを買うだけのことです。TPPをめぐる一連の交渉では、アメリカと日本のどちらが消費者の味方なのか、若干の疑問を感じざるを得ません。

豚肉についても、日本には差額関税制度という変な制度があります。これは、1キロ64円よりも安い豚肉を日本へ輸出しようとした場合、482円を関税としてかけるというものです。アメリカはそうした制度そのものをやめるように言ってきていますが、そういうわけにもいかないため、数十円~100円の間で落ち着かせようとする攻防が続いているところです。私は7年ほど海外におりましたが、海外の豚肉もおいしいです。

まずは関税を少々引き下げた上で日本の事業者の競争力を強くし、関税をさらに引き下げて行き、最終的には関税を完全に撤廃する方向性が望ましいと私は考えます。オバマ大統領の帰国後に、日本がアメリカの圧力に負けなかったと言う人たちがありましたが、彼らは消費者である私たちのためではなく、生産者を守ろうとして行動していました。私たち消費者の税金を使って生産者を守るシステムを守っただけなのです。消費者である私たちにとっては、別段嬉しいことはありません。日本国民が、自分たちが消費者であることを理解できているのかどうか疑問です。

チーズについても、日本は20%の関税をかけています。日本の外に出れば、安くておいしいチーズがたくさんあります。アメリカはとりあえず、ブルーチーズにかけられている20%の関税をやめるように要求しています。私はこれに大賛成です。

今日のお話をまとめます。
オバマ大統領が来日して、尖閣諸島は安保の対象だと言ってくれた一方で、TPPについては大筋合意に至りませんでした。多くのマスコミが、関税を守ることは日本の利益であり、関税を撤廃することはアメリカの利益だと話していましたが、それは違うと私は感じています。世界で一番安くていいものを消費者が購入できる状態が、もっとも望ましい姿です。これが自由貿易の発想なのです。私は、自由貿易を進展させるためにも、TPPに早く合意して欲しいと考えます。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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