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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 英国における異文化11 ヴェジタリアン (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

英国における異文化11 ヴェジタリアン

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

13/12/19

今日は「英国における異文化」シリーズということで、「ベジタリアン」についてお話しようと思います。

珍しい話のように聞こえますが、現在イギリスに限らず、欧米諸国を中心にして「ベジタリアン」の方が増えています。それに対して日本では、「ベジタリアン」の方もいらっしゃるとは思うのですが、あまりそういう話は聞かない感じがします。その辺りの比較も含め、少しお話しようと思っています。

まず、イギリスにあるレストランの中でメニューを見ていると、「野菜のマーク」が付いているメニューがあり、最初は「これは何だろう?」と思っていました。これは「ベジタリアン向けのメニューである」という印であり、大抵のちゃんとしたレストランには、必ずといっていいほどこの印をつけている所が多いのですね。私が行ったお店は非常にカジュアルな所でしたけれども、後で聞いてみると、ちゃんとしたレストランだと自負しているお店は、必ずそのような「ベジタリアン」への配慮をしているということなんだそうです。メニューを見てみると、確かに材料が植物だけのメニューだという事が分かります。

それから興味を持ち、私の周りで「自分はベジタリアンだよ」とおっしゃる方に、「何故そのようにしているのか」「実際、食べ物はどのようにしているのか」というような事を尋ねる事が多くなり、その中で様々な事を知るようになりました。例えば「宗教上、これは食べることができない。」といった食べ物に関するルールは世界中にありますよね。ほかの欧米諸国でもそうだと思いますが、イギリスではもうすっかり市民権を得ているもので、それと同じ感覚で、理屈を言っても仕方が無いのでお互いにそれを尊重し合い、仲良くやっていくのが良いと私は思っています。そして、その「食べ物(ベジタリアン)に関する定義」は様々で、人によって「どこまで良い・悪い」というのが違っている点が面白いところなのです。
つまり、それぞれで決めていらっしゃるわけです。一番厳しい方は、とにかく動物性のものは駄目だと言います。それは恐らく、"殺す"ということをしたくないという思いから来ている事が多いと思うのですが、そうなってくると肉はもちろん駄目ですし、魚も駄目になるため、「植物性のものだけ」ということになるわけです。しかし欧米では既に、植物だけでも栄養が足り、かつおいしさ、分量、そしてバラエティの観点から満足できる様、様々な工夫をしたメニューがレストランで揃えられていることが多いです。あるいはスーパーマーケットに行っても、ベジタリアン用の色々なレシピが置いてあり、素材も工夫がしてあったりするのです。そうなってくると、「ベジタリアン」だということになっても、あまり苦労しなくてやっていけるわけです。人によって「ベジタリアン」の定義はさまざまだとさっき申し上げましたが、中には「魚までは食べて良い」と言う人もいるのです。これは一番緩いほうのタイプであり、その中間に、例えば卵の中でも無精卵までは食べて良いといった人がいるわけです。また、「調味料としてかかっている分には問題ない」というような人も中にはいます。つまり、動物性のものがメインの素材でなければ良いという人もいるのです。

一方、日本に「ベジタリアン」の方がやってくると結構大変なのです。私も以前、ベジタリアンの方の衣食住をお世話したことがあるのですが、その時は、スーパーマーケットに行っても本当に素材しかなく、それをどう料理して食べるかというのが大変でした。一番大変なのは、「動物性は完全に駄目」という方の場合ですね。調味料の中に入っていても駄目なため、うどんやそば、味噌汁に使用する「出汁」に関しても、動物性のものが入っていると駄目なのです。例えば、"いりこ"の出汁や"かつお"の出汁は使用できませんでした。そのため、「出汁は昆布だけ」という話になっていくわけです。このように、調味料まで駄目とおっしゃる方がいて、こういう方の場合は少し気を遣いました。日本の場合、レストランにて料理の中に動物性のものが入っているかどうか尋ねた際、その出汁の中に"いりこ"が入っているかまでは、お店側の意識の中に無いことが多いと思います。その辺りが、非常に気を遣う点でした。しかし、皆がそういった気遣いをすることが当たり前になってしまえば、恐らくそれは大変ではなくなっていくと思いますし、日本もそういった配慮ができるようにこれからなっていくと思っています。例えば、個人情報のことも最初は皆面倒だと思っていましたが、どの会社もそれをちゃんと扱うことが当たり前になってきていますし、それと同じことだと思うのです。その点で言えば、私は実を言うと高所恐怖症なのですが、「高所恐怖症の人がここ行くと危ないよ」ということを示すマークといったものが世の中にできないかなと思ったりもします。

そんな日本にこられた「ベジタリアン」の方が「これは良い」と見つけたのが、ファミリーレストランにある「サラダバー」です。サラダバーを1つ頼んでおくと、ちゃんとしたお店であれば、そこに豆が各種おいてあったりするのです。それを大量に取り、豆をとにかく沢山食べることで、「ベジタリアン」の方たちはタンパク質をとるわけです。「毎日豆だけで大変でしょう」と聞いたことがありますが、「それはファミレスに来る時だけで、他の時はちゃんと他にも食べているから心配するな。」とおっしゃっていました。しかし、サラダバーにおいても「ドレッシング」には気をつけなければいけません。ドレッシングに含まれる油が「植物性」ならいいのですが、「動物性」の油が入っていると"NG"という話になりますので、その点は非常に難しいですね。
ですから、そういった点を含めて、日本はこれから発展していくわけですが、イギリスではそういうところがとにかく色々と発展しています。私が夏に行くケンブリッジ大学では、晩餐会があった場合、その場で「私はベジタリアンです。」と言っても、既にベジタリアン用のメニューが横にいくつか用意してあり、料理がすぐに取り替えられるといった配慮までしているくらいなのです。

では今日のまとめです。「ベジタリアン」というものは、欧米では、市民権を得ているようなものだということです。日本ではそれに対してまだ市民権を得ていないため、これからそういった方々に配慮ができるように体制ができていくといいな、という思いが1つありますね。どうぞ皆さん、海外に行かれた際、そういったベジタリアンの用のメニューを食べてみられると、それがどのようなものかが分かると思いますので、ぜひおすすめしておきます。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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