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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 黄金時代が来る (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

黄金時代が来る

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/02/20


前回は、少子高齢化が困った事だという御話をしました。これは世の中の多数説です。今回は、私が唱えている少数説を御紹介します。少子高齢化で素晴らしい時代が来る、というものです。私は以前から、今度景気が回復したら、日本経済の黄金時代が来る、と言って来たのですが、賛同してくれた人は殆どいません。したがって、今日の放送も、聞いている方は「そんなにうまく行くハズが無い」と思うでしょう。でも、万が一でもそういう可能性があるのだ、という事は、覚えておいていただきたいと思います。

まず、バブル崩壊後の日本経済の、20年以上続いた不振について思いだしてみましょう。景気が悪く、失業者が多く、賃金は上がりませんでした。これは、労働者の数が、必要とされる数よりも多かった事が原因でした。そう考えると、高齢化によって働く人の数が減っていく事は、困った事ではない、という事がわかります。

多くの人が定年を迎えると、あるいは高齢を理由に引退すると、働く人の数は減ります。しかし、物を買う人の数は減りませんから、日本経済が必要とする労働者の数も減りません。そうなると、今まで余っていた労働力が足りなくなってきます。失業者がいなくなるのです。

失業者ではなくても、世の中には仕事探しをあきらめている女性や高齢者が大勢います。労働力が足りなくなってくると、そうした人々も仕事を探し、働くようになります。また、労働力の需要と供給の関係が変わることによって、労働力の値段である賃金が上がって来ます。ワーキング・プアと呼ばれる人々も、マトモな給料がもらえるようになるでしょう。つまり、働く意欲と能力のある人は、みんな活き活きと働くようになるのです。これは素晴らしい事です。ブラック企業といわれる所も無くなるでしょう。今は、仕事が見つからない人が仕方なくブラック企業で働いている場合も多いでしょうが、これからは誰でもマトモな仕事を見つける事が出来るようになるからです。

日本経済の効率化も進むでしょう。人手が足りなければ、企業は機械化を進めるでしょうから、生産の効率は良くなります。また、高い給料が払えないような効率の悪い企業は撤退し、人々は高い給料を払える効率の良い企業で働くようになるでしょう。これも、日本経済全体としての効率を高めることになるはずです。

高齢化が進むと、財政赤字が増える、と言われていますが、これも疑問です。まず、失業者がいなくなると、失業対策や景気対策が要らなくなります。今回の消費税率の引き上げに際しても、景気が腰折れしないように巨額の景気対策が行なわれましたが、今後はこうした事がなくなっていくのです。

それ以上に大事なことは、増税がやりやすくなるという事です。今は、政府が増税をしようとすると、「景気が悪くなって失業が増えるから増税すべきでない」という人が多いので、なかなか増税できないのですが、将来はそうした事がなくなります。

リーマン・ショックのような事が起きれば別ですが、そうでなければ、今後10年か20年は日本経済の黄金時代が続くかもしれません。インフレでもなく、デフレでも不況でもなく、意欲と能力を持った人々が活き活きと働く世の中です。

その後は、本格的に労働力が不足して来ますので、インフレが心配な時代になります。それでも、それほど酷い世の中にはならないと思います。インフレが心配だという事は、物が足りないという事です。これを逆から言うと、物の量に比べて需要が多すぎるという事です。それならば、増税して人々の財布を薄くしてしまえばよいのです。本格的な人手不足の時代になると、増税はインフレ対策と財政再建の一石二鳥という事になるのです。

もちろん、増税は誰でも嫌ですが、いつまでも財政赤字を続けるわけにもいきませんから、いつかは増税する必要があるのです。そのタイミングとしていつが望ましいか、という事です。今は、増税すると景気が悪くなるから、増税は望ましく無いが、30年後は増税するとインフレを防げるので増税は望ましい、という事であれば、これはある意味素晴らしいことです。

世代間の不公平についても、世の中で言われているほど大きな問題ではありません。高齢者は、現役世代よりも遥かに多くの貯金を持っていますし家も持っています。彼等は、長生きした時に貯金を使い果たしてしまうのが嫌なので、倹約しています。そして、多くの貯金と家を残して他界するので、そうした財産は次の世代に相続されるのです。「数多くの高齢者が受け取る年金を数少ない現役世代が払っているのは世代間不公平だ」というのは事実ですが、遺産まで考えると、それほどの不公平とは言えないようです。もっとも、遺産を受け取れる人と受け取れない人の世代内不公平の問題はあるので、それをどうするか、というのは難しい問題ですが、それは少子高齢化とは直接関係のない話でしょう。

まとめ: 少子高齢化で労働力が不足すると、日本が永年悩んで来た失業問題が無くなります。仕事探しを諦めていた女性や高齢者なども仕事に就けるようになります。非正規労働者の待遇も改善します。将来はインフレに悩むのでしょうが、そうなるまでの日本経済は素晴らしいかもしれません。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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