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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 生鮮品物流:コールド・チェーン (国際経営、国際物流/星野裕志)

生鮮品物流:コールド・チェーン

星野裕志 国際経営、国際物流

14/01/27

 クール宅急便のように、温度管理が必要な商品を送ることは今や当たり前のことですが、品質や鮮度を保ちながら最終的な目的地に届けるのは、非常に高度な物流システムがあってこそ可能になるといえます。
 これは「コールド・チェーン(cold chain)」と呼ばれるシステムで、産地から消費者のもとまで、適切な温度の状態を保ったまま流通させる仕組みです。野菜、肉類、魚介類、乳製品や加工食品などの食料品、少し変わったところでは医薬品、電子部品などの一定の温度に維持する必要があるものを切れ目なく繋いでいくことになります。生産地から始まって物流倉庫、加工工場、流通センター、最寄りの配送センターを経て、顧客に届けるまで、季節や時間帯を問わず同じ温度を維持することは、簡単なことではありません。
 皆さんは、セブンレブンの名前の由来をご存知ですか。コンビニが24時間営業であることは今や当然と思われているかもしれませんが、もともとアメリカのサウスランド社という企業から、イトーヨーカ堂がこのコンセプトを導入した際に、アメリカでの営業時間が朝7時から夜11時までだったことが始まりで、日本でも一部の店舗はそうでした。セブンイレブンが日本で最初のコンビニエンスストアストアとして登場したのは1974年ですが、当時一店舗あたりの配送回数は一日70回位だったようです。7時から11時までの16時間の間に、70回ですからいかに頻繁に配送されていたかということになります。10数分に1回位の割合です。それが今では一日8回前後ですむようになったのは、コールド・チェーンの確立と共同配送によるものです。
 具体的に、コンビニエンスストアの商品を例にとって説明します。コンビニエンスストアの多くでは、主に4つの温度帯で配送を行っています。最も冷たいのは、マイナス20度の冷凍状態で運ばれるアイスクリーム、冷凍食品や氷があります。次に摂氏5度に維持されるのは、乳製品、お惣菜、サンドイッチなどの調理パンなどです。次が20度前後で輸送されるのは、お弁当やおにぎりやパンで、まさにお昼時や夜間に欠品をしないように、一日3回程度配送されます。最後が常温で運ばれる文房具や雑貨やカップ麺などは、ある程度の需要が予測できることから1日1回週7便程度の配送になります。このように多くのサプライヤーが同じ温度帯に属する商品を一旦配送センターに納入してまとめた上で、一台のトラックに積んでデリバリーする画期的なシステムを構築することに成功したので、配送回数が一日あたり70回から8回になったということになります。
 このようなコールド・チェーンを構成する要素を見ていくと、海外から輸入する食材などは、冷凍から冷蔵まで適切な温度設定が可能な冷凍コンテナと呼ばれる特別なコンテナが使用されます。これらの商品を管理する物流倉庫は、当然冷蔵・冷蔵倉庫が利用されますし、輸送はすべて商品に応じて温度管理されています。どこかにミスがあれば、品質や鮮度の劣化で売り物になりません。
 バナナの適温は13度前後なのですが、今は温度管理をされた専用船で、フィリピンや中南米の産地から輸入されています。このような専用船がない時代には、一年を通じて輸入することは不可能でした。門司というとバナナの叩き売りで有名ですが、あれは台湾から運んできたバナナが熟れすぎて商品価値がなくなってしまうので、目的地の関西の消費地に輸送する前に、門司で下ろして安く販売したことの名残です。コールド・チェーンがない時代の話です。今日のまとめですが、海外や国内を産地とする生鮮食品などが、温度管理された状態で輸送されることは、今や当然として受けとめられていますが、コールド・チェーンと呼ばれる温度管理の高度な輸送システムの確立で可能になり、その恩恵を受けていると言えます。

分野: 国際ロジスティクス |スピーカー: 星野裕志

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