QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本企業の海外進出(海外子会社の経営)③ (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

日本企業の海外進出(海外子会社の経営)③

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/12/25

前回は、日本企業が海外子会社を経営する場合に、英語を積極的に用いないことでデメリットが生じる、というお話をしました。それでは具体的に、こうした問題にどのように対応して行けばいいのでしょうか。

結局のところ、英語の問題と経営幹部の問題は、表裏一体の関係にあります。前回も申し上げましたが、日系の海外現地法人の中で、日本人の取締役の比率は八割を占めています。これに対して欧州では、現地人の取締役の比率が五割となっているのです。アメリカ企業に至っては、アメリカ人が社長や幹部に就いている企業は三割程度しかありません。現地に根付いて現地の顧客をたくさん掴み、売上げを伸ばすためには、現地の価値観や慣習に合わせた販売促進と営業活動を行う必要があります。同業他社やライバル企業に勝つためには、現地の優秀な人材をどんどん採用し、活躍してもらわなければなりません。つまり、日本の本社とのコミュニケーションを十分に取りつつ、海外子会社の幹部に現地人が就任して行くことが重要となるのです。そのためには、現地の幹部と日本の本社の幹部が自由に意思の疎通をできる必要があります。現地の幹部が日本語を理解するようになるか、本社の幹部が現地語あるいは英語を理解するようになるか、どちらかにならないといけません。

世界的に見ると、日本語を話せる人口は、英語を話せる人口と比べても圧倒的に少ないのです。日本語話者の中にも優秀な人はいるでしょうが、絶対数からみると多いとは言えません。それを日本企業が取り合っているわけですから、優秀な人材の確保は難しいです。本当の意味での国際化を進めるためには、日本語に重きを置いて現地の人に日本語を求めるよりはむしろ、日本企業が本社も含めて英語能力を高めて行く必要があるでしょう。

現状、現地のことは現地の子会社に任せています、私どもはよく知りません、という企業が多くあります。しかし、本当の意味で現地化を進めるためには、本社から金銭的、人的な支援を行うことで、いろいろなものを後押しする必要があります。また、英語圏の思考方法を理解できる人たちを、本社内において増やして行かねばなりません。さらには、現地子会社の社長が東京本社の役員を兼ね、役員会においても英語を用いるというかたちをとらないと、優秀な現地人も集まりません。結局、コミュニケーション能力を高めることが非常に重要であるということです。

そうした点を意識し始めている日本企業は増えていますが、欧米企業と比べるとまだまだです。現地人幹部の比率を高めるのはあくまで手段であって、現地のニーズを十分に感知して、現地人に活躍してもらい、現地の顧客を掴んで行く、そしてそれによって売上げ高を増やして行くことが、最終的な目的です。このようにするためには、優秀な人材を確保しやすい仕組みを作って行かなければなりません。一方で、日本企業がこれまで培ってきた日本の強みを活かしながら、現地人も活躍できるような、両方の良さを生かすハイブリッド型経営を作り上げて行く。アメリカ企業でもヨーロッパ企業でもない、日本企業独特のハイブリッド型の国際経営を作って行く必要があると、私は考えます。

今日のお話をまとめます。
日本企業が本格的に海外で成功して行くためには、現地の優秀な人材を獲得し、幹部として活躍してもらう必要があります。日本の本社自身が現地の事情をよく理解して、それを促進する仕組み(本社の国際化)を作るところに、日本企業の海外進出の成功の鍵があります。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ