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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの経営の原点十二か条(①事業の目的、意義を明確にすること) (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの経営の原点十二か条(①事業の目的、意義を明確にすること)

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

14/02/04


(1) はじめに
前回は京セラ「経営の原点12ヵ条」のイントロダクションとして、「成功の方程式」についてお話しました。
簡単に復習をしますと、成功には考え方と情熱と能力が重要であり、しかもそれが掛け算となっているということです。
【成功の方程式】  成功=考え方×情熱×能力
この中で最も重要なのは考え方です。なぜならば、非常に情熱と能力がある人が、もし誤った方向の考え方であれば、社会に大変な害を与えることとなるからです。考え方にはマイナスからプラスまであるので、ポジティブで社会貢献的な考え方で、できるだけ広い視野で考えるとみんなの幸せに繋がります。いくら情熱と能力があっても、ベクトルの向きで結果が全く違ってくるのです。したがって考え方が非常に重要であり、情熱と能力がぴったり合うと成功に結びつくし、人生が幸せになります。
そこで、今日は具体的な経営の原点12ヵ条の中の第1条についてお話します。

(2)第1条 事業の目的や意義を明確にすること
経営の原点12ヵ条のまず第1は、「事業の目的や意義を明確にすること」です。つまり、「会社や事業を何の為に行うのか、この会社の存在意義は何かないし事業を行う究極目的は何か」という根本問題です。これは経営理念や経営哲学など経営者の一番基本的な考え方に係わってくるので、非常に重要です。
【経営の原点12ヵ条】
第1条 事業の目的、意義を明確にすること
この事業目的等の考え方も、前述の成功の方程式における考え方と同じです。すなわち、出来るだけポジティブに、高く広い考え方をし、従業員の信頼と尊敬が得られるようなものとすることが必要です。例えば、経営者が自分自身や自分の家族の為だけに経営をやっているとすれば、そこで働いている従業員は、その考え方に付いていけないと思うでしょう。したがって、できるだけ私利私欲から離れ、従業員が納得するような利他的で社会貢献をするような大義名分のある事業目的や意義を明確に社員に示すことが非常に重要です。

(3)従業員の物心両面の幸福の追求
京セラでは、経営理念として、①全従業員の物心両面の幸福を追求すること、同時に②人類社会の進歩発展に貢献することを掲げています。このような、会社が掲げる理念次第で、従業員の協力態度が大きく変わってきます。京セラは独自な方法ですが、従業員を非常に重視しています。普通なら従業員ではなく、欧米流に株主や顧客が第一であるという企業の経営理念を掲げているところも少なくありませんが、ここでは従業員です。というのは、経営者(会社)が従業員をよく護り、物心ともに幸福にすることによって初めて、従業員はモチベーションが高くなり、会社のためももちろんですが、顧客のために良く働くようになります。したがって経営者(会社)は従業員のため、従業員は顧客のためにということで、間接的に企業は顧客を大事にすることになります。利益の源泉は顧客なので、利益を上げるためには、顧客を重視することが非常に重要です。しかしながら顧客重視のみで従業員をおろそかにすると、従業員は、自分たちは大事にされていないと思うので、共感もせず、モチベーションが上がらず、会社の考え方に付いてきません。したがって、成功している企業は従業員を非常に大事にし、従業員の長期的で全面的なやる気・士気・モチベーションを最大限に向上させています。従業員がやる気になったところで顧客の方を見ていくのがベストでしょう。この点は欧米的な考え方とは全く違います。欧米的には、従業員の取扱いは、他の商品やサービスと同様に、市場メカニズムで決定するという考え方を取っているところが一般的です。この場合、経費削減し、利益を多くするために、従業員が不要になれば、他の商品・サービスと同様に、簡単にレイオフしてしまいます。そこでは、市場メカニズムを通してできるだけ安く有能な人を活用しようという考え方です。日本は、そうではなく、従業員は一番重要な経営資源であり、単なる商品・サービスと同様に、マーケットメカニズムで処理せず、血の通った同じ人間として従業員を大事にしながら、従業員の持っているモチベーションと能力を最大限に引き出そうと考えています。このように、会社で具体的に働いている経営者と従業員が同じベクトルに向かって努力するためには、従業員を会社の実質的な身体と考え、それを大事にすること(「従業員身体論」)が大変重要であると考えます。

(4) 公明正大、大義名分の高い目的の掲記
このような観点から、①従業員を大事にしたうえで、かつ②大衆的な基礎があり、かつ従業員の共感を呼ぶ利他的で出来るだけ公明正大、大義名分の高い社会貢献を目指す目的を事業の目的として従業員等に示し、従業員の長期的で全面的な協力を得ることが重要だと考えます。この公明正大で大義名分のある事業目的は、成功するための最も基礎的なものであり、かつ経営戦略等の基礎となるものです。前述の経営理念は、この考え方を示したものです。

(5) まとめ
今日のまとめは、経営の原点12ヶ条の第1条として、まず事業の目的や意義を明らかにすることです。その場合できるだけ従業員を大切にしながら、同時に利己ではなく、利他で公明正大で大義名分の高い社会貢献に結びつく目的を掲げることが非常に重要です。

〔参考〕曹岫雲『稲盛和夫の「成功の方程式」』サンマーク文庫

分野: コーポレートガバナンス 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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