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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 京セラの心の経営 2 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

京セラの心の経営 2

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

13/12/11

今日は京セラの「心の経営」あるいは「心の経営システム」についてのお話の続きをしたいと思います。

1 はじめに
前回もお話しましたように、京セラの経営理念は、「従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」であり、企業が存続・発展するためには企業競争に打ち勝って利益追求することが必要です。そこで、京セラでは心の経営、つまり経営の中心に心を据えてそれを中心として経営システムを動かしことによって、従業員の物心両面の幸福の追求と効率的な経営の遂行の両立を目指しています。米国等の企業では従業員よりも顧客と利益の方が重要であるという感じがありますが、京セラでは、従業員がハッピーにならないと顧客もハッピーにできないし、企業や社会もハッピーにならないという考え方です。

2 心の経営システム
(1)企業のタイプ
企業のタイプを英米型と日本型というように大きく2つに分けると、英米型はマズローの欲求5段階説の「自己実現型」になります。自己実現型で追求しているものは、利益追求や株主価値・企業価値の最大化であり、利益や企業価値・株主価値を重視しています。ところが、我が国の心の経営は、どちらかというと自己実現ではなく「自己完成型」です。
【企業のタイプ】
① 西洋流:自己実現型企業
② 東洋流:自己完成型企業
自己完成は、昔から儒教や仏教などの関係で日本に伝統的にある、「徳を身に付ける」というイメージです。要するに、人間なら「人格」、「品格」というように、会社の品格を持っているつまり「社格」を持っていて、利益第一ではなく、自ら高い規範を持ち、社会に貢献しながら利益も出していくタイプの企業を想定しています。後者が、この心の経営で目指しているものです。

(2)人間行為と幸福
市場と企業の本来の理念、市場や企業あるいは経済学や経営学など、人類の行為すべてが本来人類の幸福のためにあるのです。会計学も経営学も文学も何でも、全て幸福の為にあります。それが、本来の基本的な理念です。したがって、人類全体が幸福になるような市場とか企業を目指すべきであると考えます。これは世界的にも共感を得られると思います。

(3)低い規範意識と社会への害(不祥事)
従って企業が堕落すると社会に害を及ぼします。例えば、企業の内部で経営者や従業員の心の弱さから企業内部の事情を最優先して不祥事を起こしたり、あるいは目先の利益だけを追ったりすることになります。そういうところを抑えていくことが非常に重要です。また、高い規範意識がなければ不祥事はなくなりません。例えば、三菱自動車のリコール隠し、ライブドアによる粉飾決算、村上ファンドの事件、みずほの暴力団への融資などは高い規範意識が無いということなのです。知識レベルとしては小学の高学年で十分ですが、それが意識や行動に結びついてないのです。したがって、単なる知識ではなくて高い規範意識を持ち、それが常日頃行動に移されていないと駄目なのです。それが非常に重要です。

(4)経営モデル
企業は、前述のように、本来人類全体の幸福の為にあるのですから、西洋流のシェアホルダー型の経営モデルに基づく単に株主の短期利益の追求ではなく、東洋流のステークホルダー型の経営モデルに基づく株主以外の従業員、顧客、取引先、政府、地域住民など全てのステークホルダーの利害関係者にも配慮して経営活動を行っていくことが重要であろうと考えられます。そして、その結果として企業が利益を上げ、長期の株主利益に一致することが最善と考えます。
【経営モデル】
① 西洋流:シェアホルダー型の経営モデル
② 東洋流:ステークホルダー型の経営モデル

(5)高い規範意識と効率性
さらに、企業が変わらなければ世界が変わらないので、単なる法律以上の高い規範を自ら設定して社会に調和して行動することが必要です。そこで一番重要なのは、高い行動規範と効率性の両立であり、それを可能にするのは、実際に仕事をしている従業員です。従業員が、高い規範意識を持ち、同時に持てる能力を、情熱を持って最大限に発揮していけば、自然に効率も利益も上がります。しかも自分たちの幸せの為にやっているのですから自主的にやるわけです。そうすると利益も出るし、自分たちも幸せになり、しかも社会にも貢献してできる、このような姿がベストであろうと考えられます。

3 まとめ
今日のまとめですが、高い規範意識と効率性を保ち、社会や環境にも目を向ける心の経営(システム)が多くの人に幸福をもたらすということです。

〔参考文献〕
青山敦[2012]『京セラ 稲盛和夫 心の経営システム』B&Tブック
稲盛和夫[2010]『アメーバ経営』日経ビジネス文庫

分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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