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雇用

村藤功 企業財務 M&A

13/09/26

今日は、雇用についてお話します。

あまり仕事をしないで遊んでいる人がたくさんいるという状況は健全ではないため、みんなに働いていてほしいものです。現状、高齢者や若者が働いていないという状況になっています。日本全体の失業率は4%であるのに対して、若者の失業率は8%にのぼっています。ヨーロッパや中東では、2~30%の若者が、大学を卒業しても仕事がないという状態になっています。スペインやギリシャでは、5~60%の若者が働いていないという、大変な事態に陥っています。EUから様々なことを言われていますが、仕事もないのにそれらに協力することはできないと言って、若者たちはデモを起こしています。

高齢者の雇用については、今年の4月に高年齢者雇用安定法が施行されました。これは、従業員の定年後も年金支給年齢になるまで、希望者全員を雇用することを義務付けるものです。その背景には、年金財政が立ち行かなくなったため年金をもらえる年齢を引き上げることとなり、定年後に年金も給与も受け取れない期間が生じるようになったという事情があります。その結果、高齢者に対して給料を支払うために、現役世代の給料を下げるなどの対策が取られてきています。そこで、現役世代の賃金カーブをいじるなどの色々な試みが始まっているところです。高齢者の方も、正社員ではなく、パートタイムなどの非正規雇用で雇うという話も出てきているものの、それでは給料が少ないという意見も出ています。そこで、正社員と非正規雇用の中間的な位置付けとなる、準正社員制度を作ることとなりました。準正社員であれば、賃金が正社員の8-9割に抑えられる代わりに、職種や勤務地が限定されます。女性の正社員が子育て期間にだけ、準正社員となることもありえるでしょう。

政府的にも、こうした雇用を作り出すことは、非常に重要です。過去には、雇用調整助成金というものがありました。これは、仕事がない間には休職させ、その間に少しお金を払ってあげる、というものでした。ところがこれでは、居ても仕方がないところに人が居続けることになりうるため、人の活発な移動が起きにくくなります。そこで、業界があるべき方向へスムーズに移転していくために、政府は、転職を支援するための労働移動支援助成金を出すようになりました。これら助成金は両方とも、事業主が支払う雇用保険料が入れられる労働保険特別会計から出ています。政府は雇用調整助成金を縮小し、労働移動支援助成金を出す方向に、考え方を変えてきています。

インフレには、いいインフレと悪いインフレがあります。LNGが上がった、ガソリン代が上がったというのは、生活が苦しくなる悪いインフレです。いいインフレの場合、従業員の給料が上がりながら物価が上がります。そこで政府は、今年度から再来年度にかけての時限措置として、企業が賃上げをした場合に税金を少し助けるという制度を作りました。これはたとえば、給与総額が5%以上増加して、雇用者1人あたりの平均給与が前年度を下回らない場合、増加分の10%を税額控除できる、というものです。ところが困ったことに、どの企業も1%弱程度しか賃上げをしないため、この制度を誰も適用しないのではないかという状態になりました。現在では、5%ではハードルが高いため、2~3%、極端に言えば1%くらいにすれば皆給料を上げるのではないかと考えて、制度変更を検討中です。

今日のお話をまとめます。
世界経済がリーマンショックから回復しつつありますが、若年雇用問題は悪化してきています。どの国でも、年金支給開始年齢が引き上げられてきているので、定年の延長を義務化する必要が出てきています。日本でも、そういうことを行ったり、非正規雇用問題に対応するために準正社員制度を作ったりしています。産業構造も変化し始めたので、転職支援制度をも作り始めました。また、賃金水準を上げるために、賃金を上げれば企業が税金で得をする制度も始めています。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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