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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 消費増税と法人減税 (企業財務 M&A/村藤功)

消費増税と法人減税

村藤功 企業財務 M&A

14/01/06

今日は、消費税と法人税のお話をします。
皆さんご存知のように、今年の4月から、消費税を5%から8%へ上げる決断を安倍総理が下しました。来年の10月には、さらに10%に上げる予定です。安倍総理は、経済状況を見ながらその時その時で判断すると話しているので、この引き上げが実現するのかどうかはわかりません。問題は、経済があまりよくない中で消費税を増税すると景気が悪くなる心配があるので、同時に、法人税を下げようという話になっている点です。

たとえば現状、自動車を購入する際には、自動車取得税5%と消費税5%を購入者が支払っています。これについては、二重課税なのではないかという声が聞かれます。そこで、消費税を8%に引き上げる際に、自動車取得税を2%にし、消費税を10%にした時には、自動車取得税を0にする、という話が出てきています。しかし今は、エコカー減税を導入した結果、そもそもの自動車取得税が下がっている状態ですので、これ以上引き下げることはできません。したがって、エコカー減税対象車については、消費税導入前に購入した方がよいと言われています。

法人税について言えば、国際レベルで見れば、日本の法人実効税率はアメリカに次いで高い状態です。アメリカでは、昨年の7月に連邦法人税を35%から28%に引き下げようという話が出てきました。これを受けて日本でも、法人税の引き下げを検討し始めました。

日本の法人税は、国の税金と地方の税金の両方を含みます。さらに地方の税金の中には、法人事業税と法人住民税の2つがあります。法人事業税は、従業員数や売上高に応じてかかる外形標準課税で、たとえ赤字であったとしても取られてしまいます。外形標準課税は既に多くのOECD諸国では廃止されており、日本でもその継続の是非について議論が生じています。しかし総務省はこれまで、この法人事業税を地方法人特別税として取り立てて後、譲与税という名前で貧しい地方へ配るという、税金再配分のようなことをやってきました。総務省は外形標準課税である地方法人事業税がなくすことも認めていませんが地方法人住民税も国が取り上げて地方交付税として地方自治体に配ると言い始めています。

こうなると、法人税を引き下げた分の原資をどこから取るのかということが問題となります。そのひとつの方法として、既に、2014年度末までの予定であった復興特別法人税を1年前倒しにして、2013年度末に徴収するとしました。しかしその税率は、たかだか2.37%にすぎません。これでは焼け石に水で、法人税を引き下げた分には全然足りないのです。

日本政府のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は、2010年段階でものすごい赤字となっています。2015年度までに赤字を半分に減らし、2020年度までには黒字にするという国際公約を、日本は掲げています。現状では、消費税を5%程度上げたところで大して変わらず、赤字は今後も現在の40兆円から60兆円、80兆円に増えて行く見込みです。そうなると赤字国債を山のように発行して、我々の子孫が「日本国民に生まれて残念だったね」と言いながら、何の恩恵も受けないままにお金を返済させられることになります。また、政府にお金が入ってくると、どうしてもばら撒きたい人が出てきます。こうした状況下にあっては、政府の財政がOKとなることは、まったくありえません。

今日のお話をまとめます。
消費税を引き上げることで景気が腰折れしないように、日本政府は法人実効税率の引き下げや、賃上げに対する減税、設備投資に対する減税を、合わせて検討しています。しかしそもそも、消費税を増税しても焼け石に水です。国際公約である政府財政再建は、一層不可能な状況になりつつあります。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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