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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 技術商業化の「教育モデル」(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

技術商業化の「教育モデル」(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

13/10/29

従来、大学の技術商業化には、(a)研究者モデル、(b)TLO(技術移転オフィス)モデル、(c)リエゾンオフィス・モデル、(d)インキュベーターモデル、があると言われてきました。
(a)研究者モデルは、研究者自らが情報発信し、商業化のパートナーを自分で見つけてくるというものです。最も原始的ですが、研究者がそのために割ける時間が限られており、研究者の"営業力"にはバラツキも大きいため、良いパートナーが見つかるかは偶然に依存していました。
(b) TLO(技術移転オフィス)モデルは、研究者に成り代わってTLOのスタッフが特許などを適切にマネジメントしながら、企業を探索して技術移転を行うというものです。研究者の時間不足や"営業力"不足をTLOスタッフが補うことができますが、実はこのTLOもスタッフ数が十分ではない点がボトルネックです。
(c)リエゾンオフィス・モデルは、共同研究などを斡旋・管理する大学のスタッフがパートナー企業を斡旋するモデルですが、TLOモデルと同様にスタッフ数に限りがあります。
(d)インキュベーターモデルは、大学内の施設(インキュベーター)に入居したベンチャー企業や研究プロジェクトを、専任のインキュベーション・マネジャーが支援しながら商業化を促すモデルです。TLOモデルやリエゾンモデルよりも踏み込んで商業化確率の高い支援を行える点が特徴ですが、そもそもインキュベーション施設に入居できるベンチャー企業やプロジェクトがそれほど多くありません。つまり、一人のインキュベーション・マネジャーが面倒をみれる案件数には限りがあるのです。

「教育モデル」は、上記のモデルの限界を越えて商業化の促進に寄与できる可能性があります。このモデルの優位点は下記のとおりです。
(1)上記モデルに共通する人的資源不足の解消
   上記いずれもモデルも、研究者の空き時間やスタッフ数に依存しますが、「教育モデル」では学生が研修を受けな   がら研究プロジェクトの評価を行うため、対象となる件数は学生の数に応じて増やすことができます。
(2)"教育の場"という特性を活かしたオープンで偏りのない評価
   技術評価について、早い段階で特定企業が評価をすることに一定のメリットはあります。しかし、当該企業は自社   事業と関連のある領域のみを評価する傾向が強いため、研究成果の幅広い社会普及の"芽"を早々と摘んでしまう   可能性も否定できません。一方で、「教育モデル」では、利害関係のない多様な学生(ビジネス・スクールの社会   人学生や理系の大学院学生)が集まって中立客観に評価を行うため、より幅広に技術商業化の可能性を探索・評価   できる可能性があります。
(3)標準的な技術商業化スキルを有する人材の増加
   大学では標準的な人材育成を行うので、特定の企業に特有の偏った評価方法ではなく、技術商業化の標準的手法を   普及できる可能性があります。特に日本では、ビジネス・スクールが欧米ほど発達せず、各企業による独自の人材   育成と事業評価手法が発達してきた傾向が強いのです。これにたいして、「教育モデル」を通じて標準的な手法を   習得した人材を増やせる可能性があります。
(4)技術商業化の促進
   演習に取り組むチームは、商業化戦略や最初の投入市場に関する推奨案など、発明者やTLOの役に立つ情報を提供   することができ、それをきっかけに商業化が促進される可能性があります。また、ビジネスプランコンテストなど   への応募を通じて商業化計画をブラッシュアップし、実際の会社設立に結びつく場合もあります。

つまり、「教育モデル」では技術商業化の"セミプロ人材"の育成を通じて、様々な効果をもたらしうるのです。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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