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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 少子高齢化 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

少子高齢化

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

14/02/19


日本の高齢者は長生きです。日本の平均寿命は世界1を争っています。しかも、素晴らしいことに、日本の高齢者は元気です。諸外国の高齢者と比べると、介護などが必要な人の比率が低いのです。これは、とても素晴らしいことです。

一方、日本では数十年にわたって少子化が続いていますから、現役世代の人数が減り始めています。1人の女性が一生の間に産む子供の数が二人を大きく下回っていますし、何よりも母親になる年齢の女性が毎年減っていきますから、これからも少子化は簡単には止まらないでしょう。子供の数が減り続けていることから、今後も、新しく現役世代になる人はしばらく減り続けます。仮に少子化が止まって子供が大勢生まれたとしても、その子たちが現役世代になるまでは、長い時間がかかります。少なくともそれまでの間、新しく現役世代になっていくのは今の少ない人数の子供たちなのです。

今後は、高齢者の数がどんどん増えて行くわけではありませんが、現役世代の数が減って行くので、現役と比べた高齢者の比率はどんどん上昇していきます。2060年には、人口の4割が65歳以上になると予測されているのです。

こうした状況が少子高齢化と呼ばれているわけですが、これによって様々な問題が生じます。年金の赤字、財政の赤字、世代間の不公平、労働力の不足、国力の衰退などです。

高齢者が増えると、年金を受け取る人が増えます。高齢者が増えるのと同じくらい現役世代の人数が増えてくれれば、彼等が年金を支払ってくれるので、問題は無いのですが、現役世代はむしろ減って行くので、年金を支払う原資が不足するのです。

年金の制度が出来た頃は、高齢者の数が現役に比べて遥かに少なかったので、現役世代が高齢者を支える仕組みがうまく機能していたのですが、状況が大きく変わってしまったわけです。そのため、年金が破産しないように様々な努力がなされています。現役の支払う年金保険料を増やしたり、高齢者の受け取る年金を減らしたり、年金を受け取れる年齢を引き上げたり、ということです。

財政の赤字は、すでに深刻ですが、少子高齢化によって更に事態が悪化するかもしれません。高齢者は、所得が少ないので税金をあまり払いません。一方で高齢者は一人当たりの医療費がどうしても高くなりがちです。
また、財政は年金の一部を負担しているので、年金の支払い額が増えると財政の支出も増えることになります。
こうした事から、政府は消費税率を引き上げるなどして、財政赤字を減らそうと努力していますが、高齢者の増加による歳出の増加に追いついていくのは大変な事です。

こうした年金や財政の問題は、世代間の格差の問題だと言われています。今の高齢者がお金を使って、その分を政府が借金して、それを返済するのが将来の世代だから、不公平だ、というわけです。
そこで、年金の給付額を減らそうといった話が出て来るわけですが、高齢者は人数が多く、選挙の投票率も高いので、政治家としては高齢者に厳しい政策を打ち出す事は難しく、年金の減額もようやく少しずつ始まったところだ、というわけです。

高齢者の比率が上がっていくという事は、現役世代の比率が下がっていきますから、労働力が不足してきます。極端な事を言えば、現役世代の人々は介護に忙しくて製造業で働ける人が残っていない、といった事になるわけです。そうなると、物が足りなくなり、物価が上がるかもしれません。外国から輸入することもできますが、それにも限度があります。外貨を使い果たしてしまえば、それも出来なくなるからです。

バブルが崩壊してから20年以上も経済が低迷していて、労働力が不足する事などなかったので、なかなかイメージ出来ないかもしれませんが、将来はそういう時代が来るのです。そうなった時には大量の移民を受け入れるとか、様々な事が議論されるのでしょう。もっとも、そうなれば女性や高齢者がもっと働くようになるでしょうし、様々な工夫もなされるでしょうから、本当に困るのは10年も20年も先の事です。今は日本人の失業者を減らす事に集中すべきであって、移民を受け入れるといった話は労働力が足りなくなってから議論すれば充分でしょう。

少子高齢化の次にくるのは、国力の衰退です。人口が減って来ると、1人あたりのGDPは減らなくても、日本のGDPは減って来ます。これについては、1人あたりのGDPが減らなければ日本人の生活水準は落ちないのだから構わない、という考え方もありますが、経済規模が縮小していくと、国際政治の面で日本の発言力が減って来ますし、日本企業にとっても国内で商売をする事が難しくなってきますので、やはり困った事だという考え方もあります。経済規模が縮小しないように外国から移民を入れよう、といった考え方もありますが、そこまでして経済規模を保つ必要は無いように思われます。

まとめ: 高齢者が元気で長生きをしている事は好ましいのですが、一方で少子化が続いている事もあり、高齢化が急激に進んでいます。その結果、財政赤字や労働力不足などの問題が懸念されています。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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