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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 出来ごとの原因を考える (社会心理、組織心理 /藤村まこと)

出来ごとの原因を考える

藤村まこと 社会心理、組織心理

13/11/05


人間の行動や思考のパターンで、大変分かりやすくて馴染みがあるものに、原因をつい探してしまうという特徴があります。例えば、私達が日常生活の中で失敗をしたり、逆にうまくいったりしたとき、なぜうまくできなかったのだろう、どうしてこういう結果になったのだろうかと、ついつい原因を探してしまいます。これは、特に自分にとって大事なことだった場合、より積極的に原因を探す傾向があるようです。心理学では、このように原因を探す心理のことを「原因帰属」と呼んでいます。

■内的要因と外的要因の2分類
それでは、この原因帰属にはどのような特徴があるでしょうか。
人が原因としてみなす事柄は、大きく2つに分類することができます。1つは当事者自身に関することです。たとえば、失敗してしまったのは、努力が足りなかった、能力が足りなかった、気持ちが足りなかったなどで、個人要因、あるいは内的要因とも呼ばれています。自分自身の出来事だけでなく、ほかの誰かの出来事についても、同じことが言えます。もし友達が待ち合わせに遅れてきたら、時間を守れない人だ、適当に考えていたのではないか、とその人自身に原因があると考えてしまうことがあります。一方、私たちは、その人自身ではなく、その人を取り巻く環境に原因があると考えることがあります。それらの原因は、外的要因、もしくは環境要因や状況要因と呼ばれています。たとえば、友人の遅刻に対して、電車などの交通機関の遅れが原因かもしれない、来る途中で誰かに呼び止められて時間を取られてしまったかもしれないなど、当時者自身ではなく、その人を取り巻く環境や状況といった外的な要因を原因と見なすことです。このように人は、出来事の原因を考えるとき、出来事に関わった当事者自身に原因があると考えるか、もしくは、その当事者以外の何かに原因があると考える傾向があるようです。

■利己的な原因推測
そして、人は利己的な性質を持っているため、自分自身の失敗は自分自身に原因があるのではなく、環境や状況に原因があると考える傾向があるようです。一方で、自分が成功したときには、自分が頑張ったからというように、自分自身に原因があると考えがちです。このような自分にとって都合のよいように原因を探し帰属する傾向は、「利己的帰属」と呼ばれています。なんだか実に覚えのある話ですね。ただ、欧米での調査結果に比べると、日本ではこの利己的帰属があまり生じないとも言われています。つまり、失敗は自分に原因がある、うまくいったのは"皆さんのおかげ"というように外的に原因を帰属する傾向があるようです。

■自分の原因帰属のパターンを知る
利己的な帰属と、そうでない帰属、それぞれに一長一短があります。
例えば、利己的な帰属をした場合、成功は自分に帰属し、失敗は環境のせいにすることで、自分をポジティブに捉えることができます。そのため、自分の自信を高く維持することが可能になります。しかし、自分には非がないと捉えることは、自己改善ができなくなるという難点もあるかもしれません。一方、もう1つの利己的でない原因帰属の場合、失敗を自分のせいだと思ってしまうため、どうしてできなかったのだろう、どうやったらできるのだろうと、自己改善や成長が促されると予測されます。しかし、自分を責めすぎると、うつ的な症状を引き起こす可能性もあります。また、うまくいっても自分をほめることができないと、自信を持ちづらくなります。このように、それぞれのパターンには良いところと悪いところがあります。それを知った上で、自分のよく使うパターンも知り、ときと場合で調整することをおすすめします。

■原因を解決できるかどうか
また、原因を探すときには、その原因を変えることができるかどうか、統制できるかどうかも重要です。たとえば、内的要因(個人要因)の努力不足は変えることができますが、能力や才能の不足は、なかなか変えることができません。もし自分の失敗の原因が、解決できることであれば、再度挑戦してみようという気持ちにもなります。しかし、自分ではどうしようもないことが原因であれば、人は挑戦をしなくなります。これは、外的要因(環境要因)でも同じことがいえます。そのため、失敗や成功から学び、次に成長していくためには、ある程度コントロール可能な原因を探すこと、自分や環境を変えられると思えることが、重要なのかもしれません。出来事の原因は、1つだけではなく、複数存在しています。機会があれば、注意深く出来事の原因について観察をしてみてください。

分野: 心理 |スピーカー: 藤村まこと

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