QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 2種類のバブル (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

2種類のバブル

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

13/11/11

バブルというのは、株価などが経済の実体などと比べて説明がつかないほど高くなる事を言います。そんな事は珍しい事だと思っている方も多いでしょうが、実はそうではありません。

日本では昭和の終りから平成の始めにかけて、土地と株の値段が大幅に上昇するバブルがありましたが、前回お話したように、世界を見渡すと、同じような事が頻繁に起きているのです。

バブルには、二種類あります。一つは、人々が株価などが高すぎる事を知っていながら、もっと値上がりするだろうと考えて買う場合です。株価がもっと値上がりすると考える理由は、「他の人が買うから」という事ですから、私はこれを「他力本願型バブル」と呼んでいます。

株価が高すぎる事を知りながら買うのですから、これは投機(あるいはバクチ)と言って良いでしょう。しかし、バクチ好きな人だけが買うわけではありません。隣の奥さんが株で儲けた話などを毎日のように耳にするようになると、普通の主婦やサラリーマンがバクチに手を出すようになるのです。これは不思議な現象ですが、ここから先は心理学の話なので、私としては、陶酔的熱狂という言葉を紹介するだけにしておきましょう。

バブルはいつかは崩壊して株価などが暴落しますから、後から考えると、どうしてあんな高値で買った人がいるのだろう、と思うわけですが、その時には、「皆が株を争って買っているので、明日は今日より値上がりしているだろう」、と皆が信じてしまうのです。

今ひとつは、人々がバブルだと気付かずに株などを買う場合です。たとえば日本のバブルの時には、日本経済は素晴らしいから、日本の土地や株が高いのは当たり前だ、と考えていた人が多かったのです。今までの値段が経済の実力に比べて低すぎたのだ、というわけです。

この場合には、人々が間違えているのは、株価を考える材料として経済の素晴らしさを過大評価しすぎているのです。そこで私はこれを、「惚れ込み型バブル」と呼んでいます。惚れ込み型バブルの場合には、人々は投機をしているという意識はありません。バブルというと、人々が投機に狂っているというイメージがありますので、そうではないという意味では、惚れ込み型バブルは「広義のバブル」、すなわち広い意味のバブル、と言った方が良いかもしれません。

もちろん、株などを買う人の中には、様々な考えの人がいるわけですから、他力本願型と惚れ込み型との中間的なバブルもあります。また、バブルの末期になると「さすがに株価は上がりすぎたようだが、まだ上がるだろう」と考える人が増えていくかも知れません。そうなると、バブルの性格が惚れ込み型から他力本願型に少しずつ変化して行くのです。

さて、最近のバブルは、基本的に惚れ込み型だと考えて良いでしょう。他力本願型バブルは、人々がバブルだと知りながら投機を行なっているわけですから、政府が潰しにかかるでしょう。したがって、早い段階で押さえ込まれて、それほど大きくはならないのです。昔の政府は、必ずしもバブルを押さえ込まなかったので、他力本願型バブルもしばしば見られましたが、最近はそうではないのです。

惚れ込み型バブルは、扱いが面倒です。まず、人々がバブルである事に気づかないので、知らない間にバブルに踊ってしまう可能性があります。バクチ嫌いな堅実な人も結果としてバブルに踊ってしまう事があるのです。たとえば、バブルの時には住宅の値段が高騰しましたから、急いで買わないと一生家が買えなくなると思って、住宅ローンを借りて家を買った人が大勢いました。

政府や日銀も、なかなかバブル潰しに動きません。政府や日銀もバブルである事に気づかないからです。バブル真っ盛りの経済白書などを読んでも、バブルであるというよりも日本経済の実力を背景として地価や株価が高騰している、という認識が読み取れるのです。

更に問題なのは、仮に政府が「バブルかも知れない」と思っても、バブルを潰しにかかる事は難しい、ということです。惚れ込み型バブルの最中は、人々がハッピーなので、政府のバブル潰しは猛烈な反対に遭うはずです。政府としては、現状がバブルであって、バブルを潰さないと将来大変な事になる、という事を説明して人々を説得しなければいけないのですが、それは非常に難しいことです。

日本のバブルの時には、最後は政府と日銀がバブルを潰したのですが、「地価や株価が経済の実体と比べて高すぎるからバブルだ」という理由ではなく、「普通のサラリーマンが家が買えないのは問題だ」という理由でした。こうして考えると、惚れ込み型バブルはこれからも起きるでしょうし、起きた時には面倒なことになりそうですね。

まとめ: バブルには、二種類あります。一つは、人々が株価などが高すぎると思いながらも、更に上がるだろうと考えて買う場合で、今ひとつは、人々が株価などが高すぎると思わずに買う場合です。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ