QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ビジネスプランコンテスト② (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

ビジネスプランコンテスト②

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

13/09/13

・前回は、ビジネスプランを生む4つのプロセス、(1)新たな事業機会の探索と発見、(2)ビジネスアイデアの考案、(3)ビジネスモデルの構築、(4)ビジネスプランの作成、のうち、(1)と(2)について話した。今日は(3)と(4)について解説したい。

・優れたビジネスアイデアを考案できても、それを安定的な収入に結びつけるビジネスモデル(収益モデル)の構築が必要だ。つまり、誰からどうやってお金を頂いて、どのように経費をカバーすれば継続して利益が得られるのか?という構造のこと。
・近年、このビジネスモデルを考案し、ブラッシュアップするツールとして、「ビジネスモデル・キャンバス」というツールが知られる。これは、1枚の紙に、「価値提案」、「顧客セグメント」、「チャネル」、「収益」、「資源」、「パートナー」、「コスト」などの計9つのボックスを俯瞰できるように配置し、その相互関係を見ながらビジネスモデルの妥当性を確認するツールだ。
・ここで重要なのは、あくまでも「キャンバス」に描かれたビジネスモデルは仮説にすぎないということ。つまり、「価値」も「顧客」も机上で想定しただけであって、本当のニーズが存在するか否かは、実際に想定した顧客に接触して、十分な確認を行う必要がある。
・「顧客」に対して自ら考案した製品やサービスの「価値」がフィットしなければ、製品やサービスのあり方、あるいはターゲット顧客そのものについて見直して方向転換し、ビジネスモデル全体を変更しなければならない。この方向転換のことを「ピボット」という。
・スタンフォード大学の調査によると、シリコンバレーのベンチャー企業で、ピボットを複数回経験した企業は、ピボットが無かった企業よりも資金調達額が大きかった、という結果が得られている。つまり、「思い込み」に囚われるのではなく、「現実を観察し、現実に適応する」ことがビジネスの成功には重要ということだ。
・さて、「キャンバス」などのツールを使ってビジネスモデルを構築したら、いよいよビジネスプランを書く作業に入る。ここで疑問だが、そもそもビジネスプランの役割(意味)とは何かを冷静に理解しておく必要がある。
・元アップルのガイ・カワサキは、「皮肉なことだが、たいていの起業家にとってビジネスプランそのもの(書類)は、資金調達の際に最も重要性の低いもののひとつだ」と言う。つまり、事業のアイデアを投資家に披露した段階で投資家が前向きの場合、ビジネスプラン(書類)はそれを補強するものに過ぎない。逆に投資家が後ろ向きの場合には、ビジネスプラン(書類)で心変わりを促すのは難しい、というわけだ。
・アントレプレナーシップで有名は米国バブソン大学が行った、「会社設立時のビジネスプランの有無が、その後の事業の成否に影響を与えたか?」という研究では、「統計上の有意差を示すほどの差はない」との結論だった(ただし、会社設立直後12ヶ月の資金調達は若干有利だという示唆はあった)。
・では、なぜ事業計画を書く必要があるのか?それは、創業メンバーが書き上げる過程で様々なことを学べるからだ。例えば、アイデアの段階では浮き足立って見逃したり、矛盾があっても適当にごまかすことができる。しかし、ビジネスプランの中で、しっかりと根拠データや論理性を明確にしながら詳述していくと、そのようなごまかしが通用しない。つまり、ビジネスモデルの「仮説」から曖昧さを排除することで、より正確な「検証」に結びつけるのがビジネスプランの役割なのだ。
・前回話したように、QBSでは2年前からビジネスプラン・コンテストを実施している。今年のテーマは「TPPに挑む新しいビジネスの創出」だ。コンテストへの応募を通じて、事業創造プロセスにおいて学生のアントレプレナーシップが涵養されるとともに、日頃学んでいる経営理論や分析手法を駆使し、価値創出に挑戦し、その過程で多くを学んで欲しい。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ