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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 国家安全保障会議と特定秘密保護法 (企業財務 M&A/村藤功)

国家安全保障会議と特定秘密保護法

村藤功 企業財務 M&A

14/02/12


今日は、国家安全保障会議と特定秘密保護法についてお話します。

昨年から今年にかけて、国家安全保障会議設置関連法案と特定秘密保護法が成立しました。特定秘密保護法は、野党による反対が強く、与党が強行採決で通したものです。

特定秘密保護法は、防衛外交やスパイ活動、テロ防止に関するものを特定秘密として保護し、国家安全保障会議で検討することを目的としています。ここで問題となるのが、テロの定義です。「政治上その他の主義主張に基づき国家もしくは他人にこれを強要し、または社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、または重要な施設その他のものを破壊するための活動」をテロと呼ぶと書かれてあります。この文章の後半にある、「人を殺傷し」たり、「重要な施設その他のものを破壊」したりすることについては、多くの人が許せないと思うでしょう。しかし前半部分、すなわち、「政治上その他の主義主張に基づき国家もしくは他人にこれを強要し」の箇所に関しては、その解釈に余地が残っている点が問題です。個々人の主義に基づいて、それを国家に強要するためのデモ活動もまた、テロとして括られ得るのです。今でも日本のいろいろなところでデモが起こっていますが、それらがすべてテロと判断され、実行者が牢屋にぶち込まれるという話になりかねません。憲法で守られていた表現の自由やデモの自由が、どこかへ行ってしまうのです。

私たちが通常考えるようなテロだけを取り締まるのでしたらまったく構いませんし、防衛や外交のために国家安全保障会議をつくるのもよいでしょう。しかし、上記のように現在の条文に対しては、デモを取り締まるための戦前の治安維持法のようなものにしようとしているのではないかという疑惑をもたざるを得ません。今年の秋くらいから秘密指定をするという話ですので、どういうものがその対象となるのか、注視したいところです。

これまで既に、特定秘密をどのくらいの期間指定するのか、誰が秘密指定を行うのか、特定秘密指定の妥当性を誰か監視するのか、といった諸点については、議論が行われてきています。保全監視委員会や情報保全監査室といった官僚から成る監視機関の設置が検討されていますが、外部の第三者によるものでないと意味がないように思います。また、国会の中にも情報委員会を設けようという議論も出てきていますが、未だ決定には至っていません。

そもそも特定秘密保護法は、昨年の年末に設立が決まった国家安全保障会議のためのものです。これまでは、防衛が防衛庁に、外交が外務省によってそれぞれ別々に行われていました。これでは、外務省と防衛庁の意見が異なっていた場合に、総理大臣が右往左往することとなります。そこで、政府として外交や防衛についての統一見解を作りましょう、という話がでてきました。こうして、国家安全保障会議において総理大臣や外務大臣、防衛大臣、官房長官の四人が、月に二回くらいずつ会議を行い、防衛や外交について話し合うことになったわけです。

ちょっと心配なのが国家安全保障会議で、中国を仮想敵とみなして、国家安全保障戦略や防衛大綱、中期防衛力整備計画を練り始めたことです。アメリカやヨーロッパは中国が大国化すると考えていますし、世界はアメリカと中国の二大国が牛耳る方向へ向かっています。そうした中で安倍総理は、日本が中国と仲良くするのではなく、中国の包囲網を作り、いざとなったらアメリカの影に隠れて、アメリカに中国と戦争してもらおうと考えているように見えます。さらに防衛大綱や中期防衛力整備計画においては、尖閣あたりを防衛するための水陸両用車やオスプレイ、イージス艦、潜水艦、戦闘機などの軍備をそろえ始めました。

尖閣を巡って日本と中国の間で戦争が起こったとしても、尖閣のためにアメリカが中国と戦争をしてくれることはありえないと思います。昔からアメリカは、アメリカにとって重要な事柄ではない限り、他の国の戦争に関与することは回避してきました。アメリカが尖閣を巡って中国と戦争する可能性は極めて低いと思います。

私には安倍さんが、尖閣において一生懸命戦闘準備を整えているようにしか見えません。そもそも、中国を包囲するように周辺国を取り込んでいるようですが、安倍さんは一体何をしようとしているのでしょうか。

今日のお話をまとめます。国家安全保障会議法案や特定秘密保護法が成立しました。防衛外交のために秘密を保護するのは結構なことですが、テロの定義が少しばかり怪しくみえるのが不安です。国家安全保障会議を作って国家戦略を練り始めましたが、中国を敵視し、アメリカに中国と戦ってもらおうという発想は、大変に間違ったものです。大国化する中国に対して、日本が戦いを挑むことは本当にやめていただきたいと思います。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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