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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 量的緩和縮小 (企業財務 M&A/村藤功)

量的緩和縮小

村藤功 企業財務 M&A

14/04/07


本日は、量的緩和縮小についてお話します。

アメリカ政府はリーマンショックに際して、量的緩和を行いました。リーマンショックは6,000兆円あった世界中の株価総額を3,000兆円にするなど世界に金融危機を起こしました。これに対してアメリカの日銀にあたるFRB(連邦準備銀行)は世界中にドルをばらまき、お金の量を三倍にしました。その結果たとえば中国では、アメリカがばらまいたドルが人民元となり用いられたことで、不動産や株式の価格が上昇しました。ところが最近、アメリカの経済が回復してきたために、ドルを回収していく動きに変わってきています。これが、量的緩和の縮小です。

ドルを回収すると、世界に出回っているドルの量が少なくなります。すると、ドルの価値が強くなる一方で、ほかの通貨の価値が下がることになります。発展途上国の通貨はどんどん売られるため、暴落します。具体的には、フラジャイル・ファイブと呼ばれるブラジル・レアル、インド・ルピー、トルコ・リラ、南アフリカ・ランドやインドネシア・ルピア辺りの通貨の価値が、どんどん下がり続けています。一方で、市場からお金がどんどん引き上げられるために、株の価値も下がることになります。このように、ドルの回収の結果、通貨も株も下がることになるのです。

当初オバマ大統領は、ドルを急激に回収しようとするサマーズ氏をFRBの新議長にしようと考えていました。しかし、オバマ大統領を擁する民主党の人たちでさえそれには反対でした。そこで、当時FRBの副議長であったイエレン氏が就任することになりました。氏は、失業率をみながら、ゆっくりとドルを回収するものと期待されたのです。

イエレン氏は現在、ゆっくりとドルを回収しつつあります。昨年の12月あたりまでは、FRBによる証券購入額は850億ドルでした。今後はそれを、毎月100億ドルずつ減らすことになっています。そうなると、今年の秋口あたりには、量的緩和が終わることになります。このようにペースがゆっくりではあるものの、量的緩和の縮小は続いているために、発展途上国の通貨の価値や株が下がる方向にあります。

日本の円については、そこまで価値が下がってはいません。しかし、日銀は円をたくさん刷って、2%をインフレターゲットとした金融緩和を続けているところです。そうすると、ドルが減って円が増えるためドルが強くなって円が下がる傾向になります。

世界中の経済関係者は、アメリカが量的緩和の縮小をどのくらいの速度で行うのか、その結果いくつかの発展途上国が破綻するのではないのか、といった点に注目しています。イエレン氏は、発展途上国において多少のトラブルが起こるかもしれないものの、アメリカへの影響はないだろうと話しています。

今日のお話をまとめます。
リーマンショックで導入されたアメリカの量的緩和の縮小が、ついに始まりました。来るべきものがついに来たのです。バーナンキ氏がFRBの議長になったばかりの頃に、リーマンショック対応でドルがどんどんばらまかれました。昨年の夏辺りにはその縮小を表明しましたが、皆に反対されたために、なかなか縮小できませんでした。その後イエレン氏がFRBの議長に就任し、今年に入ってようやく縮小がはじまりました。縮小の速度はゆっくりですが、確実に始まりつつあります。これからどれくらいの速度でドルが減らされて行くのか、注視したいところです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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