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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 日本からの農産品輸出の動き① (産業政策、通信政策、通信経済学/実積寿也)

日本からの農産品輸出の動き①

実積寿也 産業政策、通信政策、通信経済学

13/10/14

ここ四回ほど、九州の国際化についてシリーズで放送しています。

国際的には、九州と同じサイズで、九州より遥かに国際化を進めている国が結構あります。この放送では、最初は台湾を例に挙げました。台湾は、九州と同じ面積、GDP、人口を有しているにも関わらず、九州の四倍から五倍の輸出をしています。前々回と前回には、オランダの国際化、主として農産物の輸出について紹介しました。オランダは九州と規模の点で同じですが、アメリカと肩を並べる世界第二位の農産物輸出国で、花や野菜を特に輸出しています。もちろんその背景には、隣国と地続きであったり、川を隔てているだけであったりという事情もありました。

今回は、日本農業の国際展開について、最近の動きを少し解説したいと思います。日本の農業は、これまで主に国内市場向けに行われてきました。輸出や海外展開については、まだほとんど手付かずと言っても過言ではありませんでした。しかし近年、TPP(環太平洋経済連携協定)への日本の交渉参加問題などをきっかけにして、農業に関する議論が高まっています。日本では農業に携わる人々が非常に高齢化しており、就業人口の60%以上が65歳以上となっています。したがって、TPP問題がなくとも、今後ますます衰退するのではないかと危惧する人々もたくさんいます。また、農協を中心に、TPPへの加盟に関して一貫して絶対反対を唱える人々もいます。

農産品には、関税などで守るべき部分と、海外へ積極的に売り込む攻めの戦略を取るべき部分の二つがあるように思います。今は、日本の農業についてもう少し冷静に考える、いいチャンスではないでしょうか。私自身は、米や乳製品、砂糖、小麦、牛肉などについては何らかの方法で守るべきだが、その他のものは海外へ積極的に輸出して外貨を稼ぐという攻めの戦略を推進すべきではないかと考えています。

日本経済新聞社は今年六月に、全国の主な農業法人を対象にある調査を実施しました。農業法人とは、株式会社や有限会社、農業組合法人など、法人のかたちで農業生産や販売を手がける組織のことです。最近では規制が非常に緩やかになり、一般の株式会社も一定の条件を満たせば農業へ参入し、農地を賃借できるようになっています。現在では千を超える法人が農業へ新しく参入しています。さて、この調査によれば、三割近くが農産物や加工品の輸出を検討中、あるいは今後検討したいと考えており、実施済みと合わせるとその割合は四割に達することがわかりました。

TPPに参加することとなれば、輸入品が増加するため、国内での売上が減少します。したがいまして、攻めるところは攻めて、経済成長が続くアジアや、オイルダラーによって外貨が余っている中近東へどんどん輸出し、外貨を稼ぎ、相殺して行くべきではないでしょうか。最近、コンビニやスーパー、外貨チェーンなどが農業へ参入し、自分たちが売る野菜や果実を自ら栽培し、国内外へ供給する動きが報道されています。農業分野に他の産業や人材が参入し、彼らが持っている自動車産業や電機産業などのノウハウや技術が農業へどんどん注入されていけば、前に例に出したオランダのように農業のイノベーションが起きるかもしれません。そうなれば国際競争力がついてくるので、農業を成長産業にするのも夢ではないと思います。

今日の話をまとめます。
日本の農業については、我が国も九州も、守るべき分野と、海外へビジネスチャンスを求める攻めの分野とに明確に分けて、農業を成長産業として位置付け、積極的に外向きの戦略を推進すべき時がいよいよ来たのではないでしょうか。

分野: アジアビジネス 国際経営 経営戦略 |スピーカー: 実積寿也

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