QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 英国における異文化12 駐車場 (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

英国における異文化12 駐車場

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

14/01/03

今日は「英国における異文化」シリーズの続きで、「駐車場」に関する話をさせて頂きます。
車をとめる場所、英語では"parking space"や"parking lot"等と言いますが、イギリスに行っていると「駐車場に対する考え方が合理的だな。」と思う部分がいくつかあります。そのような「日本と違うな」という点を今日はご紹介したいと思います。

まず始めに、イギリス全体で必ずそうだと言える訳ではないと思いますが一つご紹介したいと思います。以前、スコットランドへドライブに出向いた際、ある有名な観光地に行きました。そのとき週末だったのですが、そこの駐車場が無料だったのです。しかも、普段は有料と書いてあるのですよ。そこは市役所かどこかの駐車場で、普段地元の人が利用する際はお金を払うのですが、週末は無料で開放されていました。通常、逆のようなイメージがあると思います。日本において、例えば天神の駐車場であれば、週末の方が高くなりますよね。このように、週末無料になる理由を地元の人に聞いてみました。すると、「週末は他所からここへお金を落としに観光客の人が来てくれるでしょう。おもてなしです。」と言うのです。私は「何て素敵な文化なんだ。」と思いました。実際、嬉しくなり、その駐車場に長時間車をとめさせてもらったのですが、日本の観光地でこのような扱いをしている場所は聞いたことがありません。日本人も「おもてなしの心」というのは世界的に有名ではありますが、ここは少し盲点なのかなという気がしました。

もう一つ、「郊外の駐車場」というのがあります。イギリスには有名な観光地がありますが、観光客は郊外の大きな駐車場に車をとめ、内部への観光はその駐車場から無料のシャトルバスで移動するというケースが多いです。要は「中心部に車を駐車するのはなるべく遠慮してください」ということなのですが、中には、物理的に中心部に入れないようにしているところもあります。例えばバーがあって、路線バス等しか入れないといった場所が所々にあったりするわけです。イギリスという国は昔から家が建っており、それらが何百年も持つような家ですから、昔建てた区画のままであり、中心部は道が狭いといった実情がある所もあると思います。しかし、かなり広い道路が走っているような都市でも、郊外に車をとめて観光地に行くよう徹底している所が非常に多いです。私がよく行くケンブリッジでもそうですし、観光地であり、非常に道路の広いヨークもそのようになっており、色々な所でそれが見られます。そこでありがたいのが、駐車場から出ているほとんどのシャトルバスが「無料」である点です。これも「おもてなし」の一種だと思いますが、これが面倒なようでいて、かなり合理的です。つまり、内部に車で行くことができるとなれば、そこでは必ず渋滞が起きますよね。一方、車を郊外に止め、そこから5分~10分おきに出ているシャトルバスでさっと都心に入ればわずかな時間で済むので、かえって楽じゃないかなと思います。しかも、中心部に車を入れてしまうとそれに対応するだけの駐車場を中心部に作らなければなりません。実際それは無理ですし、もしできたとしても非常に高い駐車料金を取らないと採算がとれなくなります。これらを踏まえて、「中心部に車を入れない」というのはすごく合理的だなと思いました。福岡では、中心部の中でも、本当の中心まで車が入りますので、便利といえば便利ですが、例えばお歳暮のシーズン等は混雑して大変ですよね。皆さん経験があるか分かりませんが、そこから出るのが大変で、一日仕事になってしまいます。こういった時、公共交通機関のありがたさを感じます。

また、駐車に関して「路上駐車」が認められるケースがいくつかあります。まず「一般の家庭」です。先ほど申し上げたように、イギリスには昔からの家が建っており、大昔に建てられたため道路が狭く、しかも家に駐車スペースがないのです。これは無理もなく、それらの家ができた何百年も前に「車」なんてものを家にとめるなんてことは無かったでしょうから。そこで、仕方が無いですから「路上駐車」するのですが、いわゆる「歩道」の部分に乗り上げる等、結構危ない車のとめ方をするのです。原則、そのような所は駐車禁止なのですが、地元の人だけは特別な許可書をもらい、「駐車OK」というところが多いのです。日本でも地元の人だけは駐車して良いという所が無くはないですが、あまりそういったことが原則ではないですよね。向こうは原則として、"local residents"つまり地元の人はOKとなっています。
しかしこのような「路上駐車」をすると、両側に車が止まってしまい、すれ違いができなくなってしまうところが多くなるため大変です。しかし、そういった「ごみごみ」としたところを見ていると、「やはりここはアメリカではなく、イギリスだな。」と思い、何か日本が懐かしくなったりします。向こうは小さな車に乗っている人も多く、アメリカと違いでかでかとしたキャデラックに乗ってゴージャスに移動という感じではありませんので、割と「車に対する考え方、駐車に対する考え方」が日本と似ているという気がしています。

路上駐車がOKとなるもう一つのケースは、「繁華街の商店前」です。そこはどうしてOKかと言うと、「お客さまが集まるのだから、車がとめられないと不便だよね。」という発想があるからです。しかも繁華街ですから、車はスピードを落とすので安全だと考えられています。これが郊外であれば、かえって車のスピードを上げているため、たとえ周りに民家や商店がなくても「こんなところに車をとめられたら危ない。」となります。これは日本と全く逆であり、日本は周りに何もないと駐車して良いですが、周りに色々な物があったり、歩行者がいたりすると、とめては駄目です。この点が全く逆であるということが面白いという話ですね。

今日のまとめです。イギリスは駐車場の考え方が合理的です。つまり、利用者にとって有利にものを考えている所が見られるというお話をしました。そして、都心に車を乗り入れないという点が徹底されているのが羨ましいなと思ったという話でまとめたいと思います。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ