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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > QBS科目紹介 タックス・マネジメント (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

QBS科目紹介 タックス・マネジメント

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

13/09/19

(1) はじめに
今日は九州大学ビジネススクール(QBS)で行っているタックス・マネジメントの授業についてお話します。

(2) タックス・マネジメントの意義
タックス・マネジメントとは、企業において事業遂行上、税負担を合法的に最小限にするように上手に管理していくことです。これは、あくまでも現行の租税制度を前提として、その制度の枠内で税金を最小限にするものです。したがって、税金を不当に回避することを意味する脱税等を意味するものではありません。それゆえ、タックス・マネジメントというと節税という印象がありますが、授業ではあまり節税の話はしません。あくまでも、例えば、法人税法上の規定と租税特別措置法上の規定と比較して、後者の規定を適用した方が、税金が軽減されるというようなことを説明しております。このように、タックス・マネジメントのためには、現行の法人税法の規定を理解する必要があるので、まず租税の基本原則等をはじめとする現行の法人税法等の内容を教えています。

(3) 租税の基本原則
現行の法人税法で重要な租税の基本原則には、租税法律主義(の原則)と公平性の原則等があります。前者の租税法律主義(の原則)は、簡単に言えば、国家は法人税法等の税法で規定している内容のものしか課税できないということです。このように、税法規定に従って課税をしていくことが租税法律主義です。これは憲法で規定されています。すなわち、税金は、国家権力等によって企業等から半強制的に財産を取り上げるものですから、憲法による租税法律主義で定められた場合だけ課税が行われます。逆に企業の側から見ると、これは財産権の保護として機能しています。つまり税法の規定以上に課税されないこととなっています。そして、2つ目の原則として公平性の原則があります。企業に対する課税負担が公平になるように課税するという考え方のことです。

(4) 税法と企業会計との関連
税法と企業会計との関連ですが、企業会計と税務会計はそれぞれの目的が違うので、本来的には、両者が独立しても全く構いません。しかし、もし両者を切り離し、全く違う取り扱いをすると、例えば、帳簿の記帳等を二重に行わなければならず、非常に煩雑で手間が掛かることになります。そこで、一般的に企業会計を利用して税務会計を行うことができるようになっています。すなわち、会計上の決算が確定するのは、基本的に定時株主総会であり、そこで決まった決算が確定決算です。そこで決定された会計上の利益をベースに税法上の所得を計算していくのが、確定決算主義です。

先ほどのお話ししたように、会計と税務が密接に結びついています。しかし、両者の使用する計算内容は必ずしも一致しません。というのは、会計上は概念として収益から費用を引いて利益計算を行います。ところが税法上では、このような会計上の「収益、費用、利益」概念に対して異なる「益金、損金、所得」という概念を使っています。両者は、似ているようですが、若干違います。本来的には、収益と益金、費用と損金、利益と所得が対応しています。全く一緒なら全然問題ないのですが、若干違うので、まず、会計上の収益から費用を引いて利益計算をして、次に、会計と税法との違いを調整して所得を計算しています。これが確定決算主義といわれます。このように、企業に対する事務手続き上の負担を軽減する目的で、税法上の課税計算は、企業会計をベースにして、収益から費用を引いて利益計算をし、会社法上の定時株主総会で決まった利益に税法上の調整を加えて、所得を計算して、その所得を課税標準にして、課税をしていく仕組みになっています。

(5) 授業の範囲
タックス・マネジメントの実際の授業では、具体的には、経費、棚卸資産、有形固定資産等についての税法上の取扱や申告や納付についての話や、合併や分割等の企業再編税制、連結納税制度、グループ税制等の話、さらには、タックス・ヘイブン、移転価格税制、過小資本税制等の国際課税の話をしています。例えば、交際費等は会計上費用ですが、税法上大企業の場合は、交際費は損金として認められません。会計上は費用として落とせますが、税法上は課税対象になります。中小と大企業では違う扱いになるので、そういうところの説明もしております。

(6) 授業の状況
受講生には、公認会計士、税理士や税務署の人などの税金のプロもいれば、税金とは全く係りのない学生もいます。人数的には、後者の方が大多数です。タックス・マネジメントの授業に公認会計士、税理士や税務署の人などの税金のプロなどの学生が出席していれば、専門家としての経験や意見を聞くなどして、授業の補助役等をして頂きます。

幅広いジャンルの職種の学生が一緒にタックス・マネジメントについて学ぶので、具体的な授業の方法としては、普通の大学や大学院のように教員が一方的に講義をするのではなく、授業は双方向で行います。すなわち、先生が講義や生徒に質問をしたり、反対に生徒が先生に質問をしたり、さらに専門家である税理士や税務署の学生からの意見を聞いたりしながら授業を進めています。また、毎回授業アンケートを取って、授業改善に努めています。


分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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