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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本の金融 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

日本の金融

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/03/14


金融機関というと、最初に思いつくのは銀行でしょう。全国的に営業している大手銀行(メガバンク)、地元の都道府県を中心に営業している地銀(地方銀行)と第二地銀(第二地方銀行)などがあります。信用金庫、信用組合も、銀行と同じような仕事をしていますが、銀行よりも規模が小さく、銀行以上に地元に密着しています。

預金を集めて貸出をして、利鞘(貸出と預金の金利の差)で利益を上げるのが銀行の本業ですが、最近は借り手が少ないために、貸出競争が激しくなっていて、貸出によって利鞘を稼ぐ事が難しくなっています。そこで銀行は、投資信託や保険などを売って手数料を稼ぐ事にも注力しています。

投資信託というのは、大勢の投資家から少しずつお金をあつめて、集まった大きな金額をファンドマネージャーと呼ばれるプロが運用して、結果を投資家に戻すというものです。素人が株式投資を行なうのは簡単ではありませんから、代わりにプロにやってもらおう、ということです。

銀行には、外貨関係などに強い外資系銀行、支店数が少ないかわりに手数料が安いネット銀行などもあります。また、政府が出資している銀行もあります。ゆうちょ銀行は郵便貯金で私たちの生活に密着していますが、それ以外にも政策目的に沿った貸出を行なっている銀行などがあります。

銀行以外では、証券会社が思いつきます。株の売り買いをする時には証券会社に行く事が多いでしょう。企業が株券や社債を発行する時も証券会社に売ってもらいます。証券会社にも、全国展開している大手証券会社、地元に密着した証券会社などがあります。インターネット証券や外資系証券の存在感は、銀行に比べて遥かに大きくなっています。

銀行は間接金融、証券会社は直接金融と呼ばれています。私たちが銀行に預金をする時は、銀行と取引しているので、銀行から誰が借りているのか知りませんし、借り手が倒産しても預金が減るわけでもありません。しかし、証券会社で株や社債を買う場合には、証券会社は売り手と買い手を引き合わせているだけで、証券会社は紹介手数料を受け取っているだけです。従って、買った株や社債が値下がりしても、買った人の損になるだけで、証券会社に損を埋めてもらう事はできません。

銀行と証券会社以外にも、金融機関はいろいろありますが、大きいのは保険会社です。多くの人から保険料を受け取って、それを事故などに遭った人に保険金として支払うのが保険会社の本業ですが、保険料を受け取ってから保険金を支払うまでの間、お金を金庫で寝かせておいても仕方ないので、貸出に使ったりするわけです。

さて、金融機関はお金を持っている人から足りない人にお金を流す役割をしているわけですが、具体的には誰から誰にお金が行っているのでしょうか。お金を出しているのは私たち家計です。老後のために貯金をしている分が、銀行などを通じて借り手に流れているのです。借りているのは、日本政府です。政府は莫大な財政赤字を抱えていて、毎年巨額の借金をしています。具体的には国債という借用証書を発行して、それを銀行に買ってもらっているのです。

企業は、設備投資などをする資金を銀行から借りていますので、資金の借り手なのですが、企業を全体として見ると、最近は銀行に借金を返しています。景気が悪いので、設備投資をするよりも、利益が上がったらとにかく銀行に借金を返そう、という企業が多いのです。つまり銀行は、私たちが老後のために貯金した分と、企業が借金を返している分を合計して、日本政府に貸し出している、というわけです。

日本人は、老後の蓄えというと銀行への預金を思い浮かべます。郵便貯金を含めると、日本人の金融資産の多くは銀行預金です。ところがアメリカ人の金融資産は、株式や投資信託が多く、銀行預金はそれほど多くありません。日本人は「株式投資はリスクがあるから嫌だ」と考える人が多いのですが、アメリカ人は「銀行預金なんて殆ど利子もつかないし、嫌だ」と考える人が多いのです。

これは、遺伝子の違いもあるのでしょう。アメリカ人の祖先は、わざわざ大西洋を渡って来て幌馬車で大平原を走り、インディアンと闘いながら自分の土地を確保した人々ですから、リスクを採ってでもチャンスに賭ける人々なのです。

ですから、日本人にアメリカ人並みの株式投資を求めることは難しいのでしょうが、日本人にももう少し投資をして欲しい、というのが日本政府の考え方です。株式投資をする人が多ければ、新しい会社が資金を調達する事ができて、日本経済が発展する、と期待しているのです。そこで政府は、NISAといった新しい仕組みを作ったりして、人々に投資を呼び掛けている、というわけです。

まとめ:銀行は預金を受け入れて貸出を行なっています。メガバンク、地方銀行、第二地方銀行などがあります。その他、証券会社、保険会社など、多様な金融機関が金融仲介活動を行なっています。最近の日本では、資金の出し手は家計と企業、取り手は政府となっています。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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