QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本企業の海外進出(海外子会社の経営)① (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

日本企業の海外進出(海外子会社の経営)①

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/12/23

今回から数回にわたって、日本企業の海外子会社の経営についてお話します。

今回は、海外で製品の生産や販売を行う場合に、日本企業が従業員をどのようなかたちで採用して、どのように海外子会社を経営しているのかという点について、少し考えてみましょう。日本の海外子会社の経営のひとつの特徴は、日本人が中心となっている点です。とはいっても、最近のデータによれば、製造業の場合、海外の製造子会社の日本人比率は1.7%、販売子会社の日本人比率は3%程度です。百貨店などの非製造業の場合も3%程度、サービス企業の場合は6%となっています。このように、海外子会社の日本人比率はだいたい2~6%くらいであり、それほど高いとは言えません。

日本の海外子会社の経営層(トップ・マネジメント)の構成をみると、社長をはじめとした役員以上の重要ポストを日本人が占めているため、日本人の比率が高くなっています。もっとも、工場やオフィス、営業の第一線の管理者の現地化は、結構進んでいます。すなわち、課長などのミドル・マネジメントでは現地化が進んでいますが、経営幹部などのトップ・マネジメントでは、欧米企業に比べて現地化が進んでいないのです。ちなみにアメリカ企業の場合は、海外子会社のうちの2/3以上において、現地人が社長をしています。役員を含めれば、その比率はもっと高くなるでしょう。これに対して日本企業の海外子会社の場合、7割以上において社長をしているのが日本人なのです。したがって、日本の本社との意思伝達においては、日本語を用いることが多くあります。また、日本人間と外国人間とに分かれて、意思の疎通を行っているケースもみられます。

このような傾向においては、良い面も悪い面もみられます。たとえば製造子会社の工場では、日本人がその幹部や役員である場合、現地においても日本的な経営を行うことができるため、生産性が高くなります。また、作業者のモラルもどんどん上がって行くこともあって、現地の人からもプラスに評価されています。

ところが海外子会社のオフィス(本社)、製造業の研究開発センターや非製造業の販売会社、総合商社、旅行会社、小売業においては、日本人の幹部が多いと逆の評価が出てきます。欧米と比べると初任給が低い、昇進・昇給のテンポが遅い、重要なポストが日本人で占められている、日本語ができないと重要な意思決定に参加できない、などがその理由です。そのため、将来性や魅力がないと言われることがままあるのです。

今や日本企業は、ものを作るだけではなく、それをどのように現地で売って行くのかといった点にも気をつけて行かなければなりません。海外市場での成功の鍵のひとつは、現地の優秀な人材にどんどん来てもらい、彼らの実力を十二分に発揮させ、昇進させ、業績を上げて行くことです。現地の人が活躍するようにならないと、欧米の企業に打ち勝てないのではないでしょうか。

今日のお話をまとめます。
日本企業は、日本国内で人口が減っているため、これから本格的に海外で商売をして行くこととなります。そのためには現地の優秀な人材をどんどん幹部にして、業績を上げる方向へ進まなければなりません。しかし欧米と比べると、日本の海外子会社では幹部における現地人比率が依然として低いため、これからますます考えて行く必要があります。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ