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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本銀行 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

日本銀行

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/03/13


日銀(日本銀行)は、日本の中央銀行です。中央銀行というのは、銀行という名前ですが、普通の銀行とは全く異なります。政府が作った銀行で、利益を上げるためではなく、日本経済がうまく廻るようにする事が目的です。

私たちに最も馴染みのある仕事は、紙幣の発行です。財布の中の御札を見ていただくと、日本銀行券と書いてあります。紙幣がなければ、私たちの日常生活は大変不便なものになってしまいますから、これは有難いことです。

日銀は、私たちとは預金や貸出などの取引を行なっていませんが、銀行の銀行、政府の銀行として、銀行や政府との間では預金を受け入れたり貸出をしたりしています。

ニュースなどで日銀の名前を聞くのは、金融政策に関してでしょう。金融政策とは、世の中に出回るお金の量を増やしたり減らしたりして景気の調節などを行なうことです。景気が良くてインフレが心配な時には、世の中に出回っているお金の量を減らして景気を悪くして、インフレを防ぎます。これを金融の引締めと呼びます。反対に、景気が悪い時には世の中に出回るお金の量を増やして景気を良くしようとします。これを金融の緩和と呼びます。

具体的には、金融を引き締める時には銀行に国債を売って代金を受け取りますし、金融を緩和する時は銀行の持っている国債を日銀が買って代金を支払います。こうした取引のことを公開市場操作と呼びます。昔は、金融政策というと、公定歩合を上げたり下げたりする事だったのですが、最近では公開市場操作が金融政策の中心となっています。なお、公定歩合というのは、日銀が銀行に貸出をする際の金利のことです。

バブルが崩壊して景気が悪くなった時、日銀は金融を緩和しました。つまり、銀行から国債を買って、代金を支払ったのです。これにより、銀行は豊富な資金を手にしました。どこの銀行も豊富な資金を持っているので、銀行同士でお金の貸し借りをする際の金利が下がりました。高い金利を支払ってまで他の銀行からお金を借りたいという銀行が無くなったからです。銀行同士で貸し借りする時の金利の事を市場金利と呼びます。

市場金利が下がると、銀行が企業などに貸出をする際の金利も下がります。そこで、企業などが借金をして工場などを建ててくれると日銀は期待していました。しかし、そうした効果はあまり大きくありませんでした。景気が悪く、現在の工場でさえも充分には稼働していないという会社が多かったので、金利が低いからと言って借金をして工場を建てようという会社は少なかったのです。借りたくないという会社に無理にお金を借りさせる事は出来ませんから、景気が悪い時に金融緩和で景気を良くするのは難しい事なのです。

そこで日銀は、金融緩和を更に続けて、更に世の中にお金を出しました。銀行同士で貸し借りをする時の市場金利がゼロになりましたが、それでもお金を出し続けました。金利がゼロになってしまった以上、それ以上お金を出しても金利は下がりませんから、ほとんど効果は上がりませんでした。

しかし、2012年秋に衆議院の解散が決まり、アベノミクスが始まると、不思議な事が起こりました。日銀が今までより遥かに大きい金額のお金を世の中に流通させるというニュースが出た時に、「これでドルと株の値段が上がる」と考えた人が大勢いたのです。そう考えた人々がドルと株を買ったので、ドルと株が値上がりしました。ドルと株が値上がりすることは日本の景気にプラスですから、景気が回復したのです。どうしてドルと株が値上がりすると思った人がいたのか、よくわかりませんが、とにかくそうした人々のおかげで景気が良くなったのですから、結果オーライ、メデタイことです。

バブルが崩壊してから日本経済は不振が続いていて、日銀の金融政策も金融緩和ばかりですが、それ以前には金融の引き締めも行なわれていました。バブルが崩壊したのは、バブルを潰すために日銀が金融を引き締めた事が直接の原因でしたし、それ以前にも石油ショック後の狂乱物価を鎮めるために厳しい金融引締めが行なわれたり、何度も引締めは行なわれました。

今後についても、景気が本格的に回復してインフレが心配されるような事があれば、日銀は金融を引き締める事になります。もっとも、それは何年も先の事だと思われます。景気がよほど回復して、人手不足が深刻になり、賃金が大幅に上がるようになって始めてインフレが心配になるのでしょうが、それまでには大分長い時間がかかるはずだからです。

日銀には、金融システムを安定させる、という仕事もあります。これは、大手金融機関が次々とつぶれるような事を避ける、という事です。そのためには、日銀は普段から銀行などの経営が健全であるかどうかをチェックしたりしていますし、万が一の時は現金輸送車で資金不足に陥った金融機関に駆けつけたりします。これを日銀の特別融資、あるいは日銀特融と呼びます。これにより日銀は、「最後の貸し手」である、と言われているのです。

まとめ:日銀は紙幣の発行や金融政策などを行なっています。金融政策とは、世の中に出回るお金の量を増やしたり減らしたりして、景気をコントロールしたりすることです。金融システムを安定させる事も日銀の大切な仕事の一つです。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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