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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 知的財産権(3) 特許制度2 (技術経営、科学技術政策/永田晃也)

知的財産権(3) 特許制度2

永田晃也 技術経営、科学技術政策

13/10/21

 前回は特許制度が権利を保護する「発明」の定義や、特許要件についてお話しました。また、日本の特許制度は「先願主義」、つまり先に出願された発明に優先的に権利を付与する立場をとっているという特許手続きに触れました。
 今回は、この特許手続きについて、もう少し解説を加えてみたいと思います。

 特許出願された発明は、形式的な要件だけで権利を付与されるのではなく、特許要件に関する審査を受けた上で、要件を満たしていれば特許査定されることになります。このような手続きを課す制度的な立場を審査主義といい、今日では多くの国が審査主義をとっています。
 審査の結果、特許要件を満たしていないと判断されれば、拒絶査定を受けることになります。これを出願人が不服とする場合は、拒絶査定不服審判を請求することができます。

 出願された発明は、それだけで審査プロセスに入るわけではなく、出願人の審査請求が行われなければなりません。これは出願審査請求制度と呼ばれています。審査請求できる期間は、出願日から3年以内とされています。

 最近のデータによると、現在、我が国では審査請求が行われてから、特許庁のファースト・アクション、つまり何らかの通知がなされるまでに29ヶ月、2年半ほどかかっているようです。ところが、このうち審査請求が行われてから審査に入るまでの待ち時間が長くなっているため、我が国では、この待ち時間を短縮することが課題とされています。
 ただ一方で早期審査という制度があり、出願人が個人、中小企業、大学等である場合、発明を既に実施しているか実施を予定している場合、外国にも出願している場合などは、この制度の適用を受けることができます。早期審査では、審査に入るまでの待ち時間が2ヶ月程度に短縮されています。

 特許出願された発明の内容は、出願から1年6ヶ月が経過すると、審査段階の如何に関わらず「公開特許公報」に公開されることになります。これを出願公開制度と言っています。この制度は、特許審査に時間がかかるため、その間、類似の研究開発が重複して行われることを回避させるためのものです。

 さて、特許査定を受けた発明は、特許登録されることになりますが、審査官が誤って特許化されるべきでない発明、例えば既に特許化されている発明に抵触する内容を含むものなどを特許査定してしまうこともあります。そのような特許を無効にするための制度が、無効審判制度です。審判の結果、無効審決がくだされた場合、これを出願人が不服とするならば、審決取消訴訟を提起することになります。

 特許期間は、出願から20年間です。この期間は、登録料が支払われることによって、特許は存続します。
 ただし、医薬品、農薬などの特許は5年を限度として特許存続期間の延長が認められることがあります。これらの分野では、発明が特許化されても、薬事法等に基づく認可が得られるまでは製品化して販売することができないため、通常の特許期間では、研究開発費を十分に回収できないことがあるからです。

 もう一点、特許手続きに関する例外規程として、「新規性喪失の例外」という規程に触れておきたいと思います。
 前にもお話したように、公知になっている技術などは新規性が認められませんから、通常、発明者が発明の内容を自ら公表してしまえば、特許を受けることはできなくなります。しかし、この例外規程によれば、発明者が学会等に発表した発明の内容について、6ヶ月以内に所定の手続きをとれば、新規性を喪失しないという取り扱いがなされます。これをグレースピリオド、猶予期間と呼ぶことがあります。

分野: 知的財産 |スピーカー: 永田晃也

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