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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > トヨタとホンダのCMにみる双方の市場への打ち出し方の違い① (マーケティング/出頭則行)

トヨタとホンダのCMにみる双方の市場への打ち出し方の違い①

出頭則行 マーケティング

14/01/22

「トヨタとホンダのCMにみる双方の市場への打ち出し方の違い」という題で今回と次回お話をしたいと思います。両者相当違うので、その違いが生ずる所以、背景といったものをお話したいと思っています。

ところで、みなさんはトヨタ「プリウス」のCMキャラクターは誰が出ているか分かりますか。プリウスは、この番組を収録している時点では、確か「堺正人さん」ですね。また、「カローラ」の場合は「木村拓哉さん」が出ています。「カローラ」も「プリウス」もトヨタの戦略車ですが、一方、ホンダの戦略車は、現在「FIT」だと思います。では「FIT」のCMでは誰かタレントを使っているでしょうか。「FIT」はパッと思い出さないのではないでしょうか。ではホンダの車で誰かタレントが起用されている記憶はございますか。すぐに名前が出てこない方が多いと思いますが、それは正しいです。ホンダは基本的に、キャラクターといいますか、タレントをCMでほとんど使いません。
ホンダのCMでは、クルマを打ち出していくにあたりタレントを起用しておらず、基本的に気持ちの良い音楽が流れていて、その音楽を背にクルマが気持ちよく走っているという作りになっていることが多いのです。つまり車に焦点を当て、いかに車の走りを見せるかという点に重きを置いています。どんなクルマのコマーシャルも大体走りを見せているので、いかに走らせるか、そこにどのくらいユニークさを出すかというのが勝負になってきます。そのため、ホンダも含めて他社は色々なことをやっています。例えば、クルマを鏡の前で走らせてみたり、飛行場で飛行機の前で走らせてみたりと、インプレッシブに走りをみせるという事に腐心しているのです。これはクルマの広告の王道です。CMの中でクルマが気持ちよく走っているのは、BMWもベンツ等もそうだと言えます。

一方、トヨタは堺正人さんを使ったプリウスや、木村拓哉さんを使ったカローラのCMから分かるように、CMの中でクルマはあまり走っていません。今放送されているプリウスのCMを例にすると、ガスステーションにやる気のない女子社員がいて、そこに堺さんの車が入っていき、「追われているんだ。早くガソリンを入れてくれ。」と言います。それに対して社員が「お客さん、あまり減っていませんよ。」と言い、ゆるゆると出ていきます。追走しているクルマも同じように「早くガソリンを入れてくれ。」と言いますが、同様に社員が「あまり減っていませんよ。」と言います。これがプリウスの広告なのです。プリウスはCMの中で気持ちよく走っているわけではありません。また、その他のトヨタのクルマ、例えば「AQUA」も、世界遺産となった富士山の前で静止しているCMです。つまり、トヨタのクルマはコマーシャルルの中であまり走らないのですね。
これは全車種を通じて言えるのですが、トヨタのクルマはコマーシャルの中であまり走りません。多分意図的に走りを見せず、キャラクターを使います。一方、ホンダのクルマは気持ちよく走る、いい音楽が流れているというところがあり、これも全てに通じています。その違いがどこから来ているのかというのが今回と次回の話なのです。

ところで、現時点の日本のクルマ市場について少しお話します。毎月新車販売台数のトップ10というのが発表されているのですが、4月~9月の6ヶ月分でいうと、トップ10の中に軽を除いてトヨタ車が5車入っています。ホンダが3車です。そして日産が2車なのですね。このことから、日本の車の市場は、トヨタ、ホンダ、日産の力が強いということが言えるのですが、日産はこのところあまりヒット車が出ておらず、現時点ではマーケット自体は2強という感じになっています。トヨタが圧倒的で、ホンダがそれを追いかけているという形です。これに軽を入れると、もっとトヨタ車が強くなります。なぜなら、ダイハツはトヨタの子会社であり、軽に特化しているからです。このように、トヨタがリーダーでホンダがチャレンジャーというようなマーケットになっており、今お話したように両者は広告の作りがずいぶん違っています。

リーダーであるトヨタは、どちらかというとクルマの走りよりもキャラクターを登場させています。トヨタの広告は販売促進的であったり、公共性・社会性があったりします。「プリウス」はそもそもエコカーなので、社会性そのものみたいに売りだしていますが、AQUAの時は、「塗り絵プロジェクト」をやっており、「父と子供がAQUAでAQUAの塗り絵をする」といったキャンペーンでした。これは親と子供のコミュニケーションということで公共性がありますし、ディーラープロモーションにも使えるわけです。トヨタでは一度、加藤清史郎くんを使った「こども店長」と呼ばれるキャンペーンを行っています。

一方、ホンダの方はクルマそのものを打ち出しています。これをよく「プロダクトヒーロー路線」と呼びます。プロダクトそのものを売るのであって、人物によって車のイメージを束縛させないという考えもあると思います。この続きは次回お話します。

今日のまとめです。現在2強のトヨタとホンダ、そのCMには違いがあります。次回はそこをもっと掘り下げてお話したいと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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