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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 世の中の見えないルール (社会心理、組織心理 /藤村まこと)

世の中の見えないルール

藤村まこと 社会心理、組織心理

14/04/21

春になり多くの方が職場や学校などの環境が変わり、新しい環境に戸惑ったり、
少しずつなじまれている頃ではないでしょうか。
今日は、集団によって異なる「見えないルール」についてお話をしていきたいと思います。

■社会規範と集団規範
皆さん、社会規範という言葉はご存知でしょうか。
「うそを言ってはいけない」「人のものを盗んではいけない」などのように、
社会や地域で共有されているルールのことです。
この社会規範の一部は、法律としてときに私たちの行動を規制することになります。
「郷に入りては郷に従え」というように、多くの人はその地域や社会のルールに従って行動を行いますね。
例えば、日本にはチップを渡す習慣はありませんが、海外旅行に行けば場所によってはチップを用意して
渡します。同じ国内でも、地域ごとにルールがあれば、そのルールに従って行動しますね。
このように、社会規範は、法律として決まっていなくても、私たちの行動を形づくって行くことになります。

同じように、集団にも集団ごとに共有されたルールがあります。
例えば、ある会社では、基本的に髪型も服装も自由かもしれませんが、そうでない会社もあります。
先輩後輩の関係も、必ず敬語を使う集団もあれば、友人のようにやりとりする集団もあります。
このように服装や言葉づかい以外にも、会議の進め方や仕事の進め方など、集団によってやり方が
異なりますね。
例えば、会議の進め方であれば、誰がどこに座るのか、どんな手順で進めるのか、
発言は自由にしていいのか、あまりしない方がいいのか、というものです。
またその他には、積極的に提案をしていいのか、提案に対して挑戦的に採用してくれるのか、
石橋を叩くように議論していくのかという、仕事の進め方も多様ですね。

それらは規則ではないけれど、集団に所属する人たちの行動の仕方を方向づけていくことになります。
そして、いつの間にかそれがその「集団の伝統」になったり、「集団らしさ」となっていきます。
この見えないルールは、暗黙のルールといわれているものです。
普段その集団に所属しているときには、無意識のうちにルールに従っているため気づきにくいのですが、
ふと違う集団に入ってみると、やり方が違うことに気づきます。
このような集団のルールのことを「集団規範」と言います。

■なぜ集団のルールに従うのか
では、なぜ多くの人は集団のルールに従うのでしょうか。
理由は、集団の中では集団の圧力が働いているからかもしれません。
集団の中の多くの人は、ルールは正しい、それを良いことであると思いながらルールに従っています。
そのため、新入社員など新しい人が来たときもしルールに従わないのであれば、なぜ従わないのか
と注意したり、非難をすることがあります。
一方、その集団のルールに従った場合には、承認や賞賛を提供することになります。
つまり「アメとムチ」が集団のメンバーによって生じることになり、これが集団圧力と呼ばれるもの
です。それによって、新しく集団に関わった人の多くが、ここではこう振舞わなければいけないのだ
ということを少しずつ学習し、ルールに従っていくようになります。
それが一つの組織に対する社会化であり、組織に馴染むというプロセスと理解することができます。


そして、集団規範に馴染んでいく中、メンバー同士の類似性が高まっていきます。
同じような価値観や行動様式を持つようになったり、場合によっては、服装やしゃべり方も
似てくるのかもしれませんね。
それによって、集団の外部から見れば、その集団はよくまとまっているように見えることもあります。

■集団規範に対する反応
新しい集団に入れば、そこには必ずといってよいほど「暗黙のルール」として集団規範が
存在しているでしょう。そのルールに対して、人はどのように反応し対処するのかを、
4つのパターンで示したものがあります。

ひとつは、そのルールに納得し、受け入れた上でルールに従うという「同調」です。
おそらく多くの場合は、この形をとるのではないでしょうか。
ふたつめは、ルールに従うのですが、実は納得していない、需要していない「仮の同調」
です。集団に関わったばかりのころは、この形を取ることも多いかもしれないですね。
これらふたつの反応は、どちらもルールに従うという点では共通していることになります。

一方、三つめはルールに納得できないなどの理由から、集団規範に従わない反応で
「逸脱」といわれます。ルールを遵守しないことは、ときにその集団から圧力をかけられる
きっかけとなり、場合によってはその個人から集団を離れることにもつながる可能性があります。
見ている側はひやひやする反応かもしれませんね。
そして、最後のひとつは、ルールに納得できず、受容できないため、ルールに従わない点では
逸脱と似ているのですが、集団を離れるという方向ではなく、集団のルールを変えるように
働きかけていく「変革」や「変化」のパターンです。
これは集団に対して積極的で能動的である点で「逸脱」とは異なります。

ただし、この変革のパターンは、新しい職場に移った人など環境が変化したばかりの方には
難しいことだと思います。相手や集団を急に変えようと思ってもなかなか上手くはいきません。
まずは、なぜそういったルールがあるのかを観察したり、成り立ちを調べてみることも大切です。
時間が経つことで、分かってくることもあります。それでもなお変革が必要と思ったのならば、
そのときが行動を起こすときかもしれません。

分野: 心理 |スピーカー: 藤村まこと

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