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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 英国における異文化13 列を作る (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

英国における異文化13 列を作る

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

14/02/14

今日は「イギリスにおける異文化シリーズ」ということで、「列を作る」というタイトルでお話したいと思います。

皆さんは「列を作る」ことが好きではないと思います。多くの日本人がそうだと思いますが、「列を作る」ことが苦手で、待つことも苦手ですよね。特に、レジの前に5人くらい待っている人がいると、真っ青な顔をして皆さんイライラし始めると思います。あるいは、皆さんなるべく空いているレジを探し、右へ行ったり左へ行ったりするのではないでしょうか。
一方、イギリスでは人が列を作ってイライラするという光景をあまり目にしません。イギリスでは、皆が列は作るのです。そして、列を作るのですが「早くしろよな」という具合に後ろから前に並んでいる人を睨みつけるというような場面がほとんど無いのです。
つまり、「並んで当たり前」という部分があり、そこが日本と違う点だと思います。順番なので、前の人が優先で、後ろの人が待つのは当たり前と言えば当たり前なのですが、その辺をイギリスの方々はよく分かっていらっしゃるというか、逆に言えば、諦めているという所もあるのではないかなという気がします。

まず始めに、英語らしい話から入るのですが、アメリカでは列のことは"line"と言います。恐らくアメリカ英語で勉強している日本人の皆さんは、列のことをみな"line"だと思っていると思うのですが、イギリスでは"queue"(キュー)と言います。
イギリスに行って最初にこれを目にしたのは、高速道路の脇にある道路標識でした。そこには"queue likely"と書いてあるわけですが、「この先渋滞があるかもしれない」ということを意味します。初めてこの標識を見た時は、「何のことだろう?」と思いました。後ほど色々と勉強をして、「あぁそうか、車が並んで詰まり、列を作るため"queue"なんだ。」ということに気が付きました。

先ほど申し上げましたように、列を作っている光景をイギリスではよく目にするのですが、皆さん静かに待っているというところがあります。これは様々な所で言えることで、先ほど述べたレジでもそうですが、他にも日本でよくある場面で、列車やバスが遅れたりして「一体どうなっているんだ。」と言って、皆さんイライラする場面があるかと思います。それもイギリスではほとんど目にしません。列車が乱れることはよくあるのですが、私は怒鳴っているお客さんを見たことがありません。
皆さん淡々と待つだけ待ち、代行の列車やバスが来るなりいそいそと乗っていくという感じで、皆さんきっと「しょうがない」と思ってらっしゃるのだと思います。
イギリスの方は「気が長い」と思われるかもしれませんが、それはそうでもありません。例えば、サッカーの試合に行っていると、「とてもこの人たち気が長いと思えない」ということがありまして、すぐカッカする人たちも多いわけです。その辺の矛盾が面白い部分でもあるのですが、場面によって違うということなのでしょうね。「皆が同じ条件なのだから仕方ないだろう」という様な所では皆さんよく待ちます。色々な所でこのような話をしているので、もし初めての話ではなかった場合、申し訳ないです。

実際私も一度、水族館で列を作ったことがあります。その時は。閉館30分前に入り、最後の30分間を楽しもうとしていました。しかし、入館の際に目の前にいた人がクレジットカードのトラブル中でなかなか入館することができませんでした。私の後ろにも一人か二人待っていたのですが、日本であれば、普通私を含めて後ろに待っている一人か二人を先に通し、トラブルになった人を後からゆっくり対処するものですよね。しかしその時は、15分程ずっと待たされ、先頭の人のクレジットカードトラブルが済んでから後ろの人たちを通していきました。そこは非常に頑なでした。これがイギリスにおける全ての場面で押し並べて言えることかは分かりませんが、このエピソードからして「順番は順番」という所を厳しくしている部分があると思います。公共の場でも厳しいところがあり、交通ルール等もそうなのですが、私が自転車のレーンと人が歩くレーンを間違えて歩いていたら「ここは自転車用だー」と言っておじさんが怒鳴ってきたこともありました。そういう事を向こうの方は比較的言ってくるのです。ある意味良いなと思うのですが、「クレジットカードの処理で待ちたくはないな」という気がします。

他に待つ場所と言えば、スーパーのレジ以外にも駅の出札窓口があります。あそこもよく延々と並びます。例えば地下鉄の一日券やカードのチャージで並ぶ人も多いのですが、駅でよくあるのは、その日に乗る人用窓口と明日以降の予約に来た人用窓口といった形で通常別々の窓口になっている駅において、それを知らずに間違えて並んでしまうということです。延々と30分待たされ、「ようやく切符購入だ」と思ったら、係員に「隣へ行け」と言われることがあります。こういうことは、一度経験すると覚えるものなのですが、日本人の方が間違った所に並んでいると「いつ気が付くかなぁ」と思いながら、後ろで見ているのが楽しかったりします。これからは教えてあげることにします。ちなみに私は鉄道ファンなので、そのような間違いはしたことがありません。一応そういった場所には" immediate travel"や"booking"といった表示がもちろんあるのですが、分かりにくいため間違える人がいるのだと思います。

列と言えば、その「並び方」も様々です。例えば、トイレで個室が5つあると1つずつ並ぶのが日本式で、欧米では一列に並んで空いたところにスタスタ分かれていくというような風潮があります。日本でも最近はそのような形になっていますが、最初にそれを見た時は衝撃でした。イギリスでは、構造的に5つ窓口があっても全部で一列にしか並べない様に出来ているスーパーも多いです。そのため、店員さんが「ここが空いている、こっちに来い。」というような形でやっています。日本でも、時々そういうことを見ますが、あれは真似すると良いと思います。日本では並んでいたら、横の列で後から来た人の方が先に済んでしまったということがあって、私もよく「ちきしょう」と思ってしまうことがあります。合理的なものを、或いは公平なことをきちんとしようということなのだろうなと思いました。

それでは今日のまとめです。イギリスでは待つのは当然であり、それはそこに理屈がしっかりとあるからです。また郷に入っては郷に従えということで、待つ方式は様々あり、それに従って待ちましょうということです。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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