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税制改革

村藤功 企業財務 M&A

14/04/04


今日は、税制改革についてお話します。
皆さんご存知のように、この四月から消費税が8%に上がりました。来年の10月には、さらに10%に上がります。しかしこれでは焼け石に水で、さらに10%ほど上げても駄目なくらいに、日本の中央政府の財務はぼろぼろに痛んでいます。大変な債務超過に陥っているのです。

現在のところ毎年40兆円くらい足りないため、毎年40兆円くらい赤字国債を出しています。私の計算によると、5年か10年後には、一年に80兆円ほど足りなくなる見通しです。現在、政府の借り入れである国債が1000兆円ほどありますが、5年か10年後には1500兆円に膨れ上がります。消費税が10%に上がることやインフレ・ターゲット2%の達成を前提にしても、お金は全然足りません。

政府のお財布のひもを握っている財務省は、お金がないのだから税金を上げようという発想をすぐにします。しかし法人税を支払う企業側からしてみれば、これは本当にやめてくれという話です。既に日本の法人税の実効税率は、世界でダントツに高いのです。現在は38%程度ですが、中国や韓国は25%くらいです。アメリカの法人税率も高いのですが、節税策を駆使することで、実際には企業はほとんど支払っていません。日本の経済財政諮問会議の民間議員は、法人税をざっくりと15%ほど下げようという話をしているくらいです。

日本の企業の人たちは結構真面目なのできちんと法人税を支払うため、ただでさえ競争力が失われつつある現状で、更に困ったことになっています。政府の財務が破綻しつつあり、それに足を引っ張られて、企業も沈没して行っているのです。先日、半導体のDRAMやシステムLSIの日本企業が敗退したというお話をしましたが、今度は自動車産業も心配な状況になってきています。

政府にはお金がないので、我々の家計や企業など、あらゆるところからお金を取りたくて仕方がありません。私の計算では、過剰気味の有利子負債1000兆円を減らすためには、それを日本の人口である1億人で割ればわかりますが、日本国民ひとりあたり1000万円を政府へ寄付することになります。これは、実現不可能な数字です。

こうした状況の最中、闘いが起こっています。政府や財務省、日銀は、企業や個人の家計からどのようにしてお金を取るか、いろいろな悪巧みを企画しています。そもそも企業側は、法人税の実効税率が他国では25%であるのに対して、日本だけ38%であることに怒っています。彼らの調査によれば、イギリスやドイツ、韓国は法人税率を下げたものの、経済成長をした結果企業収益が増えて税収が上がることとなったそうです。財務省は、税率を下げたら税収が下がるとしています。しかしこれは、経済成長の具合にもかかっている問題です。要するにベストシナリオは、法人税を下げる一方で、経済成長の結果儲かった企業が山のような税金を払うがために、税収が増えてしまった、というパターンです。

では、そのためにはどのように経済成長をすればよいのでしょうか。安倍総理は、アベノミクス、すなわち、とりあえずマネーを突っ込むことをしました。しかし成長案については、たいしたものが出てきていません。皆、何か面白い成長案が出てくることを待っていますが、なかなか良いものを出してくれません。

今日のお話をまとめます。
消費税が8%に上がりましたが、じきに10%になる予定です。しかしこれが20%になったとしても、まだまだ足りません。日本の政府は、お金が足りないので、取ることができるお金を全部取りたいと考えています。一方で法人税については、世界の流れに乗り、現在の38%を25%へ下げようという話が出ています。しかし財務省には、そのための財源がありません。企業は、経済成長さえさせてもらえれば、財源がなくとも法人税収益は上がると話しています。このように、どちらの方向へ動くのかよくわからない状況に今はあります。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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