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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 中国の金融引き締めと南アジア進出② (企業財務 M&A/村藤功)

中国の金融引き締めと南アジア進出②

村藤功 企業財務 M&A

13/12/13

前回に引き続き、中国についてお話します。
中国の最大の貿易相手はEUです。ヨーロッパ危機によって輸出が減速していることもあって、中国は国内の家計消費に頼らなければなりませんが、いまいち伸びていません。そうした中で、これまで大きな比重を占めていた政府の公共投資が息切れしてきている状況です。

中国の産業は、多方面に拡大しています。たとえばいまや、世界の鉄鋼の半分以上が中国で生産されています。国内には、海運やセメント工場が大量に建造されており、これらをある程度削減しないと生産物が余ってしまい、価格が下がるのではないかといわれています。すなわち、全体としては供給過剰気味なのです。

中国の発展が続くにつれて、国民の生活レベルが上がってきています。国民の給料が上がった結果、様々な工場がより人件費が安い東南アジアや東アジアへ移り出しました。しかしそれらの国の人びとは、製品を買ってくれることはありません。中国がようやく、日本企業の製品を買うマーケットになってきたので、工場を南アジアへ持っていった場合は、どうやって商品を中国市場まで持っていくのかという問題が出てきます。したがって、中国市場から撤退すると言っている日本企業は、今のところあまりありません。

中国の経済成長は少し落ちていますが、これは、北京や天津、上海あたりの環境対策に力を入れ始めた結果です。たとえば、PM2.5の濃度を、2017年までに北京などの大都市圏で15%ほど引き下げようとしています。また、石油商品の6割を輸入に頼っている中国は、ガソリンの販売価格を引き上げるなどの対策を取っています。

産業面では、ネット業界において大きな企業が出現してきました。テンセントやアリババ、バイドゥー(百度)が有名です。アリババはEコマースで、日本でいう楽天のようなものです。テンセントはQQというSNSを提供しています。中国ではFacebookが禁止されていることもあって、QQが友人間のやりとりで用いられています。また、GoogleやYahooも中国ではあまり盛んではなく、代わりに用いられているのがバイドゥーという検索サイトです。このように中国では、テンセントとアリババ、バイドゥーの三つが、ネット業界最強となっています。

また、三年半くらいまにできたばかりのシャオミ(小米)という会社も中国企業です。これは、中国のスマートフォンメーカーですが、三年半で売り上げが5,000億近くになりました。もはや中国のトップ10にも入りそうな勢いです。

そもそも産業革命以前までは、中国とインドで世界の半分を占めていました。その後、中国とインドを合わせても世界の10%にも達さなくなりましたが、近年になって再び復活しつつあります。外交面においても、今後アメリカと中国が冷戦状態になった日には、日本は非常に困ります。アメリカは、最近、外交策の軸足を中東からアジアへリバランスしつつあります。中国を意識しているわけです。一方で中国は、中南米諸国を訪問して国交を結んだり、支援したりしながら、アメリカのちかくでいろいろと行動をとっている状況です。日本は、アメリカと中国の戦いに巻き込まれることを、とにかく避けなければなりません。この二国が戦いをはじめたら、日本が真っ先に破綻します。両国を大事にしながら仲良くなっていかないことには、日本の存続はあり得ません。

今日のお話をまとめます。
中国の力が増してきた結果、中国とアメリカが世界の二強になりつつあります。以前のアメリカとロシアの冷戦はCold Warと呼ばれましたが、中国とアメリカの冷戦はCool Warと呼ばれます。中国とアメリカ間における安全保障についてのせめぎ合いの中で、いろいろな政治的、外交的な問題が生じつつあります。アジア諸国は、中国市場に参加したり中国人観光客を呼びせたりして、中国の変化に対応しているところです。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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