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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > バブルの歴史 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

バブルの歴史

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

13/11/04

バブルとは、株や土地の値段が経済の実体から到底説明できないほど高くなる事です。そんな事が頻繁に起きるとは考えにくいので、バブルは特殊な事だと思っている方も多いでしょう。しかし実際には、バブルは頻繁に発生しているのです。

古くは17世紀に、オランダでチューリップの球根の値段が信じられないほど高くなりました。当時のオランダは経済が発展し、人々は経済の先行きに自信を持っていました。これは、バブルの起きやすい状況です。そうした時に、珍しいチューリップの球根が高値で取引されるようになったため、更に値上がるだろうと考えた人々が争って買うようになり、バブルになったのです。人々は値段が高すぎる事を知っていたのですが、「明日は今日よりも値上がりしているだろう」と信じて球根を買い続けたのです。当然ですが、しまいにバブルは破裂し、球根の値段は暴落しました。

18世紀には、フランスでミシシッピ・バブルが発生しました。ミシシッピ会社という会社が設立され、新大陸におけるフランスの支配地域で通商の権利と開発の権利が与えられました。新大陸で金を掘るという事で、この会社の株式は大変人気があり、値上がりして行きました。そうなると株の買い注文が増えます。同社は高値で新株を発行し、手取金で国債を購入しました。当時のフランスでは、財政赤字が深刻でしたから、同社が国債を購入する事で政府は大変喜び、同社に様々な特権を与えました。それにより同社の株は一層人気が出ました。同社に国債を売った人は、その代金で同社の新株を引き受けたので、資金はグルグルと忙しく回っていたのです。同社が新株発行により得た資金を国債購入に使ってしまい、新大陸の開発があまり進んでいなかった事を考えると、同社の株価は会社の実体からは説明出来ないほど高くなっていたのです。当然ですが、ここでもしまいにバブルは崩壊しました。

ミシシッピ・バブルとほぼ同じ頃、イギリスで南海泡沫事件が起きました。南海会社という会社の株式について、ミシシッピ・バブルとよく似たバブルが起き、崩壊したのです。その際、南海会社に便乗しようとしてうさん臭い会社が次々と設立されました。それらは、泡のように多数設立されたので、泡沫会社と呼ばれたのです。バブルという言葉の起源です。

20世紀にはいると、アメリカの経済が大いに発展します。フォードの大量生産方式が幅広い産業に広まり、アメリカ経済全体の効率化が一気に進みました。人々の暮らしは飛躍的に豊かになり、イギリスを抜いて世界最大の工業国となり、永遠の繁栄が約束されていると人々は信じていました。こうした時に金融が緩和されたので、バブルが起きたのです。1920年代の後半です。結局バブルは29年の大暴落で幕を閉じ、世界恐慌の引き金となりました。

日本では、1980年代後半にバブルが発生しました。当時は日本経済が絶頂期にあり、アメリカよりも優れている、世界一だ、と多くの人々が考えるようになっていたのです。今考えると思い上がりも甚だしいのですが、当時はアメリカ人も日本に抜かれる事を本気で心配していたのですから、仕方ありません。
そうした中で、日本人は「世界一の国の土地や株が高いのは当然だ。今までが安すぎたのだ」と考えて積極的に買いました。結果としては上がり過ぎましたが、少なくとも途中段階までは、人々はバブルだと思っていなかったでしょう。バブルだと思っていたら、株の短期売買を行なう事はあっても、住宅ローンを借りて自宅を買う人はいない筈だからです。

1990年代後半には、アメリカでITバブルが発生します。ITとは直訳すれば情報技術ですが、コンピューターやインターネットなどの事です。ITは夢の技術だという事で、IT関係の株価が驚くほど値上がりしたのです。
仮にITが夢の技術であったとしても、その恩恵を受けるのはITを使う人であって、IT企業がそれほど儲かるわけではない、という事を考えれば、明らかに行き過ぎだった訳ですが、バブルの最中には、そうした冷静な分析はあまり聞かれませんでした。

ITバブルが崩壊した数年後に、おなじアメリカで今度は住宅バブルが発生しました。ITバブルに懲りた人と住宅バブルに踊った人が別であったのは確かですが、同じ国で数年を置いて再びバブルが発生した事自体、バブルがいかに繰り返しやすいかを物語っています。

話が複雑なので省略しますが、この住宅バブルの崩壊でリーマン・ショックが起きました。つまり住宅バブルが世界中を大混乱に陥れたのです。

このように、バブルは繰り返します。バブルに懲りた人が引退して、バブルを知らない人々が新しいバブルに踊る、というわけではないのです。そのメカニズムについては、後日お話しましょう。

まとめ:バブルは、古くは17世紀オランダのチューリップ狂にはじまり、南海泡沫事件、ミシシッピバブル、大恐慌の源のバブル、日本のバブル、米国ITバブル、住宅バブルなど、頻繁に発生しています。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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