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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > アジア中間層のサービス支出動向 (国際経営論、経営戦略論、アジア産業論/永池克明)

アジア中間層のサービス支出動向

永池克明 国際経営論、経営戦略論、アジア産業論

13/11/08

前回は、アジアで9億人ともいわれる中間層が生まれてきており、その人びとがこれからの消費の鍵を握っているというお話をしました。今回は、具体的にどういう風に鍵を握っているか、どういうニーズを持っているかという点についてお話します。

経済産業省が実施した、アジアにおけるライフスタイル意識に関するアンケート調査によれば、国内ブランドより海外ブランドが好き(アジア全体の65%が同意、以下同)、ファッション・美容/着るものにお金をかける(同77.5%)、多少高くても料理には良い材料を使う(同82.5%)、クルマにはこだわりがある(同62%)、という結果が出ました。アジアのすべての都市において、6割を超える人びとがこれらの嗜好を有しており、また、食に関しては8割を超える人びとがこだわりを有していたことが注目されます。

さらにアジア各国のサービス支出動向をみますと、中国では情報通信、タイやインドでは旅行、インドネシアでは教育が、サービス支出のうちで最も支出額の多い分野となっています。いずれの分野においも、2000年以降、一貫して支出が拡大しています。アジア・中国の中間層消費者の消費トレンドは、以前のような単純な価格志向から、より良いライフスタイルを求めるように変化しています。質を重視し、高付加価値の商品やサービスを求めるようになっています。これは、日本企業にとっては追い風です。韓国や台湾の企業は、既にそうした流れを掴んで、走り始めています。最近になって、ようやく多くの日本企業が業種の如何を問わず、アジア・中国市場の中間層をターゲットに、販売を飛躍的に拡大しようとしています。

2020年には、中国の消費額は5.57兆ドルと、日本を大きく上回ることが予想されています。その結果、2020年のアジア全体の個人消費額は16兆ドルに達し、これは日本の個人消費額の4.5倍に相当し、欧州を抜き、米国と並ぶことになります。したがって、日本企業、そして九州企業にとって、アジアの9億人もの中間層市場は、今後一番のターゲットです。あの手この手を使って、外食産業やコンビニ、スーパーマーケット、デパート、ファストファッション、アニメ、テレビドラマ、音楽、エンターテインメントなど、とにかく殆どの業種が日本からアジアへ打って出ています。最近は、日本の商社や宅配便産業のアジア進出や、現地資本との提携によるサプライチェーンの発展に伴い、デパートや小売業もどんどん出て行っています。九州でいえば、野菜や果実、加工食品といった生鮮食料品も、こうしたサプライチェーンによって、一晩で中国へ運べるようになりました。今後はメイドイン九州の生鮮食料品の輸出を頑張ることで、ビジネスチャンスがまだまだ広がって行くと思います。

日本国内では、人口が減り始めています。成長している市場がすぐ近くにありますので、きちんと戦略を立てて工業製品や農産品などを輸出・販売して行けば、日本経済も相当潤うのではないかと思います。また、九州には国立公園、火山や温泉、お城や長崎、天草の教会群などの歴史史跡も多くあります。7年後の東京オリンピックへ向けて、世界中の人々が九州へも外国の方に来てもらい、お金をどんどん使ってくれるようにしたらいいのではないでしょうか。

今日のお話をまとめます。
アジア各国都市部中間層のライフスタイルは、先進国のそれによく似てきています。なぜならば、高学歴で、質のいい仕事に就いているような人びとが夫婦で稼いでおり、また、彼らが単なる低価格志向から、高価格、高品質志向へ向かっているからです。同時に、海外旅行熱も高まっています。こうした傾向は今後もずっと続くと考えられますから、東京オリンピックの開催の頃には、アジア全体の個人消費量は日本の4~5倍に達するでしょう。こうしたチャンスを活かさない手はありませんので、これから戦略をきちんと練って、がっしりとニーズを取り込んで行きましょう。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 永池克明

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