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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本の貿易(各論) (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

日本の貿易(各論)

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/03/21

貿易は、国際分業です。日本は得意とする工業製品を輸出して、日本で採れない原油などを輸入する、というのが基本です。あとは、日本は賃金が高いので、労働力を多く使う製品は、賃金の安い途上国から買ってくる事になります。中国製の洋服などが大量に輸入されているわけです。
同じ品目でも、輸出と輸入が両方行なわれているものもあります。たとえば鉄鋼は、日本製のものは価格が高くて品質が良いので、海外で高品質を要求されるケースでは日本から輸出されています。一方で、それほど品質は高くなくても値段が安い方が良いというものは、日本企業が途上国から輸入して使っている、というわけです。
品目別に見てみると、食料品は、輸出がほとんどなく、輸入は6兆円ほどあります。日本は農地が狭く、人件費も高いので、日本の農産品はあまり輸出されていないのです。品質は高いので、高級食材として輸出されているものもありますが、まだまだ僅かです。TPPで日本の農業を輸出産業にする、といった話も聞かれますが、簡単な話ではないでしょう。
原料品も、輸出は少なく、輸入が多い品目です。鉄鉱石などを大量に輸入しているほか、一時期話題になったレアアースなども輸入に頼っています。
しかし、何と言っても圧倒的に輸入超過なのは、鉱物性燃料です。原油、石炭、天然ガスともに、国内ではほとんど採れないため、ほとんど全部を輸入に頼っています。石炭と天然ガスは、輸入先がいろいろありますが、原油は輸入先が中東地域に集中しているのが気になります。この地域は国際政治の面で安定しておらず、何らかの紛争で輸入が困難になる可能性が小さくありません。エネルギーの安定的な確保という面でも、原油の輸入先を中東以外に拡げる事が望まれるのですが、なかなか実際には難しいようです。
鉱物性燃料の輸入については、それ以外にも重要な点が二つあります。一つは、原子力発電所が止まってから、火力発電が増えたことにより、輸入量が大幅に増えたということです。原子力発電所が再稼働するかどうかわかりませんが、今後も鉱物性燃料の輸入は高水準を続けることになるでしょう。
今一つは、原油などの価格が大きく変動することです。原油には先物市場というものがあるため、株式に投資するのと同じ感覚で原油に投資できるのです。そこで世界中の投資マネーが原油を売り買いしていて、彼等の動きによって原油価格は大きく変動するのです。
機械類は、日本の得意分野ですから、大幅な輸出超過となっています。中でも自動車関連は、日本の強い分野です。最近では自動車も世界中に工場を建てて現地生産をしていますが、まだまだ完成車の輸出も多いほか、エンジンなどの重要な部品は日本から輸出する場合が多いのです。
一方で、電気機械は、最近急激に輸入が増えており、もはや日本が強い分野とは言い切れなくなって来ました。最近の円安で日本企業の競争力が回復すると良いのですが、韓国や中国などのメーカーが力を付けてきたので、簡単ではないかもしれません。
地域別にみると、アジア地域との貿易が全体の約半分を占めています。品質の高い日本製品を輸出して、安価なアジアの製品を輸入する、というのが基本となっています。
国別で見ると、輸出入ともに、最大の貿易相手国は中国です。輸出入全体の2割強を占めています。ここでは、香港との貿易は、中国に含めて考えています。中国との間の貿易収支は、概ね均衡しています。中国からの輸入が多いことは、私たちの日常生活からも想像できますが、輸出もそれと同じくらい多いのです。中国が巨大な市場として重要な輸出先になって来た事もありますが、中国が洋服を作る時に使う機械が日本製であったり、中国が世界中に輸出している機械製品にも日本製の部品が使われていたりするのです。
中国以外のアジア諸国との間でも、貿易は活発に行なわれています。日本の貿易全体の約半分がアジア向けで、そこから中国を引いた残りは3割弱となっています。貿易収支をみると、概ね日本の輸出が輸入より多くなっています。アジア地域では国際分業が大変盛んに行なわれていて、日本企業の工場も数多く進出しています。そうした工場の中には、重要な部品を日本から輸入し、その他の部品をアジアの数カ国から輸入し、組み立てて欧米に輸出しているといった所も数多くあるのです。
アメリカとの間では、日本が圧倒的に輸出超過です。アメリカは、製造業よりもサービス業が強い国なので、多くの国に対して貿易収支が赤字なのです。日本と米国の間でも、日本からの輸出が輸入の2倍ほどとなっています。
日本は、多くの国との間で貿易収支が黒字ですが、一部の国との間では大幅な赤字となっています。その代表は中東の産油国ですが、オーストラリアからも大量の石炭や鉄鉱石を輸入しているので、オーストラリアとの間でも貿易収支は赤字となっています。


まとめ: 日本の輸出品はほとんどが工業製品です。輸入も半分は工業製品ですが、半分は原料や燃料や食料品です。地域別には、アジアとの貿易が多くなっています。多くの地域との間で貿易収支は黒字ですが、中東との貿易収支は大幅な赤字となっています。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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