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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 集団とは(集団の効果) (社会心理、組織心理 /藤村まこと)

集団とは(集団の効果)

藤村まこと 社会心理、組織心理

14/03/19

今回は集団の機能と発達について、お話します。多くの方は会社でも集団に所属して仕事をしているかと思います。最近ではフリーランスの方などを除き、ほとんどの職場でチーム単位で誰かと助け合いながら仕事をしているのではないでしょうか。

■集団の機能:課題達成と対人関係
では、チームや集団にはどのような機能があるでしょうか。ひとつは、仕事という課題を達成する機能、もうひとつは、複数の人が存在するため人と人との対人関係の機能があります。学生のグループワークやスポーツチーム,そして職場集団であっても、どのような集団でも必ずこれらふたつの機能が備わっています。そして、最も望まれるのは、チームが両方の機能を十分に果たしていることですね。つまり、対人関係もよく、かつ課題達成のパフォーマンスも高い集団です。しかし、ふたつを両立する集団はそれほど多くはないかもしれません。周りを見渡せば,そんなに仲はよくないけれど、パフォーマンスが高い集団も意外に多いものです。一方で、メンバー間の仲は良いけれども、パフォーマンスはあまり高くない集団も存在していますね。もちろん、課題達成もできず、対人関係も良くない集団もあるかもしれません。皆さんの所属している集団やチームはどうでしょうか?このふたつの機能について考えてみてください。目指すのは両方が上手く機能する集団かと思います。そして集団のリーダーは,これらふたつの機能が上手くいくように働きかけることが仕事ですね。

■集団内の葛藤
また、人と人が集まれば葛藤も生じます。そのとき、先の課題達成と対人関係のふたつに関する葛藤が生じやすいと言われています。ひとつは課題に関する葛藤ですね。例えば会社で定めた目標達席のためにどうすれば良いのかやり方を議論するなど、課題達成のための議論や葛藤があります。一方、対人関係に関する葛藤とは、あの人はなんだか苦手だ、あの人のものの言い方がきついなど、人と人の関係性に関する議論や葛藤です。いずれも集団には生じやすい葛藤といえます。それでは、葛藤はないほうがよい、できればゼロになれば良いと思いますか?その点については、さまざまな議論が行われていますが、ひとつの考え方として、関係葛藤は少ない方がよいこと、課題葛藤はある程度生じた方が良いと考えています。

集団の中で葛藤をどう処理し,活かすかは難しいことです。ひとつ気をつけたいことは、課題葛藤と関係葛藤を混同してしまうことです。例えば、やり方について議論をしているときに、あの人は私のことが嫌いなのでは、攻撃されているのではと感じてしまうような状況です。これは、課題葛藤を関係葛藤と混同してしまっています。課題葛藤に比べて,関係葛藤が増加すると、チームワークは難しくなります。そのためにも、課題葛藤と関係葛藤を区別して、前向きに課題について議論することができればと思います。

■集団の効果性
世の中には高いパフォーマンスを出している集団が多数あります。その特徴は「1+1=2」、もしくは「1+1」が2よりも大きくなることです。それは、一人一人が個人で持っている力を「1」とすれば、集団で活動することで「1」以上の力を発揮することです。コラボレーション、シナジー効果、創発性など色々な言葉があてられていますが、どのようなときにそれが生じるのか、興味深いですね。


■集団の発達
集団について理解する上で、ここでは集団の発達について紹介します。
タックマンによれば、集団の発達は5段階なのだそうです。形成されてすぐは、右も左もわからない、お互い様子見の段階です。その次に、目標に向かって互いに議論し葛藤する時期が訪れます。ここで互いの価値観や考え方、活動の進め方などのすりあわせが行われます。もしここ段階をうまく処理できない集団はそのまま解散することもあります。うまくこの段階を経ることができれば、役割分担やルールが形成される段階へと移行します。集団がより集団らしくなる段階です。その後は、個人の労力をすり合わせに割く必要がないので、高いパフォーマンスを発揮する段階となります。課題や目標を達成した後はその集団が解散する段階となります。短期間のチームでない場合は、その後も長い時間をかけて集団が継続していくことになります。

集団を継続させていくとき、集団にも年齢があり、集団も年をとっていくというおもしろい説があります。最初は青年期といって、若々しくてやる気に満ち溢れた時代がありますが、中年期、老年期と集団が発生して維持される時間が長ければ長いほど集団の動きが鈍くなっていきます。そして、老化の進んだ集団はいずれ「硬直化現象」を示します。例えば、メンバーが決まった人としか話をしない、いつもと同じやり方に執着してしまうなどの慣れが発生してしまいます。そうなると新しいことへの挑戦をしなかったり、新しいアイデアが生まれてこないなどの弊害が生じてきます。硬直化を避けるためにはどうすればよいか、それは組織に関わる人の共通の悩みです。集団にどのように刺激を与えるか、組織の鮮度を保つためにはどうすれば良いのでしょうか。人の入れ替えも、その解決策のひとつなのかもしれません。

引用・参考文献
古川久敬 2004 チームマネジメント 日本経済新聞社
山口裕幸 2008 チームワークの心理学―よりよい集団づくりをめざして (セレクション社会心理学) サイエンス社

分野: 心理 |スピーカー: 藤村まこと

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